八幡屋 東京・大井町 ※休業中





夏色の女神に約束した青空の如く輝く上空から注ぐ陽射しは、梅雨が終わっていない事もあってかその分だけ淡かった7月前半の調整休日の水曜日だった。

先日大井町の老舗店へ訪れて、そう言えばそう遠くないその周辺の住宅街の片隅に、昔ながらの中華そばを提供する、かなりご高齢のお婆ちゃんが営む未訪店がある事に気がついた。

一時期休業していた時期もあったが現在は再開しているようで、それならばとまた大井町へ出掛けた今回だった。こうしたお店は都内でたまに見掛けるものだが、何度行ってもいいものだ。

そんなわけで大井町駅で下車しておよそ10分程歩いて路地を入って行くと、ごくありふれた住宅街の中にぽつんとこちらが風情よく佇んでいた。

開店時間からまだ数分と言う時間だったが、既に営業中の札が掛けられていて、ラーメンの文字が入った赤い暖簾が折りしの南風で揺れていた店頭だった。

周囲は変わってもこの場所だけは、昔から変わらないそんな雰囲気のある店舗だ。徐に中へ入るとなるほどお婆ちゃんが一人厨房におられて、冷蔵庫の冷凍スペースから製氷皿を取り出して角氷をコップに入れている最中だった。

軽く挨拶するとしばらくしてから気が付いて頂き、腰を降ろしてから外の暑さを話題にして世間話しを始めた。戦後まもない頃から、この商売を始めたそうでその頃は立会川で営業していたそう。旦那さんはお役人だったそうで、一人で生活の為に始めたのがこのラーメン業だそう。

昭和22年頃は乳飲み子が居て商売はまだ始めて無かったそうで、昭和25年には営業していたらしく昭和30年には既にこちらへ移転して来たそう。

当時周辺はお屋敷町だったそうだが、現在では財産分与で土地が切り売れされて行った結果、現在のようなマンションも建つ町並みが形成されて行ったそう。

若干だけ足腰がおぼつかないものの、とてもしっかりと歩いており、とても90歳には見えない足取りだった。少し前に福生市内の老舗店で代継ぎを撤回して営業している83歳の店主の店へ訪れたが、それを上回る年齢だけに都内最年長店主となる所だろうか。

さて何にするかとメニューを見るとラーメンは400円と言う値段で、ワンタンメンでも600円と言う値段に後者の方をお願いする事にした。

しばらくすると常連さんらしき後続客が続いて、ワンタンメンが到着する頃には、ほぼ満員に近い盛況な店内となった。膝元や左手奥の壁には多くの漫画本が置かれていた。程なく到着。

それではと行かせて貰えば、なんとも唯一無二な洋風的な野菜を主体としたような風情を感じる豊かな味わいのスープに中細ちぢれの麺が泳ぐもの。

タマネギをしっかり煮込んだ欧米風野菜スープに似ている気がする、そんな気品を感じるものと言えば良いのだろうか。そのスープのシャープな立ち上がりの旨みは、コンセプトさえもしっかりと浮き上がって来た程だった。

ワンタンもチャーシューもメンマも実に美味しく、刻みネギも直前に切って入れており、さりげなく全てが完璧なスタイルを成し遂げていたように思えた。

気がつけば完食。いや、なんともおそるべしな美味しさを誇る、そんな中華そばであった。


(左フォト) ワンタンメン/店舗外観/店舗遠景 (2011.07.06)


 中華そば 八幡屋 (やわたや)

 住所:東京都品川区大井4-15-16  TEL03-3771-4277  定休日:月曜日・木曜日

 営業時間:11:30〜15:00/17:00〜22:00

 アクセス:JR京浜東北線大井町駅下車。中央西口左手の階段降りて線路沿いの道を歩いて行き、
       大井陸橋を潜ってから右手へ歩いて大井三ツ又交差点の池上通りを左手に進む。そこ
       から二つ目の信号の左路地を入って行くとあり。徒歩およそ10分。



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