博多らーめん ふくふく亭 東京・西荻窪





不安定な雲行きの空が広がるものの桜の花を着飾った四月の街が車窓を行き過ぎていた、春も爛漫の季節となって来た夏初月とも呼ばれる卯月の初日を迎えた水曜日。

今日も仕事が終わって外に出れば、不安定な雲行きは日が暮れても変わることなく、幾分冷たい小粒な雨が傘の要らない程度に落ちていたそんな午後七時過ぎだった。

先日某店へ向かう時に店先を行き過ぎて気になっていたこちらで、昨日ご紹介した西荻窪商店会連合会発刊の西荻ごちそう様手帖にも掲載されていた。

「自家製チャーシュー、スープはコラーゲンたっぷり」と言うことらしい。「20年間同じ定価で営業しています」とも案内されていて、1995年の平成7年頃に開業したところなのだろう。

そんなわけで今夜もまた仕事帰り、西荻窪で途中下車してその店頭にやって来た。黄色いビニールシートの庇に赤い細文字で店名が記されていて、白い暖簾には右隅に小さく店名が刻まれていた。

目を下ろせば自立電光看板が置かれていて、サッポロビールのロゴが店名と共に入り赤地の色が異彩を放っていた。その上に味自慢ラーメンと書かれた赤い提灯が、まるで田舎町の居酒屋のような雰囲気を造作して郷愁を誘っていた。

さらに入口の傍に小型黒板が置かれていて、大根肉まん、あんまん、櫻エビ野菜ヘルシーまん、おから野菜ヘルシーまんが各100円で店内にて販売されていることが案内されていた。

さっそく入店して行くと客席フロアには、お客さんの若い男女が一組と奥に常連さんらしき男性の方がおられた。そして厨房には店主と共に、従業員の方も一人だけおられた。

最初は入口ドア傍のカウンター席に腰掛けようとしたが、見ると各提供メニューを撮影したものが厨房中ほどの壁面上部にびっしりと貼られていて、思わずそれを見てからオーダーを決めようと考えそこから移動してその前に腰を下ろした。

ところがそれを見ても考えが定まらず、結局目の前の立て札メニューリストを見直して、そこから博多らーめんと餃子のセットを注文することにした。

九州ご出身の店主かお聞きして見ると昔からこの界隈に在住していたそうで、博多天神の新橋店で修行した後に独立を決意し、この店を開業させかれこれ20年ほど営業していることを教えてくれた。

20年間変わらないと言う提供メニューだが、博多らーめんは正油らーめん共々なるほど500円で、味噌らーめんもありそれは550円になっていた。博多らーめんが付くセットメニューが実に豊富なこちらで、角煮レタス炒飯・高菜海老炒飯・角煮丼が各800円と言う金額。

またキムチ炒飯・炒飯・餃子が各750円で、さらにおむすびセットが700円にライスセットは650円となっていた。程なく到着。カウンタトップには、博多ラーメン店らしく紅ショウガ・辛子高菜・生ニンニクが置かれていて、来た博多ラーメンの雰囲気に思わずそれらを全てトッピングすることにした。

それではと行かせて貰えば、なるほど20年前の博多天神のラーメンは、こんな風合いであったのだろうと察しが付くもの。時代の変化と共に微妙に変わるラーメンの生態系に、しみじみと想いを馳せるそんな冷たい雨がそぼ降る夜のラーメン店のカウンター席だった。

麺はなかなかの極細麺ながら、よく都内で出会う博多直送の低加水でないオリジナル仕様のもの。

100円とお得な替玉の金額にそれをお願いすると、麺の硬さの確認があり、そこはカタメで希望。程なく来た替玉は、何とも味のある金属製の小鍋にのせられてやって来た。

やはりその風合いは店頭の赤提灯のように郷愁を誘うもので、そんな風情に良き時代の博多ラーメンの味わいがオーバーラップしていた。餃子も肉餡たっぷりで美味しく、それだけに気がつけば完食。

いや、かなりなかなか素敵な博多天神の流れを汲む博多豚骨ラーメンと言えて、紅ショウガと生ニンニクが実によく合う、泣ける味わいがとても果てなく確実に良かった。

(左フォト) 店頭と周辺/博多らーめん/餃子 (2015.04.01)


 博多らーめん ふくふく亭@西荻窪

 住所:東京都杉並区西荻北3-31-12  TEL03-3390-1279

 定休日:日曜・月曜  営業時間:11:30~14:30/18:00~24:00

 アクセス:JR西荻窪駅北口下車。荻窪寄りのバス通りの西荻北銀座街通りを左手に進んで行き、
       120mほど歩いた通り沿いの左側にあり。



最寄り駅はJR中央線西荻窪駅で北口側に出る。

20年間同じ定価で営業している博多豚骨らーめん店。

手作りの点心マンを、店内で好評販売中。

店主は20年前に1980年創業の博多天神で修業経験あり。

厨房中ほどの壁面に、各提供メニューを撮影したものが。

背中の白壁には、木板にしたためられたメニューの数々。

結局最後に見るのは、手元の自立メニューリスト。

つい入れたくなってしまう、定番三品の無料トッピング

思わず火に掛けたくなる、小鍋で来た100円の替玉。