中華ソバ 櫻坂 東京・渋谷



梅雨を実感するには充分過ぎる程の、夏の高い湿度をたっぷりと含んだ風を、午後7時を過ぎた渋谷の街角で感じた6月下旬の土曜日だった。

本日はいつもより1時間早く仕事が始まった関係で、終業時間もその分早く終わった日であった。そんな風に1時間早いものの刻々と変わり往く街の風貌は判っても、遅い黄昏と言う事も無く大空は既に夜空を迎えていた。

そんな今夜はちょっとした事情があって、急遽一度訪れたこちらと言う感じになって、また訪問する事にした日だった。

国道246号の長い歩道橋を利用して、青葉茂る夜のさくら通りの坂を上がってまた店頭にやって来た。店内へ入って行くと、カウンター席には数席だけ開けて、先客お二人が座っていた店内であった。

券売機の前でオーダーをどうするかと思ったが、つけ麺が好評な事をふと思いだして、その大盛を選んで味玉子のボタンも連打した私だった。チケットをお店の方へカウンター越しに手渡して、先客の微妙な席とり具合に壁側のカウンター席側に腰を降ろし、太い麺に若干時間が掛かる事を覚悟して待った。

天井を見上げ、この独特な明るさに、少しだけ気づく事があった。先客が1人帰って行き、お店の配膳も考え、そう混んでもいなかったので、そちらの厨房側へ断ってから移った。程なく到着。おお、太ストレートの麺は、何とも言えないオーラがみなぎるもので、今日はここに来て良かったと思えるものだった。

つけ汁も適度な泡がいい感じだ。麺だけ行かせて貰えば内麦感が舌をくすぐって来るもので、思わず自家製ともとれる風情に探りを当てて見ると、製麺所は教えて貰えなかったがそうした所の特注麺だと判った。

それではと汁に浸して行かせて貰えば、豚骨醤油に魚粉もなるほど好評なのがよく判る美味しさで、味玉子も良く麺のグレードの良さもあって気がつけば完食だった。

いやいや、青葉咲くサクラに、魚介が開いたつけソバもまた味のあるものでとても良かった。


(左フォト) 濃厚魚介豚骨つけソバ大盛+味玉子 (2010.06.26)


 中華ソバ 櫻坂 (さくらざか)

 住所:東京都渋谷区桜丘17-10  TEL03-3770-1102

 定休日:日曜日・第1月曜日  営業時間:11:30〜20:50LO

 アクセス:JR渋谷駅西口下車。左手にある歩道橋を上がり国道246号の向こう側に出てさくら通り
       の坂道を上がって行き、一つ目の左路地を入り少し進んだ右側にあり。





先日は休日も渋谷に来て、夜は営業していないラーメン店を訪問したものだが、その際に駅のそばにある見事な桜並木に気がつき、しばし近寄って下から見上げて眺めていた私だった。そんな時春色の風景に、ふとこちらの店名が浮かんだのであった。まだ具体的に何処にあるのか下調べさえもしていなかったが、そんな店名だけにこのすぐ近くにあるのだろうと直感的に判ったりした。

案の定程ない場所で、どうせなら桜が咲いている内に行こうと言う気になり、それならば夜桜も楽しみたくなった。土曜日ならば午後8時終業で閉店時間にも間に合いそれも可能と言うことで、本日の仕事が終わった後こちらへ向かった次第だった。

桜坂と言えば福山雅治さんが平成12年にヒットさせたシングルだが、その際に脚光を浴びたのは大田区にある桜坂で、モデルになったのは長崎にある同名の坂らしく、渋谷の坂道にあるさくら通りには何の縁もゆかりもないが、平成16年9月そんな桜並木のそばにオープンしたこちらだった。

幸い大雨も大風もなく、桜並木の桜は先日とさほど変わらない程に、充分な桜花を残していた今夜だった。多めの街灯の所為でライトアップしている感じになっていて、なかなか見応えもあった坂の傾斜に咲くさくら通りのさくらだった。

見上げながらもそんな春を堪能しつつ、歩いて左路地を入って行くと、この季節にぴったりな店名のこちらが風情よく佇んでいた。

中へ入ると閉店間近の時間もあってか、数名の先客がラーメンを口にしていた店内だった。すぐ目の前に券売機があり、早速に財布を開くと生憎一万円札しか無く、お詫びして両替をお願いすると券売機にそれがあるとの事。

一万円札対応機かと思って見ると、そうでもなさそう。さて?と振り向こうとすると、券売機の横にもう一つの機器が目に入った。おや?と見れば、ゲームセンターでよく見る一万円札両替機だった。

さっぱり塩味の桜塩ソバ、こってりしょうゆ味の中華ソバ、濃厚魚介系しょうゆ味のつけソバが並ぶラインナップで、初入店の今回はどれにするか悩んだ。それでも桜咲く季節の入店もあったか、桜の文字が入ったさっぱり塩味の桜塩ソバのボタンにタッチして、ふと目に入った廉価な豚辛めしのボタンも連打した。

「お好きな席にどうぞ」のお店の方の言葉に、左手の壁に据え付けられたカウンターの席に腰を降ろしながらチケットをお店の方に手渡し、冷水はセルフサービスに気が付いて立席してコップに注いで自席に戻った。後続が続く店内。程なく到着。

宮崎産若鶏にとうもろこしの絞り汁を入れた特徴のこちららしく、そんな優しい味わいがまるで行く春を惜しむように優しいものであった。

桜の花を模した麩が入っていたり、中太麺がぷりぷりしていて程良い柔らかさで嬉しかったし、白髪ねぎは削いだばかりの辛味があってとても良かった。豚辛めしにも削いだネギが入っていて、適度なボリュウム感で美味しいサイドメニューだった。

それは気が付けば完食であった。いや、何とも美味しな桜塩ソバ&豚辛めしだった。昇って来たさくら通りを下って行くと、また違う風情の桜が駅に向かって続いていた。桜咲く、今宵の春は、櫻坂。

(左フォト) 桜塩ソバ/豚辛めし (2010.04.10)


  2010.04.10 春は桜が咲き乱れる周辺。   2010.04.10 店頭外観。



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