紫 くろ喜 東京・秋葉原





梅雨の中休みの晴れ間にしては爽やか過ぎる青空から、初夏らしい陽射しが煌めいて注いでいた六月水無月半ばの金曜日。

今日も仕事が終わって外に出れば、昼間見た入道雲に帰りは雷雨だろうかと懸念したが、そんなことも無く穏やかな初夏の夕べの午後八時過ぎだった。

今や不動の人気を誇る饗くろ喜さんが、2012年11月から同じ場所で始めた金曜日のみ営業するセカンドブランドとなるこちらだ。醤油らーめん専門店で、秋葉原勤務ならばとなって、今夜こそと仕事帰りその店頭へやって来た。

そう言えば2011年6月に開業した饗くろ喜にオープンまもない頃訪れたものだが、その際に醤油らーめんも提供して行きたいと帰り際にお聞きしていたものだ。

いつもより1時間遅く終わり秋葉原駅から少し遠いこちらだけに、到着直前腕時計に目をやると閉店時間の5分前の時間だった。ふと見ると薄暗い店頭に二人の方が待っていて、程なくお店の方が窓から顔を出してその二人に入店を促してそれを受けてその方々が中へ入って行った。

まだ営業中らしく間に合って良かったと思ったのも束の間、入口ドアの傍に準備中の札が掛かり入口が暗いことから本日は終わりであることを悟った。駄目元でドアから店内に顔だけを入れて、一人の単身客であることともう一人だけ入れないかを申しわけなさそうに懇願して見た。

すると従業員の方が一旦はもう終わりであることを告げられたが、その状況を見ていた店主がもう一人なら良いことをその従業員に告げていて晴れて入店を許可された。

外でしばし待っていると先客の一人が帰って行き、どうぞと窓から入店を促されて中へ入り、券売機で少しだけ悩んで味玉鴨そば細麺のボタンを選んだ。

奥の空いたカウンター席に促されてそこへ着席した。目の前におられた店主が小鍋で温めたスープをドンブリに入れている間にも、入店を希望する後続客の方が何人も来られたが既に閉店したことを告げるばかりだった。程なく到着。

それではと行かせて貰えば、瑞々しい旨み冴えわたるスープに、蕎麦にも似た風情の良い中華麺の妙が、実に素敵な面持ちとなっていてたまらないもの。

昔ながらの杉の仕込み樽で醸造する香川・小豆島の三つの蔵元の醤油をブレンドしてラーメンのカエシを作るこちらのようで、そのことが薀蓄の冒頭で紹介されていた。

正金醤油の醤油は、こちらと島内の一軒の宿にしか卸されない貴重な生醤油らしく、ヤマヒサ醤油の醤油は、国内で有機農法により生産された大豆と小麦を使用したもの。ヤマロク醤油の醤油は、通常の醤油と較べて二倍の原材料を使い、四年の歳月をかけて醸造された再仕込醤油だそう。

鴨の出汁もまた首ガラ・胴ガラ・モミジ・香味野菜を温度と時間を徹底的に管理しているものだそうで、鴨の旨みと香りを抽出して熟成させてから提供したこだわりを持つものらしい。

鴨と言うとクセや臭みを有することを聞くが、今ではその多くがそうした品種でないものが一般的に広く利用されているらしく、こちらもでもそうしたものが使われているようだった。

食した細麺は小麦の香りが良い主にパンに用いられる小麦粉をベースにブレンドしたものだそうで、香りとコシに気を使った麺らしく確かに素晴らしい麺だった。ちなみに手もみ麺の方は、主にうどんに用いられる上質な小麦粉をブレンドしたものらしく、甘味のあるモチモチ食感の麺だそう。

メンマは極太乾燥メンマを五日間かけて戻したものを、鰹だしに二日間浸けて作り上げているらしい。また玉ネギは淡路産のものを、ニンニクを入れた綿実油で低い温度によりじっくり揚げたようだ。

さらに春菊と四角く切った白ネギとカボスをあしらった素敵なビジュアルで、鴨チャーシューも低温調理されたものだそうでかなり美味しかった。味玉もやはり良く、気がつけば完食。

いや、かなり絶大に素敵でとんでもなく、果てなく超絶に確実に小豆島を超えて何処までも無限大と言えるくらいに美味しかった。

(左フォト) 店頭/味玉鴨そば細麺/主要薀蓄 (2014.06.13)


 鴨そば醤油専門店 紫 くろ喜 ※饗くろ喜金曜限定ブランド店

 住所:東京都千代田区神田和泉町2-15四連ビル3号館1F  TEL03-3863-7117

  営業日:金曜日 ※ただし祭日の場合は休業  営業時間:11:30〜14:30/18:00〜20:30

 アクセス:JR山手線秋葉原駅昭和通り口下車。徒歩およそ8分。秋葉原周辺拉麺MAPはこちら



金曜日は鴨そば醤油専門店となる饗くろ喜さんだ。

普段は午後九時閉店だが、金曜日は午後八時半まで。

ひっくり返すと具材に関する薀蓄が続いていた。