ちんとう 東京・西荻窪





青空に薄い雲が斑に低く浮遊し陽射しを時折り淡くさせて、北寄りの微風がそよいで気温を更に落とさせていたそんな十二月師走前半の水曜日。

今日も仕事が終わって外に出れば、冷えた夜風がそよいで冬めくそんな午後七時過ぎだった。

過日ネット徘徊している内にこちらがいたく気になるところとなっていて、夜遅くまで営業している中華店であることをつきとめそれならばと仕事帰りに立ち寄ることにした。

そんなわけでまたしても西荻窪駅南口を降り立ち、もう何度となく歩いた仲通街を入り抜けて、しばしそのまま歩いて行った。

8分ほど進んだ頃だろうか、なるほどその通り沿いにともすると気がつかず通り過ぎてしまいそうな、地味な雰囲気の小さな中華店が営業していた。

それがこちらでネットのブログで紹介する方が少なくなく、なかなかの愛される街の人気中華店と言うことでやって来た次第だった。

さっそく入店するとたまたまだろう、先客ゼロの静かな店内が広がっていた。

左寄り奥のテーブル席に腰掛けさせて貰い、メニューリストからワンタン麺とチャーハン小をお願いすることにした。

手作り餃子が人気のこちらであるらしいが今回は見合わせることにして、チャーハンも好評のようで小・並・大とサイズが選べることもあってチャーハン小を選んで見た。

数分もすると後続客が数人続いて入って来て、さすが街の人気中華店であった。さらに続いて、俄かに活気づくフロア。

やはり餃子をオーダーされる方が目についた。ラーメン狙いがなければ、迷うことなく餃子を注文していたことだろう。

創業48年だそうで、西荻窪駅の向こう側の西荻の町で開業したこちらだそう。すると1966年の昭和41年に開業したところだろう。

昭和から平成に変わる頃隣家の貰い火により店舗が焼失してしまったらしく、移転を余儀なくされ仮店舗営業の後にこちらへ移転して来たそうだ。

ふと見ると割り箸を入れる袋に電話番号が記されてあり、そこに5454の番号からゴヨゴヨとい言うルビがふられていて、思わずどんな意味合いがあるのかお聞きしてみた。

すると御用御用としたものが、いつからか御用という言葉自体の意味が変わって来たからなのだろうかカタカナでシンプルにしたようだった。

御用御用とした頃はそんな箸袋に「東京で二番目に美味しい餃子」とアピールした時代もあったそうで、そんなことを昨日の出来事のように、そして昔を懐かしむように教えてくれた。程なく到着。

まずはチャーハンから行かせて貰えば、モッチリしながらもよく炒められたもので、カニ身も若干添えられてなかなかの持ち味がある美味しさだった。

そしてその後でワンタン麺を口にすれば、しみじみとした優しい味わいが、昭和へ気持ちを誘う素敵な風情がたまらないもの。

外の道路を車掌が同乗するボンネットの乗合いバスが通り過ぎて行き、豆腐屋が自転車に乗ってラッパを吹きながら売り歩いていた、そんなまだみんながいた時代にタイムスリップしそうなほどと言えた。

気がつけば完食。餃子も気になるところだ。いや、それにしても風情よく、しみじみと味わえた素敵なラーメンとチャーハンだった。

(左フォト) ワンタン麺/チャーハン小 (2014.12.11)


 中華料理 ちんとう

 住所:東京都杉並区松庵3-31-17  TEL03-3334-5454

 定休日:火曜日  営業時間:11:30~15:00/17:30~22:00

 アクセス:JR西荻窪駅南口下車。南口駅前の西荻南口仲通商店街を入り抜けて、駅から8分ほど
       歩いた通り沿いの右側にあり。



JR西荻窪駅南口前にもクリスマスイルミネーション。

西荻南口仲通商店街を入り抜け更に進んで行く。

落ち着いて食せる心和むフロア。

人気メニューは、右下にさりげなく記された餃子。

「ゴヨゴヨ」は「御用御用」が変化して行ったもの。

チャーハン小に付いて来たタクワン。