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まさしく台風一過の青空が広がる柔らかな陽射しが心地よいほど秋が深まっていたが、雲は何処か夏の残り香を感じたそんな十月神無月半ばの休日木曜日だった。
時に横浜中華街には世界に誇る名立たる名店が揃っており、中国四大料理である広東料理・四川料理・上海料理・北京料理を、それぞれ提供する多くの中華店が軒を連ねている。
特にその中でも広東料理の二大名店と呼ばれるのが聘珍樓と満珍樓であり、その昔から伝統と格式を誇って現在に至っている。
明治20年日本最古の聘珍樓に対して、満珍樓は明治25年創業の中国料理店だが、その信頼と人気は聘珍樓に引けを取らない名店に数えられている。
もう訪れて五年にもなるが聘珍樓には入店していて、今回こちらの満珍樓には未訪であったことを思い出し、そんなわけで台風が贈り届けた秋風がそよぐ中また横浜中華街へやって来た。
と言うわけで本通り沿いの奥寄りに位置するこちらの店頭へやって来た。予約も無しに入店するには、少し気が引けるほど格式を感じる店先だ。
しかしそこは完全予約制ではないだけに、もちろん普通に入店出来る。入口のフロントに予約無しで食事の旨を告げると、1階フロント右手奥の鴻運厅なるメインダイニングホールへ案内された。
指示されたテーブル席に座りメニューブックなどを広げて、そこからチャーシュウ葱そばを選んで注文した。平日の開店から午後二時まではランチサービスとして、デザートとコーヒーが付くそうでそう明示されていた。
会計札がテーブルの隅に置かれ、精算時はそれをフロントに渡して精算となるそう。見上げた天井の装飾や、少し遠くに見える金色の屏風が何とも絢爛(けんらん)であった。
なおメニューリストには、化学調味料は一切使用しない旨も記されていた。またこんなことも記載されていたので、主だった部分だけ抜き出してみた。
食在広州(食は広州に在り)と広く言われているように、広東料理は中国料理最高峰とされていると言う。
そんな料理を広めた広州は、中国大陸の南部に位置しており、内外の交易港として栄えて来た海浜都市だそう。
気候が温暖でありその昔から様々な食材が広州に集まったようだ。そのため優秀な厨師が広東に集い、切磋琢磨した食の贅沢さを極めた料理が出来て行ったらしい。
広いフロアには様々な調度品があしらわれていて、高級中国料理店らしいそんな雰囲気に包まれていた。目の前にはナプキンなどが用意されていた。
同じ建物の大通りに沿いには萬珍樓売店があり、周辺には萬珍樓點心舗や萬珍茶房などの関連店が営業しているこちらだそう。程なく到着。
なかなか見栄えのする、オーラもいい感じのチャーシュウ葱そばがやって来た。それではと行かせて、なるほどこれは実に素敵でかなり美味しいチャーシュウ葱そば。
葱がなかなか多めに入っているなと口にして行けば、チャーシューも細切りにした肉がかなり多めに入るもので、醤油味の風情豊かなスープに細ストレートのこれぞさすがと言える素敵な麺の感覚がたまらないもの。
気がつけば完食。タイミングよくコーヒーとスイーツの杏仁豆腐が来て美味しくいただいた。これで1200円は、かなりお得感があるものだった。創業時から変わらないまごころのおもてなしだそう。
いや、かなりとんでもなく実に果てなく素敵で良かった。
(左フォト) チャーシュウ葱そば/平日セットデザート&コーヒー/店頭 (2013.10.17)
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