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春爛漫な日中の陽射しがそうさせたのか、今日もまたいつものように午後9時過ぎに外へ出れば、春の滴が結合したかのような、雨が静かにそぼ降る夜の渋谷の街角だった。
思わずA4バッグに忍ばせていた折畳み傘を広げ、慣れた足取りで通りの人をすり抜けながら歩いて進んで行く。
そんな今夜は、こちらもまた気になっていた一店舗で今回訪問する事にした。昨年の8月にオープンした有機農法によるイタリア産トマトを利用したラーメンがウリのお店らしい。
渋谷109の前を右手に進んで東急百貨店本店を左手に少し進んだ、そんな人の行き来が絶えない場所にこちらが風情よく佇んでいた。
指していた傘を畳んで中へ入ると、やけに女性が多い店内だなと思いつつも、空いていた入口前のカウンター席に促されてそこへ腰を下ろした。
メニューからチェダーチーズらーめんとジェノバライスをオーダーすると、チェダーセットのセット内容と同じだそうで、そのセットオーダーにすると幾分か安くなるそうで頷いて任せた私だった。
それにしても女性が多い店内だなと冷静に見渡せば、自分を含めて11人中女性はなんと8人で、他の男性二人はどちらもカップルで来ていた。
思わずここはラーメン店なのかと、再確認してしまった私だった。程なく到着。
それはコラーゲンたっぷりの鶏がらベースのスープに、エキストラバージンオイルを加えて、抗酸化作用を持つリコピンがたっぷりの完熟トマトのラーメンだそう。細い麺が赤いスープに見え隠れしていた。
そこに大きめの鶏ササミ肉チャーシューが二枚乗っており、さらに細かく削った感じのチェダーチーズが多めに盛られていた。
まさしくこの上なくお洒落な雰囲気を持つラーメンで、どちらかと言えばそれはスープパスタの感覚に近いヴィジュアルであった。
それではと口にして行けば、何度かトマトラーメンは食して来たが、それにチェダーチーズがなんともベストマッチングで、実にハマった美味しさがあったラーメンだった。
鶏がら・トマト・チーズには全て旨みのグルタミン酸が含まれており、何度もこうしたトマトベースのラーメンを口にしたが、そこに多めの鶏がらとチーズが加わることによって、また新鮮な持ち味があって良かった。
トマトの中でチェダーチーズがミルキーなイメージを思わせ、そのトマトもまた独特なさっぱりした酸味感で、そんな中で赤い色がなんともエキセントリックであり、何処か渋谷の街のデリカシーな感覚に染まったラーメンと言えた。
麺がなくなってから生のバシルと粉チーズが入った、バジルの香りを移して鶏がらで炊いたジェノバライスに、残ったトマトスープを洋風おじやの感じで食したが、これがやはり何とも実に美味しく大事にゆっくりその旨味を堪能した。
さてジェノバってなんだったかと思ったがイタリアの一都市で、バジルを閉じ込めたライスだからジェノバソースになぞらえてそんな名前にした所だろうか。
気が付けば完食。店名の赤茄子とはトマトの和名の異称であり、こうしたラーメンを提供しているだけにぴったりな店名であった。いや今日もまた麺も良く、美味しトマトラーメンであった。
(左フォト) チェダーチーズらーめん/ジェノバライス/店頭外観 (2010.04.21)
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