
最寄り駅JR中央線西荻窪駅の南口からスグ。 |

風情のある路地裏の入口で営業している。 |

大抵は十人近く並んでいるが、並ぶ分だけ更に美味しい。 |

野菜の値段が高騰気味だが、年内は価格据え置き。 |

ほとんどの先客が、タンメンを食していた。 |

年末年始は12/31から1/6まで休業。 |
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爽やかな青空から燦々と陽射しがふりそそいで、そよぐ風はめっきり冬を思わせる気温を感じさせていた、そんな晴天の十二月師走二日の休日火曜日だった。
一度訪れて以来また行きたいと常々考えていたこちらで、久しぶり戻って来た吉祥寺勤務先の社内の方からもこちらの店名が出て来て、やっぱり行きたいとなって四年ぶりに訪ねることにした。
そんなわけで昨夜に続いてまた西荻窪駅の改札を出て、そこからそう遠くないその店頭へやって来た。腕のくるぶしを胸辺りに上げて腕時計を見ると、ちょうど正午を過ぎてまもない時間だった。
暖簾が掛かる入口から今日も行列が出来ており、人差し指でその人数を数えると八人が並んでいた。
その後ろに着いて待っていると、日陰でやや寒いもののまだ冬本番と言う寒さでないだけにたいしたことはなかった。
何しろ待っているとこちらのスープの香りが厨房の換気扇が少しだけ離れた場所にあるのか少し淡いが、それでも充分に麗しい香りが漂って来るだけに、そこに待つ甲斐を感じるところとなるもので、行列に並べば並ぶだけ美味しさが倍加するところになると言えそう。
そんな風にしていると先頭となって、しばし後に先客が帰って行き一番奥寄りの方が精算を済ませて暖簾を潜ったところで入店した。
中へ入ると右手側の一番奥の席へ店主に促されて、メニューボードの目の前となるカウンター席に腰を下ろした。
オーダーはこちらに来るまでは今回は醤油味のラーメンにしようかと考えて来て、外からメニューボードが見えてワンタンメンもあるのかとそちらに定まりかけた。
しかしながら外から先客の誰もが、タンメンをそれは旨そうにすする後ろ姿を見ている内に、やっぱりタンメンとなった。
そこでまたチャーシュー増しをお願いしつつもワンタン増しも可能なのかお聞きすると、それは味のバランスに問題があるのか受けていないそうでそれならばとチャーシュー増しだけお願いすることにした。
店名について店主にお聞きして見ると、先代店主のお母さんが昭和36年創業以前に小料理屋・初音を営業していたそうで、その店名を受け継いでいるタンメンをウリにするラーメン店「はつね」なのだそう。
ちなみに、小料理屋店主だった先代店主ご本人のお母さんが初音と名付けたそうで、そのお母さんは全く違うお名前だったらしい。
本来初音とは鳥や虫のその季節の最初の頃に響く鳴き声を表わすもので、特に春時ホーホケキョと鳴くウグイスの鳴き声を表現する時に用いられて来たようだ。それだけに季語としては春を意味する。
ふと見ると厨房奥の壁面には、永福町大勝軒系製麺所である草村商店の中型サイズのカレンダーが掛けられており、利用している製麺所がそちらであることが伺えた。
この数年異常気象による日照不足が原因により、野菜の値段が高騰気味の昨今だが、年内は価格据え置きで年明けからやむなく値上げとなる予定だそう。
ちなみに年内は30日火曜日まで営業して、その年明けは7日水曜日から始めるようだ。
中華鍋で軽く野菜を炒めてからスープを入れて、よく野菜煮込んでから茹で上げた草村商店製の中細でちぢれ気味の麺の上に流し込み入れていた。
そして口にしやすいようにだろう程良いサイズにカットしてさらに隠し包丁まで入れる入念さのチャーシューをのせて出来上がり。目の前に自分のタンメンが到着した。
それではと行かせて貰えば、それはそれは優しい味わいの極上感がたまらないもの。青い野菜が何処までも青く、透明度の高いスープはその旨味を現わして、実に素敵なオーラを造作していた。
麺もやはり絶大に素晴らしいが、でしゃばらずにスープと野菜の陰にさりげなく居て、それでいてその存在感を時折りだけ感じさせていた。それだけに、気がつけば完食。
傍に丸いブラウン管の白黒テレビが突如現れて、そこに東海道新幹線の開通や東京オリンピックが始まった出来事が報じられる、そんなNHKニュースが流れているかのような錯覚にとらわれそうなほどの風情と言えた。
いや、かなりとんでもなく絶大に途轍もなく、何処までも果てなくじみじみとしていて素晴らしく良かった。
(左フォト) 店頭外観/タンメンチャーシュー増し/アップ画像 (2014.12.02)
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はつね
住所:東京都杉並区西荻北3-11-9 TEL03-3333-8501 定休日:日曜 祝日 第1・3月曜日
営業時間:11:00〜17:00 ※土曜〜16:00頃 ※スープなくなり次第終了
アクセス:JR中央線西荻窪駅南口下車。南口前の西荻南口仲通街の右手側にあるサカエ通りを
入ってまもない右手の駅近くにあり。
