支那そば いしはら 東京・西荻窪







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抜けるような青空が広がり透明な陽射しが年の瀬に向かうように注いでいた、自公連立政権が議席を維持したことを朝刊が知らせていた十二月師走半ばの月曜日。

今日も仕事が終わって外に出れば、穏やかに冷え込んでいたそんな午後七時過ぎだった。

やや不調気味なこともあって駅から直ぐの場所で営業していて、なるべく元気が出るような美味しいラーメンにありつきたいとなって、そこで弾きだしたラーメン店が何を隠そうこちらであった。

ここに店を開いてもう丸八年が経過している、その創業者が営業しているだけにたんたん亭総本山と言えるこちらだ。

今春吉祥寺が勤務先のおり行こうと思いながらも、行ってなかっただけに三年ぶりとなるこちらだ。そんなわけで一駅だけ電車に乗車して、またしても西荻窪で途中下車。

北口側に出て先日入ったばかりの、目の前の路地を進んで行きその店頭へやって来た。一人が入口に居て待っているかと思えば、手前の外食店だった。

小じんまりとした居酒屋風の建物だが、総本山だけに噂が噂を呼んで行けばそうした混雑がおきても不思議ではないが、そうしたことを嫌う店主だろうからその心配もなさそう。

入店して行くと右奥に、若いカップルだけが居る静かな店内が広がっていた。手前の左手奥が落ち着けそうだったので、そこにハーフコートをフックに引っ掛けてから腰を降ろした。

さて何をオーダーするかとメニューを見上げて、まだ王道のデフォルトと言えるラーメンがまだだったとなって肉ワンタンメンをお願いすることにした。

すぐさま肉ワンタンの茹でが始まって、しばし麺の投入をせずにいた店主だった。そしてそろそろだろうと麺をおもむろにほぐして、肉ワンタンと同じ茹で釜に麺を投入した。

もう少し茹でるかと言う感じで、麺をもう少し後を追って入れていた。茹で上がりが近づくとドンブリにカエシを入れたり、チャーシューや味玉子を冷蔵庫から出したりしてせわしさが増す厨房。

後続客が続いて、シンプルに支那そばと言ってオーダーしていた。平ざるで麺をちゃっちゃっと音を立ててから、ドンブリに麺を滑らせ入れると、程なくオーダーした肉ワンタンメンがやって来た。

それではと行かせて貰えば、風情豊かな味わい深い中華そばで、その風合いが実にたまらないもの。肉ワンタンの肉だけでない、絶妙な持ち味が素晴らしかった。

それだけに、気がつけば完食だった。思わず小声で「さすが総本山!」と言うと、笑顔で「どうも」という言葉を返してくれた。

それにしても西荻窪駅周辺はこちらのような中華そば店がさりげなく営業していたり、はつねのような名店に荻窪の名店の関連店があったりして恐るべしな街と言うしかなかった。

いや、かなりとんでもなく絶大に素晴らしく、果てなくしみじみとしていて途轍もなく良かった。

(左フォト) 店頭と周辺/肉ワンタンメン+味玉/店頭メニュー (2014.12.15)

 
 支那そば いしはら

 住所:東京都杉並区西荻北3-22-22  TEL03-3395-8450

 定休日:火曜日  営業時間:11:30〜15:30/18:00頃〜22:00 ※土日祝11:30〜21:00

 アクセス:JR中央線西荻窪駅北口下車。すぐある路地を入って、50m程歩いた左側にあり。


立秋が過ぎた暑さを残暑と呼ぶが、一時期の涼しさのバランスを取り戻すかのように残暑と言うよりは本格的な暑さが続く今日この頃。今日も仕事が終わって外に出れば、夜でもそんな暑さの今宵だった。

先日行こうと思っていながらまだ訪問していなかったので、今夜こそとまた西荻窪駅で途中下車してこちらへやって来た。

見ると先日の時と店頭の暖簾の色が違っており、白い暖簾に対して今回は藍染めのカスリ生地のようなものだった。

ラーメン店と言うよりは粋な居酒屋と言う感じで、実際そんな風情に誘われて今夜も酒を片手にホロ酔い加減のご夫婦が2組おられた店内だった。

その先客の真ん中のカウンター席の角席に腰を降ろした。こういう場所にしらふで入ると逆に気を使うもので、そんな営業の邪魔にならないように黙っている事にした。

ともあれオーダーしなければと言う事でメニューを見上げる。来る時は限定10食の塩そばと思って来たが何だかその気になれず、さらに目に留まった冷やし中華950円にもやはり触手が伸びなかった。

