手打ラーメン三玉家 東京・青梅







※2011.3.31に一時閉店しましたが、2012.1.17に営業を再開したようです。
  

水平線の遥かな表層はホワイトブルーに染まって、上空には雲がほとんど浮遊してないものの真冬の青空は何時もより白い表情を見せ、暖かい車内の電車に注ぐ陽射しは以前よりも強さが増していた、そんな一月も後半となって来た休日火曜日午前の遅い時間だった。

金曜日に青梅へ行った事に触れたが、実はトーキョーノスタルジックラーメンで知って気になっていた、こちらでラーメンを愉しむ為に訪れたのが目的であった。

しかし店頭に到着すれば、何と店先は暖簾も掛からず臨時休業の様相。店主が店の奥におられたのでお聞きすると、諸般の事情で今日は営業していないそう。

しかもなんと数カ月前に店の前の道を広げる話しが持ち上がったらしく、残念ながらもう何カ月かしたらこちらを畳んでしまう予定なんだそう。

また火曜日に再訪問する事を告げて、その日は青梅を離れた次第だった。そんなわけで、また青梅の町にやって来た私だった。先日来て青梅の町が昭和30年代のレトロな町並みが多い事からそれを前面に押し出した観光の町作りをしている事を知った。

そんな所から赤塚不二夫会館昭和レトロ商品博物館等をオープンさせて、市内の観光名所となっているようだ。

そんな建物の周辺のキネマ通りの途中にあるのがこちらで、私の母が今年で81歳を迎える昭和5年生まれだが何とその年に創業した三玉家さんだそう。

今日は比較的大きい真っ白な暖簾が掛けられていて、風情よく町並みに溶け込んでいたこちらだった。そんな暖簾を潜って中へ入れば、先日お会いした店主の笑顔に迎えられた。

大正時代に建てられて手直しを重ねて来た建物だそうで、調理室らしき奥を少し覗くとなるほどそんな事が伺える土間風な厨房が広がっていた。提供されるメニューは木製らしき札に、一品一品が丁寧に記されて掛けられていた。

ラーメン店と言えば自分でコップに冷水を入れてカウンターの席に腰掛けるものだが、こちらは何ともレトロなテーブルが何卓かあって、その一つの椅子に座ると熱々のお茶が入った陶器製の湯飲茶碗を店主が目の前に置いてくれた。

直ぐ近くの壁には、1930年代に先々代が中国人から麺作りを習った事が案内されていた。先日の閉店時期を具体的にお聞きしてみると4月頃には閉店させるそうで、その後は現在全くの未定なんだそう。

何にするか決めてなかったが、チャーシューがかなりいい情報を知っていたので、メニューから手打チャシュウメンをお願いした。

麺は蕎麦を打つように、包丁で細く切り上げて行くそう。好評のチャーシューは、炭火で焼いてしっかり燻しているらしい。お客さんの中には現代的なラーメンしか知らず、その違いに驚いて殆ど口にしないで帰ってしまう人もいたそう。程なく到着。

昭和初期近くに創業したラーメン店を、既に何軒か食べ歩いて来たが、そんなお店の支那そばとほぼ同じオーラが迸るもの。

薄く細長いシナチクが、既に時代を語っていた。思わず一番新しいタイプが入るそう遠くはないいつ樹の三角形の極太メンマを横に並べたくなるのは私だけかも知れない。

それではと行かせて貰えば、豚骨ベースに鶏ガラも利かせたタイプの支那そば。今まで読んだ資料にはそう語るものは一切無かったので不安を覚えながらお聞きするとその通りだそう。

その昔鶏食材は高額だったそうで、そんなパターンが通例だったそう。麺は手切りゆえにバラけた太さで、そんな手作り感がより味わいを深く感じさせてくれた。

最近カンスイは粉状のものしか手には入らなくなって、良質なカンスイを手に入れるのも大変になってしまったそう。

それにしても同じ時代に創業したお店のスープと大きな差は無く、そのスープの旨みは実にしみじみとしており、大正のモダンな風が軽く店内を駆けて行った良さが在った。

岩清水の如くじわじわと染み出すその味わいは、ラーメンが舌で味わった後で胃袋でも味わっている事のラーメン本来の魅力を思い起こさせてくれた。

それにしてもチャーシューは、嬉し涙が溢れ出しそうになるほど超絶に美味しく、チャーシュー選手権なる大会があれば第一位に推したくなる位に良かった。

なんて美味いのか。チャーシューもあって、もはやメロメロ。ラーメンは時にタイムスリップの道具にも、なり得る事を知らされたこちらの手打チャシュウメンだった。

そんなわけで、気がつけば完食。いや、かなりとんでもなく、それは実に良かった。


(左フォト) 手打チャシュウメン/店内/店舗外観/青梅駅のバカボンのパパ (2011.01.18)


 手打ラーメン 三玉家 (みたまや)

 住所:東京都青梅市住江町54 TEL0428-22-2718 定休日:水曜日 営業時間:11:00〜20:00

 アクセス:JR青梅線青梅駅下車。改札口を出て左手の通りを進んで行き一、つ目の十字路を右折
       して少し歩いた左側にあり。