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白く霞みながらも青い空から注ぐ陽射しは確実に勢いを増しているものの、節気は雨水となったが北寄りの風が体感温度を下げさせ、いつもより冷え込み寒く感じた早春の二月如月後半の休日木曜日だった。
先日も日ノ出町駅周辺のラーメン店を訪れたものだが、その下調べをしている最中その直ぐ近くで営業する老舗中華店のこちらを見つけて気になるところとなっていた。
1968年の昭和43年に創業したこちらのようで、ネットの画像を見るとその店頭の風情はまさしく老舗のそれで、午後八時には閉店してしまうらしくそれならばと休日を利用して出掛けることにした。
そんなわけで本日もまた横須賀線直通電車に飛び乗り、横浜で京急電車に乗り換えもうすぐ正午と言う頃に日ノ出町駅を降り立った。
先日訪れた時直ぐ傍の日ノ出町交差点に、オルガン広場なる場所を見つけていてまずはその前へ。この周辺には我が国初のオルガンを製作する工場があったらしい。
そこは西川オルガンという会社の工場で、その会社が持つ技術は卓越したものがあったと言われているようだ。それもあってだろう、その会社は大正10年に現在のヤマハに吸収合併されて行った。
そのオルガン広場には歴史散策マップが設けられてあり、そこにはその昔周辺に存在した横浜国際劇場も紹介されていた。
そこは往年の大スター美空ひばりのデビューのきっかけとなった場所で、初主演映画「悲しき口笛」も野毛が舞台となっていた。
戦後まもない頃国内で物資が乏しい時代において、野毛に来れば何でも揃うと言われたことを象徴する出来事と言えそう。
そんなところからか、その跡地からそう遠くない地元寿司店の敷地には、当時を偲ぶことができる若き日の美空ひばりの銅像が在った。
思わず横浜野毛は美空ひばりという大スターを生んだ街なのだと言うことを実感出来た。そこからそう遠くない、野毛小路の宮川町になる路地裏で、風情もよく佇むこちらを見つけた。
緑色のビニールシートの廂の下に中華料理と染め抜かれた赤い暖簾が掛かり、植物を植えた鉢植えが幾つも店先にバランス良く並んでいた。
サンプルが並べられるようなショーケース部分にはメニューボードが据えられていて、丁寧に手書きされた文字は印刷されたものと見紛うほどに綺麗な楷書となっていた。
さっそく入店すると老舗中華店らしい風情ながら、掃除が行き届いた小綺麗なフロアが広がっていた。左手のテーブル席では、地元の方々が昼間から宴会を繰り広げていて賑やかな店内だった。
正午前でまだ数人の先客だったので、壁面寄りにカウンター席があったが、少し窮屈そうだったので中央のテーブル席に腰掛けさせて貰った。そこに腰を下ろすとお店の方が出て来られて、冷水を目の前に置いてくれた。
半チャーハンの文字を目ざとく見つけて、葱油叉焼麺と記されて「ねぎちゃうしゅうめん」とルビが入っていたそれと半チャーハンで注文が出来るか確認させて頂くと、二つ返事で大丈夫と返って来たので更にそこへ餃子も一緒にお願いすることにした。
程なくすると地元の方々が、まるで小学校の学芸会で袖舞台から入って来る子供のように、これでもかと続々と入店されて来て、数分も経たずに大変盛況な店内に変貌を遂げたフロアだった。
ここで気を利かしてカウンター席に移動しても、忙しく立ち回るお店の方だけにかえって混乱を招くだけと判断してそのまま動かずにいた。後続客のオーダーを聞いていると、柔らかい五目と注文している方が目立った。
どうやらそれは柔らかい麺の五目焼きそばのようで、そう言えばこちらの提供メニューの一つにカレー焼きそばがあり、それはカレーライスのライスを焼きそばに変えたものらしく焼きそばが人気メニューのこちらなのだろう。程なく到着。
なるほど到着した注文した品は、どれもが実に旨そうなビジュアル。それではと行かせて貰えば、なかなかの麗しき味わいが実にたまらないもの。
ボリュームも良い縁に食紅が付いたチャーシューの美味しさと言ったらなかったし、千切りされた葱の風合いには泣けるものがあった。
餃子も絶妙な焼き加減に、肉餡もぎっしりで素敵な美味しさ。半チャーハンも洋食店みたいにスプーンが付いて来て、少なからず多からずの適度な量でそのパラフワ感の絶妙さがまた良かった。
こうした街の老舗中華店の場合、平日の昼間ながらビジネス街が傍とはいえここまで盛況なケースは珍しく、やはり野毛と言う街のオーラとこちらの素敵な美味しさあってこそなのだろう。
気がつけば完食。いや、実に素敵で良き時代のなんとも素晴らしい、かなりとんでもなく絶大に美味しかった葱油叉焼麺と餃子と半チャーハンだった。
(左フォト) 葱油叉焼麺/餃子/半チャーハン/店舗遠景 (2014.02.20)
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中華料理 萬福@野毛
住所:神奈川県横浜市中区宮川町2-20 TEL045-241-7845
定休日:水曜日 営業時間:11:00〜20:00
アクセス:京浜急行本線日ノ出町駅下車。改札を出たら左側に進み前方の大通りを左手へ歩いて、
日ノ出町交差点で斜めに渡って向こうの歩道へ行き、さらに進行方向(桜木町駅方面)へ
100mほど進み宮川3丁目交差点を右折。程ない十字路を左折し少し歩いた右手にあり。
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最寄り駅は京浜急行線の日ノ出町駅。 |

日ノ出町交差点のオルガン広場の歴史散策マップ。 |

戦後まもない頃、野毛が一人の少女を大スターにした。 |

野毛小路の中で見掛けた愛らしいマンホール。 |

野毛小路の一角で営業する昭和43年創業の愛される店。 |

半チャーハンに付いて来たお新香も実に素敵だった。 |
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