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大した風もなく穏やかながらもやや寒さを感じ、見上げた青空は靄(もや)つく雲に幽閉されているかのようだった、初冬近しな十一月半ば週明け月曜日の朝であった。
そんな今日は五香周辺まで営業して行こうと考え、また松戸駅まで出て新京成電車に乗車した。その前のランチと言う事で、以前の営業時にこちらの店主とお会いした事もあり、今回入店する事にして見た正午前であった。
昭和47年に稔台のこの地に創業した老舗中国料理店で、故・陳健民氏の味を継承する四川料理店だ。優しい常連さんが作ってくれたらしい、公式サイトもあったお店だった。
みのり台駅に着いて改札を出たら右手に進んで行き、踏切りを渡ると車が行き交う交差点がある。その横断歩道を渡ってから二つ目の左路地を入って行くと、風情よく佇むこちらとなる。
入り口の左手には何やらインドチックな等身大の手彫りの人形があり、それが何とも妙にアジアチックっぽくも見える中国料理店にしていた。
最近はわざと古ぼけて見させる新店があったりしている昨今だが、こちらは正真正銘の味があるレトロな空間があるお店。掃除が行き届いていて、清潔な店内でもある。
老舗店らしくタイムスリップしたような店内に入って行くと、既に先客が数名おられて常連さんも多い感じだった。時間を忘れる事さえ出来そうな、悠久の時が刻まれた雰囲気に包まれていた。
中国料理店らしいインフォメーションに調度品があり、テーブル面にも様々なインフォがあった。それらが満艦飾となっている分、古臭さは意外と感じられなかった。
メニューの殆どにはフォトが入っており、大変判り易く案内されていた。しかもタンタン麺などウリとするメニューにはどこか新感覚な雰囲気があり、そんなインフォに思わずワクワクしてしまうかも知れない。
ネットであらかじめ、タンタン麺がいいと知っていたのでそれにしようかと思って来たが、そんなメニューリストを手に取ると通常のひき肉入り以外に、様々なタンタン麺が用意されていたこちらであった。
海老入り・ワンタン入り・チャーシュー入りの他、なんとチーズチャーシュー入りと言うタンタン麺もあった。そんな中からワンタン入りのタンタン麺と、ミニライスをお願いする事にした。
こちらの先代の店主は、陳健民氏がおられた時代の赤坂四川飯店で修行されていたそうで、残念ながら比較的最近になって悲しくも他界してしまったそう。
先代から受け継いだ二代目も、陳健一氏が舵取りとなった赤坂四川飯店に十年近く修行しておられたそうで、二代に渡って陳親子の赤坂四川飯店で修行されており、これはそうない事だと思う。
それはまぎれもなく英雄・陳健民氏に始まる、その味を継承する四川料理店であった。
先日龍の子@原宿へ訪問した事をお話しすると、赤坂四川飯店時代に同期だった方がおられるそう。思わず安川氏が神々しかった心境を明かした。程なく到着。
おお、底が深い仕様のトレンドを踏襲した器に、青菜に糸唐辛子がそのビジュアルを華麗にしており、こちらもまた何とも美味しそうな担々麺であった。ワンタンさえも、高級点心になっていた。
それではと行かせて貰えばそれはもう、いやいやいやいや美味い美味い美味い美味い美味い美味い。こちらも醤油ラーメンに胡麻とラー油を併せたもので、自家製感のあるラー油がしっくりと来て実に美味しいものだった。
念のため確認すると、ラー油はやはり自家製だそう。香辛料を変にメリハリを利かせてない分、うま味がじんわりと来る感じだった。
それゆえに辛みが比較的穏やかなので、激辛派はその事をオーダー時に告げれば、期待に応えてくれる事だろう。
中太麺にやや多加水感がある担々麺で、ワンタンの肉餡がまた多めな事もポイントが高く、アドレスと同じで、実り大(稔台)の大変に満足出来た担々麺であった。
インフォの一つに「ツウの人はこうして食べる」と、前振りが付いた担々おじやを奨めるものがあり、いつもしているようにこちらでもそうして口にしたが、これまた大変素晴らしい担々おじやとなったこちらであった。
餃子と杏仁豆腐をサービスで頂く事ができたが、餃子の皮が餅の如くモチモチしており、その肉餡のうま味が実にたっぷりで、その焼き方がこれまた絶妙にしてしっとりしていながらも余計な水分は無かった。
杏仁豆腐も赤いクコの実が入って本格的なもので、どれも修業先がものを言った美味しさだった。もうそんなわけでやはりもう、気が付けば完食であった。
いやいやいやいや、大変に美味しな四川担々麺と餃子と杏仁豆腐であった。伝承しているその味は、誰よりも親が教えてくれたものであり、それは実に素晴らしい味と言えた。
(左フォト) ワンタン入りタンタン麺/サービス餃子/サービス杏仁豆腐/店舗外観 (2009.11.16)
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