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昨日からの微量の雨が昼近い時間まで関東地方の一部で降り続いていた、そんな傘が手放せなかった12月半ばの休日火曜日だった。
今のところ休日のぼんやりした時間に浮かぶのは、後はクリスマスのチキンに年賀状の作成日、大晦日の年越しラーメンをどうするか。
さて今回は人気ケータイサイト「超らーめんナビ」でもお馴染みの北島秀一氏に、最近「中央線沿線を代表する老舗」と言わしめた名店のこちらだ。
中央線沿線を中心に食べ歩いているさなかの私だけに、そこは気にならないわけがなかった。そんなわけで出掛ける事にした本日だった。
ちなみに北島秀一氏は広島県広島市のご出身で、新横浜ラーメン博物館広報担当をされていた経験もある方。また第4回ラーメン王選手権では、あの石神氏と激戦した末に惜しくも惜敗した逸話もあるらしい。
少し前に民事再生法適用となった桂花に若いころ魅せられラーメンの世界にハマり、以前はラーメンサイト「しうの電脳日記」の管理人をされていた事でも知られている。現在フードライターでありラーメン評論家でもあり、幅広くその第一線で活躍している一人だ。
そんなわけで昨夜も訪れた、西荻窪に連日やって来た。昨日は北口だったが、今日は南口に降り立った。かなりの行列店らしく、それを見越して早めにやって来た。店頭に到着すると、たまたま一人だけでこれはラッキー。
しかし昼飯としてはやや早い時間だった事に、本当に普段は行列しているのか、知りたくなった事も手伝ってしばし周辺を散歩。
でも早めに食べて家でゆっくりしてもいいかと言う気持ちも出来て、そう経たずして振り返りUターンしてまたその店頭に戻って来た。
おそらく10分は経過していまい。いなかったがなるほど・・・8人がいつのまにか並んでおり、そのちょっとした行動を悔やむしかなかった。その後ろに着いてその順番を待った。
しかしそうしているとこちらの出汁の香りがその店頭にかぐわしく立ち込めていて、それは食欲が増して来て逆にこれはいい序曲ならぬ序臭となった。
仏料理店でまず前菜を口にするようなものに近いかも知れない。
いつもよく思う事だが通常のラーメン店だといきなりメインディッシュ状態となるが、こうした行列店ではそうした前菜感覚状態が気が付かない内に起きて、よりラーメンが楽しめる事になる。閑話休題。
さてしばらくすると先頭になって、次の先客が出て来れば私の入店となる。
思わずその何度も開く引き戸をじっと見つめてしまう。どうやらカウンターの一番左端の方だったらしく、その時だけ逆側の引き戸が開いて思わずびっくりした私だった。
ともあれ深呼吸して心を落ち着かせながら入店。そんな状況だっただけに、タンメンとだけ言ってオーダーした。一人一人丁寧にタンメンを作り上げるこちらで、まだしばらくは掛かりそう。
冷静に戻った頃タンメンを提供する店はチャーシューを作る店であれば、メニューになくてもチャーシュータンメンを作ってくれる事を思い出した。思わず泰園@秋葉原が過った。
メニューにはないだけに、そこはさりげなくチャーシュー増しが出来るかお聞きすると、これが大丈夫だそう。思わず気をよくして大盛りでもお願いした。
昭和36年創業のラーメン店で、現在は二代目が営業しているそうだ。建物が創業から変わらぬようで、その店舗自体にもかなりの味が感じられた。
実はこの後でもう一軒訪問する予定にしていたが、こちらの風情の良さに打ちひしがれて、今日はこちらのタンメンワールドに浸って帰りたくなって大盛にした次第だった。
タンメンが着々と出来上がって行く様子を見ていると、その考えに間違いはなかったと確信さえもする事が出来た。程なく到着。
その一杯のタンメンから感じられるオーラは、いったい何という事だろう。澄み渡っているスープからは、実に野菜の存在感が大きく感じられるもの。
それはいい野菜だからとかいい肉を使っているからとか、そういう次元とは大きく掛け離れた別の何かが介在しており、それがこのタンメンの存在感をより大きくしていた。
それが調理法の所為かずっと使い続けた調理器具から来るものなのか定かではないが、ともあれ口にして行けばもうこれは来て良かった大盛りにして良かったチャーシュー増し万歳と言うしかなかった。
やや加水の低い中細ちぢれの麺のコシも程よく、野菜のシャキッとした食感。
洗練されたと言う形容が適切な澄んだスープと油のバランス感にチャーシューを咬んだ時に来る醤油のもろみのような味わい等々何一つをとっても素晴らしいもの。
それはそれはいい大盛麺量なるも、気がつけば完食であった。
うま調系にも色々あるわけだが、こちらのタンメンはとんでもなく美味しく、帰りの電車の中でも心地よかったそんなタンメンだった。
年内のお休みは予定通りで、大晦日から年明け五日までと、年明け10日の月曜日が臨時休業のようだった。いや、なかなかの中のなかなかな美味しチャーシュータンメン大盛だった。
(左フォト) タンメン大盛チャーシュー増し/アップ画像/店頭/店舗外観店頭外観 (2010.12.14) |