若月 東京・新宿





暗い灰色の雲が空を被い小雨滴る朝方だったが、それも午前早い時間には晴れ間が広がり爽やかな青空となった一月睦月下旬の金曜日。今日も仕事が終わって外に出れば、穏やかに冷え込み冬めくそんな午後七時過ぎだった。

今夜も新宿界隈のラーメンで行くかとなって、幾つかの候補店の中から気になる度合いが高かったこちらを訪ねることにした。

そんなわけでまた新宿で途中下車。西口改札を右に出て都営地下鉄大江戸線の新宿西口駅方面へ向かい、新宿パレットビル連絡口とあるD1出口の場所を見つけそこに入った。

奥へ進むとエスカレーターがあり、それを利用して上へ上がるとユニクロがテナントとして入っている建物で、外に出れば右手は大ガードと言う位置関係だった。

少しだけ大ガード寄りに歩くと直ぐ右手に路地があり、そこを右折すると旧青梅街道東口方面と言うポールが直立していた。そのすぐ傍に新宿西口思い出横丁の電工看板が据えられていて、その下を何人も人々が吸い込まれて行くのが見えた。

新宿駅西口の大ガード寄りに位置する場所に、正確に言うと違うが昔と変わらず新宿西口商店街は今もその姿を留めていた。その別名を思い出横丁として、今も広く親しまれている横丁だ。

昭和21年焼け野原の復興から始まった周辺では、ラッキーストリートなる闇市通りが出現するなどしたと言う。そんな界隈の中で生まれたこちらの横丁で、戸板一枚で区切られた店舗はその昔300店舗にも及んだそうだ。

しかし現在では、パレットビルから青梅街道までの店舗だけが営業しているだけだ。一歩足を踏み入れれば、まるでタイムスリップしたようなそうした空間が広がっていた。何処かトワイライトゾーンのようであり、親父の聖地のような場所とも言えた。

しばし歩いて行くと横丁の中に十字路があり、こちらはその少し手前の左手で風情も良く佇んでいた。さっそく入店して行くと奥のカウンター席に促されて、言われるがまま腰掛け壁のメニューを見上げた。

こういう風情のある老舗中華店で愉しむなら、シンプルにラーメンをオーダーしてサイドオーダーも頼みたいところだ。そこでラーメンと餃子を、それはさりげなく注文した。焼きそばも人気メニューらしい。

入れ替えの激しい狭い店内で、空いたと思ったら直ぐにその席が埋まってを繰り返していた。例によっていつ頃開業したのか確認させて頂くと、1948年の昭和23年から開業したことを教えてくれた。

すると今年で67年目になる老舗中華店となるが、話しはそれに留まらず戦前はさらに現在の荒川区尾久周辺で食堂らしき外食店を営業していたそうだ。

思い出横丁で営業を始めた時は物資が乏しい状況だったらしく、統制もあったようでサツマイモを蒸して売っていたそうだ。その時代は食べ物なら飛ぶように売れたと言う。

その話しは先代の創業店主時代の時のことだそうで、しかしそう言われる二代目店主も半世紀この厨房に立って来られたそう。程なく到着。なるほど自家製らしい麺は喜多方ラーメンを彷彿とさせるやや太めの平打ち縮れ麺で、それがあっさり系の清湯醤油スープの中で泳いでいた。

かなり前に喜多方ラーメンが一世を風靡した時代があったが、そう言えば横丁の入口には喜多方ラーメンのチェーン店が営業していた。

それではと行かせて貰えば、なるほどなかなかの持ち味が実にたまらないもの。豚ガラに鶏ガラのスープだろうか、喜多方ラーメンとは違った独特な風合いを感じながらも王道の風情がしっかりと存在していた。

餃子もまた素晴らしい味わいで、一つ一つをよく味わって美味しく頂かせて貰った。餃子の皮も自家製ではと思ったがそれは自家製で無いそう。最後に残ったスープを軽く飲んで、気がつけば完食。いや、かなりとんでもなく絶大に素晴らしく、何処までも果てなく確実に良かった。

(左フォト) 店頭/ラーメン/餃子 (2015.01.23)


 若月@新宿西口思い出横丁

 住所:東京都新宿区西新宿1-2-7  ※公式ページはこちら

 TEL03-3342-7060  定休日:日曜日  営業時間:11:00~翌1:00

 アクセス:JR新宿駅西口下車。都営地下鉄大江戸線新宿西口駅寄りD1出口から外に出て右手
       に歩き程ない右路地を入り間もない左手の思い出横丁の中に入り横丁内十字路の手前
       左側にあり。



都営地下鉄大江戸線新宿西口駅寄りD1出口からすぐ。

まるでタイムスリップしたような亜空間の思い出横丁。

思い出横丁内の十字路そばで営業していた。

焼きそばも大人気のこちらのようだ。

餃子を注文すると、ラー油を垂らした小皿が来た。

思い出横丁入口は、そのむかし青梅街道だったようだ。