これがもし仕事ならば大抵食べるメニューは決まっているのだろうが、このサイトは美味しいラーメン店を自腹で食べ歩いて探す事にも目的があるので、オーダーはおのずと食べたい物を選ぶ事になる。

そんなわけで結局心にヒットして選んだのは、醤油味のチャーシューメン並盛だった。

こちらならばワンタンメンがお約束のメニューだが、ふとメニューの配置のバランス感からチャーシューメンもかなり美味いに違いないと推測した次第だった。程なく到着。

カウンタートップに置かれたそのビジュアルは、他店のチャーシューメンのオーラとは明らかに違っていた。迸る湯気に揺らぐチャーシューは、実に官能的と言えてかなりとんでもなく美味そうだった。

それではと行かせて貰えば、これがその予想さえも遥かに凌駕した美味しいチャーシュー。麺とスープも相変わらずの絶妙コンビネーション。

遠くでさだまさし氏が、防人の詩を歌っているのが聴こえて来そうな程に、それは感動出来た美味さだった。気がつけば完食。

23日から26日辺りまで夏休みのよう。いや、チャーシューメンも、途轍もなかった。おそるべし。

(左フォト) チャーシューメン (2011.08.10)







地表の温度が確実に下がっているのか風が北からなのか冷え込んでいて、立川に着けば既に雨模様の週明け月曜日。そんな今日も仕事が終わって外に出れば、一日中降っていた雨が微量の霧雨程度になっていた初冬の午後8時過ぎだった。

2006年12月7日にオープンした浜田山に在るたんたん亭オーナーが営業する事で知られるお店で、実は開業まもない頃訪問したものの残念にも臨時休業でやむなく直ぐ近くの人気店をレポートしてそのままになっていたこちらだった。

たんたん亭と言えば数々の人気店の店主が修業した有名店だが、私にとってはたんたん亭と言えば、神田から移転して兜町で営業して昨年3月に一時閉店した支那そば八島の修業店に尽きた名前と言えた。

そう言えばあれから再開した話しは、聞いておらずどうしてしまった事だろう。そんな方が営業しているこちらは、現在夜遅くまで営業しているようで、そんな事に気がついて数年ぶりのリベンジとばかりに訪れる事にした今夜だった。

そんなわけで、通勤帰りの中央線快速線電車を西荻窪で途中下車して、その店頭へ数年ぶりにやって来た。改札を通過して左手に出ると、霧雨の雨脚がやや強まっていた西荻窪界隈であった。

そこから少し歩けばこちらの店頭で、前回と違って店主が店先に掛けた暖簾が、店内の灯りを洩らしていて営業している事を教えてくれていた。そんな暖簾を潜って中へ入って行けば仕事帰りの男性が二人と、周辺に住んでいるような女性二人組の四人の先客がおられる店内だった。

ふと壁を見ると酒の肴のメニューが10品目ほどが躍っていて、男性二人は日本酒を入れたおちょこ片手に、そんなメニューからオーダーした酒の肴を美味そうに口にしていた。

ラーメンのメニューは別の位置の壁に表示されていて、そこから少し悩んでからワンタンメンミックスを大盛でお願いした。ミックスとは通常の肉ワンタンと海老ワンタンが半々のようだった。

たんたん亭を社員の方に任せて、おでん店や讃岐うどん店などを営業させた後にこちらをオープンさせたようで、経営者でありながら料理人であり続ける道を選ばれるその姿は、腰を据えた堅実さが伺えて何しろ格好良いと言うしかなかった。程なく到着。

魚介の香りがふわんと来て中細ストレートから絶妙なかん水感が感じられ、海老ワンタンの餡の食感や燻製された風情のチャーシューの質感からも、店主の何処までも際限のない創意工夫がひしひしを感じられた。

そんな一種の表現性を著している支那そばであるならば、酒の肴はもはや小宇宙であろうし、店主の味のある語り口を聞けるこちらは、さぞかし何かを吸収したいと望む常連さんの良き居酒屋ともなる事であろう。

以前一度来た時に臨時休業で食せなかった事を告げると、今でもたまに臨時休業があるらしく、常連さんらしきお酒を口にする左右の方々も苦笑しながら返すと、店主がそれに返して行き支那そばいしはらの夜は今夜も更けて行った。

当初はラーメン専門店だったそうだが、悪いクセが出てまた色々とそんな手料理を展開し始めているこちらだそう。大盛でいい麺量ながら、気がつけば完食だった。いや、とんでもなくかなり良かった。

(左フォト) ワンタンメンミックス大盛/店頭外観 (2010.12.13)