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北寄りの風がまた南寄りとなる予報にコートを羽織らずに出掛けた、春霞の向こうで微かに青空が見えた三月弥生も最終コーナーとなって来た木曜日。
今日も仕事が終わって外に出れば、コートが無くてちょうど良かったそんな午後七時過ぎだった。
先日実はさいたま市内の本屋で、幹書房発刊の「ラーメンマップ埼玉16」を購入した。バックに収まり易いサイズで、フリークならずとも読みやすい内容だ。
そんな本をめくって行くと、こちらのページに目が止まった。その案内する文章を読んで、今夜はこちらへ行って見るかとなった。
そんなわけで浦和から今夜ばかりは、いつもの中距離電車ならぬ京浜東北線電車に飛び乗って蕨駅で途中下車。
西口のロータリーに立って、そう言えばと思い出した。高校を卒業して初めて就職した会社の倉庫がこの周辺にあった。それゆえに年に一度の棚卸しが終わった夜、先輩方に連れられて終電車を気にせず呑み明かしたこともあったものだ。
あの頃と変わらないロータリーの柵に、懐かしい思いがよみがえった。思えばあれから様々な出来事が起きたものだ。
ともあれ記憶は忘却の彼方だし今夜はラーメンと言うわけで、そのロータリーの先に見える信号交差点を左折してその店頭へやって来た。
昨年の3月24日にオープンした小半と書いて「こなから」と読む、麺は三河屋製麺の濃厚豚骨魚介つけ麺と鶏魚介清湯醤油らーめんがウリのこちらのよう。
さっそく入店すると左手に券売機があり、そこで予定通り中華そばの方を選ぶことにして、その中盛で行くかとその680円と明記されたボタンを押した。
何かしらサイドメニューがあればと目を下の方に向けると、チャーシュー角煮ご飯250円のボタンを見つけて思わず連打することにした。
奥へ進むとなかなかの盛況な店内が広がって、カウンターが奥まで伸びるフロア。中ほどの席へ腰掛けながら、チケットをその前へ置いた。
厨房には比較的若い方が、一人でおられた。邪魔にならないよう気を使いながら、気になっていた店名の由来についてさり気なくお聞きしてみた。
するとおそらく日本酒のことをさしているのだろう、一升の四分の一程度が適度でちょうど良い量と言えて、皆様からあらゆる意味でそんなちょうど良いラーメン店でありたいとオーナーが考えられて決めた店名であることを教えてくれた。
限定も提供しているこちらのようで、現在はご時世とも言える鶏白湯そばが案内されていた。
またスープ割りの内容を日替わりで変えているのか、「本日のスープ割りは三ツ葉です」と言うインフォメーションもあった。
なお調味料卓には、ゆず酢と七味香油なるものが容器に入れられていた。程なく到着。
中華そばと一緒に「後半になってからこの揚げネギが入るネギ油を入れて見て下さい」と、それをカウンタトップへ置いてくれた。
それではと行かせて貰えば、大量の鶏ガラにモミジもふんだんに利用した鶏ベースの魚介を合わせたスープに、三河屋製麺製の中細ストレート麺の適度なコシとその喉越しがたまらないもの。
後半になって揚げネギの入るネギ油を投入。やはり予想通りの美味しさで、ずるいくらいと言えた。
魚介感を感じながらも、どこか中国的なスープの面持ちを感じた。そして今度はチャーシュー角煮ご飯の方にも手を伸ばして口にして行く。
すると角煮は八角も充分に入るトンポーロ―そのもので、この時点で黄帝から連綿と続くとされる中国四千年の五文字が頭上に浮かび上がった。
もしやとオーナーについてお聞きすると、中国料理の豊富な経験の持ち主であることを教えてくれた。それにしても、このトンポーロ―は実に美味かった。チャーシューも実に素敵で、気がつけば完食。
ラーメンに求めるものがあるとすれば、それはノスタルジックであったりエキゾチックであったりファンタスティックであったりするもの。
そうしたある種の感情を、五感の中から感じることが出来るのが、やはりラーメンの醍醐味なのだと思う。
そんなことをあらためて思い知らされた、それほどに美味しい中華そばだった。いや、かなりとんでもなく実に果てなくとっても良かった。
(左フォト) 中華そば中盛/チャーシュー角煮ご飯/店頭外観/JR蕨駅西口 (2013.03.28)
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つけめん 小半 〜こなから〜
つけめん麺量:並240g/大360g/特480g◆中華そば麺量:並140g/大210g/特280g(+100円)
住所:埼玉県蕨市中央3-6-2 TEL048-432-3880
定休日:火曜日 営業時間:11:30〜15:30/17:30〜23:00
アクセス:JR京浜東北線蕨駅西口下車。ロータリーの先に見える信号交差点を左折して200mほど
歩いた右側にあり。
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券売機上にあったメニューリスト。 |

ゆず酢や七味香油なるものが容器に入れられていた。 |

揚げネギが入るネギ油を、後半になってから入れた。 |
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