フクちゃんラーメン 東京・西荻窪





心行くまで清々しい青空から爽やかな陽射しが注ぐものの、二つの低気圧が強力な寒波をもたらし、厳しい冷え込みが続く十二月師走半ばの水曜日。今日も仕事が終わって外に出れば、冷え込む風がやや強まって更なる寒さを呼んでいた午後七時半だった。

そんな今夜は少し前にネットでその存在に気づいて、店名が店名だけに気になっていたこちらへ仕事帰り訪ねて見ることにした。

しばらく前に千葉の支店にも訪れた築地に総本店を持つふくちゃんか、はたまたラー博にも出店した福岡に本店を持つふくちゃんと何かしら関係を持つこちらなのだろうか。

そんなわけで今夜もまた西荻窪で途中下車して、南口から外に出て500mほど歩いてその店頭へやって来た。周辺で営業する質素な店先となんら変わらないそんな店頭だった。一方通行の道路は比較的クルマが頻繁に行き交っており、路線バスも通り過ぎていた。

さっそく入店して行くと、先客ゼロのそれは静かな店内が待っていた。カウンターが真っすぐ奥まで続いていて、左手の厨房には店主が一人おられた。

先述したとんこつラーメン店とは全く関係ないそうで、醤油ラーメンをウリにする個人経営のラーメン店であることを教えてくれた。

店名のフクちゃんは横山隆一氏が描かれた昭和11年から35年間続いた朝日新聞の4コマ漫画で、当時は国民的人気漫画だった。そんな漫画のフクちゃんの人気にあやかればと付けた店名だそう。入口電光立て看板に描かれた、帽子と下駄がそのことを表していた。

さて何をオーダーしようかとなって悩んだあげくやはりこれかなと、ラーメン半チャーハンセットがあったのでそれをお願いして、ドンブリの上を少しでも賑やかにするかとワンタン3コの追加トッピングを見つけ少し置いた後でそれもお願いすることにした。

メニューはなるほど昔から営業している下町のラーメン店が提供するそれが並んでいた。若干だけ提供価格が変わるが、ミニカレーに蒸餃子3コやミニ焼豚丼がラーメンとセットになるものもあった。

こちらに来て10年になるそうだが、この店名で35年間営業するラーメン店であることも一緒に教えてくれた。35年と言うと昭和54年頃の創業だろうか。

創業当時は阿佐ヶ谷の杉並区役所界隈で20年ほど営業して、その後東高円寺に移転。そこで5年ほど営業してから、こちらに来られたそうだ。

ふと喉が渇いていたことに気づいて、来ていた冷水を飲み干すとやたら美味しいことに気づいた。直ぐそばに冷水ボトルがあり手に取ると中に浄水用の炭木が入っており美味しいはずだった。この一本の浄水用炭木で、このお店の提供するもてなしの度合いがとても良く判った。

昼の部はお孫さんの見送りと出迎えの関係で、正午から1時間だけの営業となっているそう。しかしその一時間の間に素ラーメンを300円で提供し、追加トッピングも廉価にしているそうだ。

程なく半チャーハンがやって来た。そちらから行かせて貰えば、これがなかなかの持ち味が実に素晴らしい美味しさのもの。飯の量も比較的多めで、パラパラ加減の風情の良さと言ったらなかった。

そしてそう待つことなく半チャーハンがちょうど無くなる頃推し量ったように、いい風合いを感じる醤油ラーメンが到着した。入口周辺にスープに関する記述があり、それによれば鶏ガラをベースにとんこつと煮干しに昆布や鰹節も炊き出した混合出しスープらしい。

それではと行かせて貰えば、これがまた風情のいい持ち味がかなり良いもの。唯一無二的なオリジナリティがありながらも、王道的な側面も感じられる美味しさと言えた。それにしても荻窪界隈のラーメンは、ひと味違う旨さと言えそうだ。

他界した旦那さんのお兄さんが昭和30年代に中華店を営業していたそうで、そこで修業して身につけたスープだそう。ワンタン等の具材も素敵で、気がつけば完食だった。いや、かなり素敵で実に果てなく、とっても風情も良くなかなか美味しかった。

(左フォト) 店頭/ラーメン+ワンタン/セット半チャーハン (2014.12.17)


 フクちゃんラーメン@西荻窪

 住所:東京都杉並区西荻南2-9-12  TEL03-3334-1935

 定休日:日曜日  営業時間:12:00~13:00/18:00~翌1:00

 アクセス:JR西荻窪駅南口下車。南口駅前を左手に進んで突き当たりを右折。一つ目の十字路
       交差点を左折して次の右路地を入って行き400m程度歩いた通り沿いの右側にあり。



西荻窪南口を左に出て右に曲がり、この十字路を左折。

お店はバスも行き交う一方通行の通り沿いで営業していた。

電光看板の帽子と下駄が、店名由来を判り易くしていた。

お得なセットメニューは、右下に4タイプ用意されていた。

スープの薀蓄と、昼の部に提供しているメニュー案内。

冷水ポットの中に浄水用炭木が入っていた。