唐八景 東京・高円寺







遅咲きの梅の花も散り始め桜の蕾が行く季節を実感させて、青い表層から陽射し注ぐものの朝晩はまだ冷え込んでいた三月弥生下旬金曜日。

今日も仕事が終わって外に出れば、気温が上がることはないものの何処から春めく優しい夜風がそよぐそんな午後七時過ぎだった。

こちらもまた高円寺駅南口周辺で営業している気になっていたお店で、2009年12月10日放映のきたなシュランで「汚いけど美味しいお店」として紹介されたらしい。

これまでもそうした中華店のレポートを上げて来たが、どちらも味のある麺料理が出て来ただけにこちらにも訪ねて見ることにした。

そんなわけで仕事帰りまた高円寺で途中下車して、南口側へ出て前方のバス通りを左手に進んで行った。

200mほど先にある高円寺南四丁目交差点の横断歩道を渡り、その先の信号交差点の十字路を左折して80mほど歩いて行くと、右側に風情も良くこちらが佇んでいた。

長崎出身の店主が営業している、長崎ちゃんぽんと本場皿うどんがウリのこちらで、店先にオレンジ色に周囲を照らす電光自立看板にもその二大メニューが刻まれていた。

さっそく入店して行くと奥の方で店主と共に、ちゃんぽんを口にしながら世間話しに花を咲かせる常連さんの二人がおられた。

そんなお二人にパソコンでこちらの美味しそうなチャンポンを見つけて来たことを告げると常連さん共々喜んで迎えてくれた。「ここのチャンポンは美味いよ!」と、常連さんの一言が直ぐに返って来た。

入口寄りのカウンター席に促されてそこに腰掛け、予定通りに長崎ちゃんぽんをお願いすることにした。ふと見ると、きたなシュランの人形と認定証が並べて置かれてあった。

程なくたっぷりの冷たい麦茶が入った、プラスチック製の水差しピッチャーとコップが前に置かれた。その麦茶をコップに注いでゴクゴクと飲めば、何とも瑞々しい清涼感にそこで既に穏やかな気持ちになれた。

さりげなく開業してどれほど経つのかお聞きすると、1988年の昭和63年に開業したこちらだそう。すると今年で創業27年目となるこちらのようだ。

まもなくすると小さいすりこぎが添えられた、比較的多めの煎られたゴマが入る小皿も前に置かれた。これと共にバナナもやって来るこちらのはずだが、夜営業の比較的遅い時間でバナナは品切れになったところだろうか。

右手奥の壁面に笑顔で映るお婆ちゃんのフォトが掲げられいて、お聞きすると二年前に残念ながら他界してしまった、店主のお母さんの写真であることを教えて頂いた。

奥ではしばらくの間店主と先述した常連さんの世間話しの花が咲いていて、テレビの音声と二人のお話しの中でちゃんぽんの到着を待った。

そんな中で添えられたすりこぎで煎られた胡麻をすり潰しながら、時間が止まったような錯覚に陥りそうな店内で時間も潰した。

後続する客もなく、そうこうしている内に出来上がり、直ぐ前のカウンタトップにそれは美味しそうな長崎ちゃんぽんが置かれた。

それを下ろしてそれではと行かせて貰えば、なるほどこれは絶大にうまい長崎ちゃんぽんと言うしかないもの。

太麺のちゃんぽん麺は、やはり長崎の製麺所から仕入れているそうで、唐アクを使った風合いのちゃんぽん麺らしさがとても良かった。

豚骨スープもかなりのこだわりが感じられて、具材として入るぷりぷりしたエビ・タコ・イカに練り物のチクワ・カマボコやキクラゲの風情の良さと言ったらなかった。

そして炒めて煮込まれた、豚肉と野菜の甘さの風合いの素敵な持ち味も素晴らしかった。

後半になってから頂いてすり潰した煎り胡麻を振り掛けて入れると、なるほどまた違った持ち味のちゃんぽんとなって最後まで飽きることなく愉しめた。

地元の長崎でこのように胡麻を入れる風習は無いそうで、あくまでも長崎ちゃんぽんを少しでも愉しんで貰うために用意した、こちらオリジナルのサービスだそう。

こうなれば餃子も口にして見たくなるもので、追加でそれをお願いすることにした。その頃には常連さんが精算を済ませて帰って行き、今度は店主と私の世間話しの花が咲いたフロアとなった。

そんな感じで居ると時間が経つのも早いもので、そう待った感覚もない内に餃子がやって来た。これまた旨そうな餃子が、皿へ丁寧に並べられて到着した。

プラスチック容器に入った餃子ダレが来て、それを小皿に垂らして口にすれば、これはやはりかなりの美味しさ。野菜をすり潰したような餡に、肉も入る具材が餃子の皮に包まれたものだった。

それにしても美味しいちゃんぽんと餃子と言えた。それだけに、気がつけば完食。いや、かなりとんでもなく絶大に果てしなく、途轍もなく確実に明瞭に何処までもとても素敵で良かった。

(左フォト) 店頭/長崎ちゃんぽん/餃子6ケ入/麦茶入りピッチャー (2015.03.27)


 唐八景 (トウハッケイ)

 住所:東京都杉並区高円寺南2-42-15  TEL03-3314-0403

 定休日:月曜日  営業時間:11:30~15:00/18:00~23:00

 アクセス:JR高円寺駅南口下車。右手に出て前方のバス通りを左手に進んで行き、200mほど先
       の高円寺南四丁目交差点の横断歩道を渡り、その先の信号交差点の十字路を左折して
       80mほど歩いた右側にあり。



最寄り駅はJR高円寺駅で南口に下車する。

この先を左折すればもうすぐ。

風情の良い店頭は、郷愁を誘っていた。

二大看板メニューは、長崎ちゃんぽんと本場皿うどん。

きたなシュランの人形と認定証が並べて置いてあった。

客席フロアにあった、素敵なメニューリスト。

雰囲気のある提供メニューの案内があった。

カウンターテーブルは、角でカーブしていた。

オーダーした後で来た、すりこぎ付き煎り胡麻。