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蝉吟の喧噪が、やや穏やかと成り、そして青紫色のツユクサを道端で見つけ、夏の街の風景の中にそんな秋の気配を何となく感じた。見上げれば雲が青空を塞ぎがちだが、陽射しが街を照らす、正午近い九月中旬の日曜日だった。
しばらく前に、何気なくネットを徘徊していると、こちらの賑やかな画像もある公式ホームページを見つけた。その後訪問をこまねいている間に、東葛大御所が行かれ、そう言えばという事で比較的近いこちらへ、再度公式サイトを訪ねて50円安くなるクーポンを印刷して、本日出掛けて見る事にした。
正午前のランチとしては早い、午前11時半を少し過ぎた頃、都営地下鉄新宿線篠崎駅の外に降り立つ。家電外商時代にも、営業車でよく来た場所だが、来るたびに風景が変わっている気がする街。
駅から歩いてすぐのラーメン店で、入る路地を間違えた私だったが、それでもすぐに辿り着いた。和風の佇まいの、住宅街の中にあるお店。中に入ると早い時間もあって先客ゼロの店内。
店主にインターネットを見て来た事を告げて、メニューから600円の塩らぁめんをお願いする。ねぷた祭りの勇ましいフォトが沢山あり、郷愁を誘うちょうど良い広さの店内。程なく到着。
おお、まったりとした風合いの、やや白濁させた塩スープが旨そうなビジュアル。首都圏で津軽ラーメンのお店と言うと、煮干しのハラワタを取らないラーメンが主流となっているが、津軽地方ではハラワタを取るケースも多くあり、こちらは後者の方で、上品な風味と仄かな酸味が前に出ていた。
スープを煮詰めないよう、心配りしている感じで、行平鍋で具の野菜と共に煮ながら暖めていたが、それはもう旨い旨い旨い旨い旨い旨い旨い。麺は中細ちぢれのしっくりと来つつも風情が高い感じで、チャーシューも、絶妙な風合いで、判る人には判る。
こちらは東京で唯一、黒石つゆやきそばを提供するお店として有名で、それで八回も取材を受けてテレビで紹介されているラーメン店だそう。つゆやきそばとは、ソース味のラーメンと言う、イメージが適切だろうか。
店主が着るTシャツや、ラーメンのドンブリには、以前営業していた「らあめん処トミちゃん」のロゴがあり、4年前にこちらをオープンする前は、瑞江の方でその店名で十年近く営業されていたそうで、さすが風情の高いラーメンを作られていた店主だった。
気が付けば完食。個性の突出が皆無で、油感もやや少なめの穏やかな風合い感が、まさしく食べ手を選ばない上品なラーメンだった。いや、良かった。
(左フォト) 塩らあめん/店舗外観 (2008.09.14)
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