平和軒 東京・大崎







春霞がたなびいて青空が幾分白んで藤やツツジが咲くようになって来た、陽射しがまた初夏の陽気に近づいて来たとは言え気温はそれほどでもない、そんな春爛漫の四月卯月休日火曜日だった。

久しぶりの連休ともなった本日で、さてそれなら今日はこちらへ訪れて見るかとなった。少し前の大崎裕史氏のブログで知るところとなった平和軒だが、なんと勤務先の浦和周辺にもあるとして先日訪れたものだ。

すると品川大崎の平和軒に、端を発する関連店であることが判った。具体的にはその店主のお兄さんが品川大崎の店で修行し、暖簾分けを許され戸越公園に店を持ち、そこで修行した浦和の店主だそう。

浦和の前に昭和43年頃大井町で開業し、昭和50年に移転して浦和での営業を始めたらしい。お兄さんの戸越公園の平和軒は残念にも三年前閉店してしまったそうで、およそ50年間の商いにピリオドを打ったらしい。

大崎周辺にはこちらともう一軒の平和軒があるようだ。浦和店主のお兄さんはそのどちらで修行したのかを確認すると、訪れたときは製麺している方とのことで、こちらでない西五反田なのかと思った。

しかしその時の会話をフラッシュバックさせると、立正大学の直ぐそばで営業している方と確かお聞きしており、どうやら大崎駅寄りに位置するこちらの可能性が高いことに気づいた。

ともあれこれはこちらのラーメンも是非とも楽しんで見たいし、そこら辺のお話しをこちらの現店主から直接お聞きするのが一番として今回出掛けることにした。

そんなわけで爽やかな青空の下JR山手線大崎駅の北改札を出て、西口右手の階段を降りてそこからそう遠くない周辺近くまでやって来た。なるほど立正大学の校門があり間違いなさそうだ。

ところがこちらが見つからず、さて何処?となった。すると校門に気を取られて判らなかったが、その前にある石段を上がった場所で営業していたこちらだった。少し遠回りしながらも、その店頭に到着。

さっそく入店すると開店まもない時間もあってか先客ゼロの店内で、店主が入店して来る客を待ちながら新聞に目を通しておられた。

戸越公園の店で修行したその店主の弟さんが営業する浦和にある店を訪れ、その関係からこちらへ来たことをお話しすると、たいそうに喜んで迎え入れてくれた店主だった。

目の前のメニューを手にして、そこからワンタンメンをお願いした。あらためてメニューを見ると様々な麺類メニュー以外にも、オムライスやカツカレーライス等の洋食メニューもあった。

またこちらイチオシらしい、MISO TAMATOなる味噌とトマトが融合したラーメンが、よほどの自信作なのだろうそこかしこに案内されていた。

奥には座敷席が広がるこちらで、後から周囲に住んでおられる方々だろう3〜4人で来られた常連さんは、いつものように靴を脱いでそこへ上がって行った。

何気なく店内を眺めていると、ぴあ品川大崎大井町五反田食本2013なるムック本が置かれていて、広げるとこちらが「路地裏でひっそりと商う昭和が漂う昔ながらの中華」として紹介されていた。

三代目となる、こちらの店主だそう。昭和二年創業の平和軒であることは既に知っていたが、色々とお聞きして見ると新事実も出て来た。

その昔大正天皇が崩御して日本は大正と言う年号の時代が終わり、昭和と言う時代が始まった。昭和元年はほんの数日だったから直ぐに昭和二年となった。

そんな昭和二年に上大崎で創業した平和軒だそうで、その店名由来は創業店主のお名前のグン平と新しい年号の昭和から一文字ずつ取ったものだそう。

昭和六年に満州事変、昭和十二年に日華事変が起き、日本は戦時体制の様相を呈して来た時代だ。

太平洋戦争が始まり徴兵と疎開が活発化して来ると、国内は混乱を極め多くの方々が戦地へ送られて行った。そんな中で命からがら終戦を迎えたが、戦後のドサクサから自宅を失ってしまったそうだ。

やむなく五反田周辺で屋台を引いて営業を始め、昭和25年前後になってから闇市にもなっていた五反田周辺飲食店街の新開地で路面店を再開したそう。その当時を偲ぶ画像をネット状で見つけた

そして昭和40年にその当時自宅だった建物を改修し、店を移転させて現在に至るこちらだそうだ。地下に製麺室があるらしい。程なく到着。

それではと行かせて貰えば、なんとも唯一無二の独特な味わいがあるものの、これが実に王道的な美味しさを実感することが出来るもの。豚骨・鶏ガラのふくよかな味わいがたまらない醤油味だ。

自家製麺も程よいコシが実に素敵な中太麺で、老舗店だけに低加水の2〜3日寝かせた熟成麺と確信してお聞きすればその通りだった。

先述したようにそう遠くない品川区西五反田には初代店主の弟さんが始めた平和軒が営業しており、祐天寺には創業店主の娘さんが始めた平和軒があり、武蔵小山にも創業店主の弟さんの次男が始めた平和軒があるらしい。

気がつけば完食。いや、これはかなりとんでもなく実に素敵で、果て無くとても良かったそんな美味しいワンタンメンだった。

(左フォト) ワンタンメン/メニューリスト/店舗遠景/最寄駅の大崎駅 (2013.04.16)


 平和軒@大崎広小路

 住所:東京都品川区大崎3-1-16  TEL03-3491-3824

 定休日:日曜・祝日  営業時間:11:00〜15:00/17:00〜19:00

 アクセス:JR山手線大崎駅北改札西口下車。右手の階段を降りて目の前の道路を右手に進んで
       行き、大崎警察署前交差点を左折。立正大学校入口の左手にある石段を上がって行くと
       前方のまもない左手にあり。徒歩およそ6分。

.

この大崎警察署前交差点を左折すればもうすぐ。

こちらのすぐ目の前にある立正大学入口。

以前は自宅だった建物を改修して店舗としているこちら。

中に入ると小さなテーブル席が二つある。

その奥には広い座敷席があった。

JR大崎駅北改札西口から徒歩およそ6分。