中華 三益 東京・荻窪







青空から穏やかな陽射しが注いでいた、12月下旬休日金曜日のクリスマスイブの日。今回は休日な事もあって、特にケーキやチキン等何の予約もせずにいた。

そんな今日になって見れは何かと忙しい日となり、本八幡で午前中に所用を済ませ、さらに中央線沿線某所に所用が出来てそこへ立ち寄り、帰りに新宿のデパ地下で買い物して帰る事にした。そんな中でラーメンはどうするかとなった。

最近は大抵A4バッグの中にあるクリアファイルにラーメン店の資料が何店もあって、そこから状況を勘案して訪問する日々が続いており、本日もそんな風にして選んだのがこちらだった。

興味をそそられて調べて見ると夕方には店終いしてしまう中華店らしく、それならば休日を利用して出掛けて見ようと思っていたお店で丁度良かった。余談だが出て来たから良かったが、忘れ物には注意したい。

そんなわけでまた荻窪駅で下車して青梅街道に出て、駅からさほど遠くないこちらの店頭へやって来た。オレンジ色のビニールシートがトレードマークの、荻窪一安いラーメンを提供しているこちらだそう。

中へ入って行くとほぼ満員の店内で、全ての方が常連さんと言った雰囲気に、揺るぎない周辺の愛される人気中華店の風情だった。

手元のメニューを手に取ると、なるほどラーメン一杯がいまどき350円で、チャーハンも500円と言う金額表示に、思わずその二つともお願いする事にした。

店内では常連さんと店主の会話が弾む店内。長野県の話題に花が咲いていて、こちらの店主も丸長のように長野出身かと思いきや話しを持ちかけていた常連さんの田舎の話しだった。

一番奥の壁には最南端か最西端辺りの石碑のフォトが貼られていてそこら辺のご出身かと思ったが、しばらくして間があいたので店主の出身地をお聞きすると茨城の土浦だそう。

その昔町の中に電車が走っていたでしょうと持ち掛けると、よく知ってるねえと驚いて来られたので、廃止されて行った鉄道の研究をしている旨をお話しした。

茨城県内は多くの私鉄が無くなってしまい、筑波山への足だった路線も廃止された。そんな事などで常連さんの一人とも、色々と話しが盛り上がった。

荻窪に来られて、現在地よりもう少し奥の場所に間借りして三益を創業させたのは昭和43年だそう。そして六年後の昭和48年、ここへ移転して現在に至っているらしい。

それにしても何度見ても安いメニューで、一番高いメニューが肉野菜ライスやカツ丼などのご飯もので600円が上限と言う安さ。

玉子焼きと目玉焼きが150円と言う金額で提供しており、その昔はそれが御馳走だっただけにそんな思いを感じた。ふと店の奥を見れば製麺の機械が鎮座していて、自家製麺のこちらと言う事に来て気がつかされた。

まもなくしてチャーハンがスープと共にやって来て、その量はもちろん充分な量だった。口にすればこれが実に美味いチャーハンと言えた。

付いて来た中華スープは、こちらのラーメンスープを濃くした感じのものらしく、煮干しがキリッと利いていてラーメンに期待の胸が高なる程と言えた。

程なくそんな350円のラーメンもやって来た。これが350円?と確認したくなる程に麺がたっぷりと入っていて、自家製チャーシューやメンマは見ただけで旨さが手に取れそうなほど。

それではと行かせて貰えば荻窪らしいその味わいに、一度だけしか味わっていないが市川の名店を思い出さずにはいられなかった。

これがかなり似ていて驚いた程だった。煮干しのクセを上手く濃い醤油ダレに取り込んでいるもので、そんな処にラーメンの本質さえも探ろうとしてしまいそう。

麺はいわゆる昔ながらの自家製麺で、その麺の妙なる柔らかさは正しく東京醤油の粋を集めたもの。チャーシューとメンマも約束したかのように美味しかった。

若い頃にふと旅の途中で入道雲を背にして立ち寄った食堂のラーメンのスープのようにさえも感じられて、何処かで出会って別れて行った味わいのように淡くせつない思いさえも過った。

そんなだからこそドンブリに残ったそうした醤油スープを、世間話しの合い間にレンゲを手に取ってついつい口にしてしまったのだろう。

太平洋戦争があと数カ月続いていたら今の自分がいるかさえ判らないだけに、土浦の近くに特攻隊の予科練があった事情をよく知る店主が作る荻窪ラーメンを味わえて良かった。今の自分がいるかなんて話しは人前で話す方は少ないが、意外な程にそう思っている人は多いはずだ。

常連さんがサッポロラーメンも美味しいよ、と言っておられた。近くの常連さんが口にしていた餃子がまた美味しそうだった。気がつけば完食。いや、こちらも、かなり良かった。

(左フォト) ラーメン/チャーハン/メニュー/店頭外観 (2010.12.24) 


 中華 三益 (みます)

 住所:東京都杉並区天沼3-10-16-102  TEL03-3392-2102

 定休日:日曜日  営業時間:11:00〜17:30

 アクセス:JR中央線荻窪駅北口又は西口改札下車。青梅街道を左手に進んで行き若杉小南信号
       前の右路地を100m程進んだ左側にあり。



喜劇らーめん食べ歩きTOP