ふくきや 東京・西荻窪





薄暗い灰色の雲が垂れ込めるものの薄く白い斑状の空が広がる、三月弥生も下旬の春分を迎えた週末祝日の土曜日。

今日も仕事が終わって外に出れば、雨が落ちることなく日暮れて、春の夜風が街を緩やかにそよいでいた午後七時過ぎだった。

今夜も西荻窪駅周辺で行こうとなって、少し前から気になっていたこちらを訪ねることにした。

肉ラーメンなる多種多様な肉がラーメンの上で、うなるほど盛られた人気メニューがあるらしい。しかもその店主は池袋の行列人気店である、以前訪れた無敵家での修行経験があるようだ。

そんなわけで今夜もまた、仕事帰り西荻窪駅で途中下車して北口へ出た。そして前方のバス通りを左手に進んで行った。

そして350m程度歩いた場所にあるまるわ家具店奥の右路地を入り、さらに150mほど往くと何とも風情も良く佇むそんなこちらが営業していた。さっそく入店すると、入口付近に先客が二人おられた。

そして厨房には店主が一人だけの店内が広がっていた。ネットで見たラーメンが美味しそうだったので来たことを告げると、普段インターネットはされないそうで、それ自体を御存知ではなかった。

厨房前奥寄りのカウンター席にハーフコートを脱いで膝の棚に仕舞ってから腰掛け、メニューリストから悩んだ末やはり肉ラーメンで行くかとなって、千円するその提供メニューをオーダーした。

するとスープが選べるとのことで、醤油・塩味・豚骨醤油から修行先もあって、豚骨醤油をお願いすることにした。ただし豚骨醤油は、修業先とは違うシフトであることをあらかじめ教えてくれた。

五年前にオープンしたこちらだそうで、無敵家では7年ほど修行した店主らしい。

残念ながら既に他界してしまった店主のご両親が、五十番と言う名前の中華店を営んでおられた場所でこちらを始めたのだそう。

その中華店の営業は、店名ではないが五十年にも及んだそうだ。五十番と言うと、王貞治氏のご両親が営業していた中華店が思い出されるが、そちらとは全く関係ないらしい。

さて、ラーメンはまだかなと厨房の状況を確認すると、それは丁寧な仕込みと調理が進行しており、それぞれの肉は一枚一枚が炙られていて、それぞれの肉はどれもが食欲を誘うオーラが放たれていた。

しばし待っていると、カウンタトップにそれが静かに置かれて、肉ラーメンが出来上がった。それではと行かせて貰えば、なかなかの素敵な味わいが、実にたまらないもの。

分厚い豚バラロールチャーシューと、やや薄い厚みながら風情の良い豚ロースチャーシューに、弾力の良い旨味も豊かな鶏モモ肉チャーシュー。

それらがそれぞれ二枚ずつ丼の上に横たわり、さらに甘辛いタレで炒めた牛バラ肉まで入っており、まさしくこれぞ肉に始まり肉で終わりそうなそんなラーメンだった。

豚骨醤油は確かに無敵家とはかなり違う背脂も入らないスタイルのもので、麺も中太ストレートの違った風合いながらその風情はなかなかの持ち味を有していた。

途中で「よろしければ」と店主から頂いた辛味噌ダレを後半になってから投入すると、味わいに変化が生じてその風合いが変わり最後まで飽きずに愉しめた美味しさだった。

手間と労力に肉食材も考えれば、千円と言う金額はあまりにも安いそんな肉ラーメンだった。それだけに、気がつけば完食。

この価格じゃ合わないでしょうとお聞きすると、「このラーメンは、サービスメニューなんですよ」と店主が笑顔で応えてくれた。いや、かなりとんでもなく絶大に果てしなく、とっても途轍もなく何処までも実に良かった。

(左フォト) 店頭と周辺/肉ラーメン/ここを右折すれば程近い (2015.03.21)


 ラーメン・定食 ふくきや

 住所:東京都杉並区西荻北4-13-15  TEL03-3390-1683

 定休日:月曜日  営業時間:11:30~13:30/17:30~23:00

 アクセス:JR西荻窪駅北口下車。前方の通りを左手へ進んで行き、350m程度歩いた場所にある
       まるわ家具店奥の右路地を入り、さらに150mほど行った左側にあり。



北口側に出たら、この前方の道路を左手に進んで行く。

閑静な住宅街を歩いて行くと、風情の良いこちらがあった。

作り付けの細長い棚に、ミニカーや凧の折り紙。

棚の上から二番目に飾られた可愛い猫の置き物。

カウンターテーブルにあったメニューリスト。

途中で「よろしければ」と、店主から頂いた辛味噌ダレ。