


 |
一日中降り続いた昨日の雨も、まるでその日だけの契約であったかのようにぴたりと止んで、曇天の空が広がりながらも晴れ間にもなる予報が出ていた、十一月・霜月中旬木曜日の風の強い朝だった。
そんな今日は三軒茶屋を営業する場所と決め、表参道駅で銀座線から東急田園都市線に直通する半蔵門線電車に乗り換え、その三軒茶屋でホームに降りて地上に上がった。
するとそこは国道246号玉川通りの歩道で、往来の激しい周辺に首都高の橋げたが樹齢数千年の屋久杉の如く直立して、薄曇りの空の方からも高速運転で過ぎ去る何十台もの車の音がこだましていた。
そんな首都高速の橋げたを見ながら、けたたましい音の中を渋谷方面にしばらく歩いて行くと、何軒かのラーメン店等の外食店があったが、こちらの店頭だけ入店を待つ行列が出来ていた。
手荷物もなく近くのオフィスのサラリーマンとOLと言う感じの方々の四人がおられ、その後ろへ着いてしばし待つ事となった。それでも少しすると先頭の人になったが、その後が長いケースがしばしばあるがそれであった。
朝からやや強い風が吹いている本日で、入り口に掛けられていた風流な色合いの、薄焦げ茶色した暖簾が何とも風情豊かに揺れていた店先であった。また肌色の壁には楕円形の小窓があり、その前で店主が南京軒食品とあった麺箱を台にして麺を手で揉んでいる姿が見えた。
またその小窓と入り口の合い間には、木製の四角い形をした営業中と大きく表示された案内板があり、ニスが塗られている分つやが出ていて鈍い光りを反射させていた。
そこには小さく「海産物の出汁を使用した和風正油ら〜めんでございます」とも表記されていて、思わず店名の和正が和風正油を略したものだと理解できた。何とも語呂の良い名前で、覚え易い名前とも言えた。
店頭と言うとよく出汁が香って来て食欲を誘わせるが、その煮干しを中心にした魚介臭が香って来た。すぐ隣りもラーメン店らしく、そこは油そばの文字が大きく案内されていた。
後続の二人客が私の後ろについてしばらくすると、店主の奥さんらしき方が丸椅子を二脚ほど手にして出て来られ、店頭にそれを並べると着席を促して丁重な言葉を残して戻って行かれた。
そして順番が来て入店すると、それは小じんまりとした店内風景で、6人が座れるカウンター席と奥には二人用のテーブル席があるだけであった。
空いていたカウンター席の一番奥の席に腰を降ろし、メニューを見るとチャーシューは200円で味玉は50円とあった。そんな確認をしつつオーダーと言う事で、ネット情報のうる覚えで1玉はたしか150gだった筈と思い、天井近くの壁にはチャー玉と表示されていたチャーシュー麺味玉付を、2玉とあった大盛でお願いする事にした。
2玉だから単純計算で300gだが、ネットの情報がいつのものか見ていなかったので、念のため目の前に奥さんが来られた時に「1玉は150gくらいですよね」とお聞きしてみた。
すると現在は180gだそうで合計360gくらいになるそう。それは少し何かなと思いつつも、麺茹でに移っている頃でむやみに変えるのも失礼となるので、そのままで構わない旨を告げた。
ところがまだ麺茹でを始めてないので、宜しければ変更出来ますよと返って来た。それであればと言うわけで、お言葉に甘えて1.5玉の中盛へ、チャーシューもあるしと言う事で変更して貰った次第であった。程なく到着。
おお、大判チャーシューが何枚も横たわっていたラーメンで、茶濁しているスープのまったりした風情が何ともたまらないものであった。顔を近づければ煮干しの香りに節の香りが混在してやって来て、何とも心を癒してくれるものがあった。
それではと行かせて貰えばそれはもう、いやいやいやいやいやいや、美味い美味い美味い美味い美味い美味い。ややラードが前に来て、こってり感を強めに演出したラーメンだが、その風情の豊かさは、やはりたまらないものでいい感じであった。
麺は低加水の中太手揉みちぢれ強めに、まったりとも来るスープのラーメンであった。味玉がこれまたいい仕事で美味しく頂いた。
いつもこんな感じかガタイがいい分気を利かせてくれたのか、ややアブラこいめな感じだったが、それでもかなり良い風情があり、近くにあれば再訪してその時は好みのあっさり気味で堪能したい所だった。
初訪問でいきなり自分にとって最高のラーメンで出て来る事は砂浜で塩粒を探すようなものだが、二度目の美味しいラーメン店で好みを告げれば、砂浜でテトラポッドを探す程度になると言うもの。
以前世田谷区若林にあった中華麺ふくろうにおられた方が営むお店だそうで、昨年の5月にオープンしたらしい。如何にも永福町大勝軒系らしい、そんなラーメンであった。
けっこうな量なるも気が付けば完食だった。奥様が目の前におられたので、思わず美味しかった旨を告げた。自宅周辺に同じ系統のお店がある事もそこに付け加えた。いや、今日も良かった美味かった。
(左フォト) チャー玉/お品書き/店舗外観/店舗前の玉川通り (2009.11.12)
|
めん 和正(わしょう)
住所:東京都世田谷区太子堂2-6-2 定休日:月曜日 ※祭日でも定休日
営業時間:11:30〜14:30/18:00〜22:00
アクセス:東急田園都市線三軒茶屋駅下車。北口B出口階段を上がったらその方向に7分程
歩いて行った国道246号玉川通り歩道沿い左手にあり。
|
|