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薄墨を垂らしたような暗い空から雨が滴り落ちて、湿度が高い分だけ通勤電車の中で長袖を捲り上げた、それでも秋は深まっている九月長月下旬の水曜日。
今日も仕事が終わって外に出れば、一度すっかり止んだ雨がまた降り出していて、それでも歩き出した頃には傘の必要がなかったそんな午後七時過ぎだった。
今夜も南浦和駅周辺と言うことで決めて、こちらもまた気になっていた一軒だけに立ち寄ることにした。店名が何か大いなる意味がありそうな感じで気になっていた。
夜営業のみのこちらだけに、浦和勤務でなければまず入店することはないだろう。そんなこちらを称えるブログ管理人さんが、多いだけに行けて嬉しい限りだ。
そんなわけでまた南浦和駅東口を降り立ち、そう遠くないこちらの店頭へやって来た。店名看板は幾つかあったものの、灯りが照らされていたのは入口横の小さな看板だけだった。
ひっそりと特に誰を誘うでもなく、いつもやって来られる大事な常連さんが営業していることに気づく程度に店内の明かりをもらしていた。
店頭に立って気が付いたが、町の十字路の角地で営業するこちらで、角地ゆえに店名をコーナーにしたところなのだろうか。
ともあれ入店すると券売機の無い店内で、比較的広い厨房には店主が一人おられて、カウンター席の奥に常連さんらしき先客の方が美味しそうにラーメンをすすっていた。
カウンターの入口寄りの席に腰掛け、壁面に表示されたメニューを見上げて、やはりこれかなと店名が冠されたその皇那らーめんをお願いした。
店名についてさりげなくお聞きして見ると、特に深い意味は無いそう。それ以上の話しを繋げて、失礼になるといけないので話しを取り下げた。
気を取り直して今度はいつ頃開業したのかお聞きして見ると、自分のご年齢を逆算されて今年で31年目になることを教えてくれた。昭和57〜58年頃に創業されたようだ。
バブル崩壊で価格を下げた時から、ラーメンの価格を変えていないらしく、おそるべしと言うしかなかった。それもあってか皇那らーめんも480円と言う安さの金額だった。
程なく到着。なんとも幅広の白いドンブリに入ってやって来た。具材は厚めで大きめのチャーシューに、メンマとワカメに茹で玉子半裁まで乗せられていた。
それではと行かせて貰えば、優しくじんわりとした味わいながら、しっかりとした骨格を持つ塩豚骨の風情がたまらないもの。
それは夏の煌めきを集めて作り上げたように、感じられるほどのなかなかの美味しさ。
こうしたラーメンに背脂を入れ込んでよく旨味を増強させるケースが少なくないが、そんなこともなく嬉しいスタイルを貫く気持ちが素敵なラーメンとなっていた。
それだけに中太平打ちやや太の縮れ麺ながら品のある持ち味が感じられて、チャーシューも実に美味しいもの。コショウの下味がついた、メンマの風合いがまた泣けるもので良かった。
醤油味にすると月並みな味わいに収まってしまうおそれがあったので、塩豚骨スープに落ち着いた皇那らーめんのスープだそう。
それだけに、気がつけば完食。細かく刻まれた玉葱が底に多めに沈んでこれがまた良かった。いや、かなりとんでもなくとっても素晴らしい、心の芯から暖まる素敵で美味しいラーメンであった。
(左フォト) 皇那らーめん/店舗外観/最寄駅南浦和 (2013.09.25)
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らーめん 皇那 (こーなー)
住所:埼玉県さいたま市南区南浦和2-28-1 TEL 非公開
定休日:日曜・祭日 営業時間:18:00〜翌2:00 ※土曜〜翌1:00
アクセス:JR京浜東北線他南浦和駅東口下車。ロータリー奥の道路を左手へ進んで、武蔵野線
ガードを潜ってから右手へガード沿いに歩いて行き、二つ目の十字路を左折して一つ目
の十字路右手の手前にあり。
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