一二三 那由多 東京・吉祥寺 ※閉店

※「一二三」夜営業別ブランド「宵の一二三」時代レポート。






関東周辺で立ち止まった梅雨空が雨粒を堕として、陽射しを隠した分だけ肌寒い午前中方だった6月前半の水曜日。今日も仕事が終わって外に出れば、午後から晴れてまた穏やかな今夜だった。

こちらは1989年創業の既に老舗の域の吉祥寺の人気店「一二三(ひふみ)」で、無化調・無添加・魚介醤油スープに蕎麦粉を練り込んだ中華麺のラーメンを提供する有名店だ。かねてより大変気になっていながらもまだ訪問していなかった。

しばらく前に昼の営業時間に訪れようと思っていたが結局果たせず、二年前の7月から夜営業の時間帯を新ブランド「宵の一二三」と命名しているこちらだが、今回立川通勤するようになって今日こそと会社帰りに吉祥寺で途中下車してそんな「宵の一二三」へ向かった私だった。

駅からかなり歩くイメージが強かった事もあって先日も乗った路線バスを利用してこちらまで来たが、2つめの停留所より3つめの方が良かろうとそこで降車すればかなり先まで行ってしまい、戻って通り過ぎたこちらの店頭へやって来た。

そこで思った事は、路線バスに乗る程の距離でも無かったと言う事だった。最近は吉祥寺の街を頻繁に歩くようになったが、こちらを知ったその昔は自宅から遠い街だけに、その第一印象を払拭出来なかった自分に思い知らされた感じがあった。

ともあれ店内へ入って行くと先客二人の店内で、厨房にお店の方がお一人の今宵の一二三であった。一番奥が空いていたので、そこまで行って腰を降ろした。

らーめんをお願いすると、今夜は油そばとなるそう。色々なパターンで提供するこちらのようだったが、暖かいスープによるラーメン食べたさに来ただけに、油そばしかないとは麺を食らう前に面を食らった気分となった。

出来れば通常のラーメンが口にしたかった事を告げると、蕎麦粉入りでない中華麺であれば対応出来るそう。それならば名古屋コーチンの出汁スープが愉しめるとしてそれでお願いをした。

厨房におられる方はオーナー店主工藤吉徳氏ではないようで、昼の一二三にも立つ若いお店の方のようだった。程なく到着。なんとも言えない気品のオーラを感じるラーメンがやって来た。

それではと行かせて貰えば、そのイメージそのままに味わい深いスープに、蕎麦粉入りでないとは言え実に素晴らしいシフトを持った細ちぢれの麺と言えた。

鶏から出た脂は悉く漉し上げた感のあるスープに、独特ながら王道ある魚介醤油風味。名古屋コーチンの半熟塩ゆでたまごに、チャーシューどれをとっても隙のない奥深さが在った。茎わかめがまた実に良かったが、今回甚大な被害を被った三陸産のものだそうで今後やむなく別の産地となるそう。

今日は夏を意識したメニューの試作的な意味合いもあって、普段はあまりやらない油そばの提供をしているのだそう。せっかくのチャンスに遭遇したとも言えただけに、らーめんを食べ終えてからそれも行けそうな事を確認して更にその油そばをオーダーした。

そんな頃入口近くにあった冷蔵ショーケースから、勝手知ったる自宅台所の冷蔵庫から私物を取り出すようにビールを持って来て、入口近くのカウンター席に座る御仁が登場。店舗運営の関係者?かと思いきや、自称月に一・二度来られる常連さんだった。

その方がかなりのこちらの事情通だった。なんとこちらのオーナー店主工藤吉徳氏の愛娘は、インディーズレーベルのバンドSEBASTIAN X(セバスチャンエックス)キーボード担当工藤歩里さんなのだそう。少し前に「光のたてがみ」なる曲をリリースしたそうで、ネットで聴いてみるとリズミカルでいい感じだった。そう言えば店内にはラーメン店らしからぬジャズの曲が流れており、そんな環境が彼女をそうした道に歩ませたのかも知れない。

そして油そばもよく掻き混ぜてから行かせて貰えば、油そばと日本蕎麦とラーメンの融合といい切れる風情豊かな美味しさ。日本の原風景を舌に打ちつける如く風合いの優れた油そばだった。

味変え用のタレが用意されて最後の方で数滴垂らして見たが、春の桜の風景が夏の大海原の景色に変わる如くダイナミックな変化が愉しめた。気がつけば完食。いや、さすが一二三、おそるべしだった。

(左フォト) らーめん+塩ゆでたまご/全粒粉蕎麦油そば/店頭外観 (2011.06.08)


 らぁめん一二三 那由多

 住所:東京都武蔵野市吉祥寺北町1-10-22ベルハイム105  TEL0422-21-0919

 定休日:火曜日  営業時間:平日12:00〜21:00◆土日12:00〜20:00

 アクセス:JR吉祥寺駅北口下車。左手に進んで行きパルコがある十字路を右手へ進んで吉祥寺
       通りを歩いて行く。八幡宮前を交差点左に曲がって100m程歩いた右側にあり。



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