○決(まるひろ) 東京・東中神





まるでひとあし早く梅雨明けした首都圏のように、青空から爽やかな陽射しが注いで、そよかぜが木々の青葉を軽くさざめかせていた6月上旬の休日月曜日だった。

先日行こうと思っていたこちらだったが、急遽予定を変更して別のお店へ行って行かず終いだったので、今回また立川から青梅線電車に乗り継いで最寄り駅の東中神へやって来た。

西立川の次の駅だけに立川から2駅目だが、古びた駅舎や雨よけの躯体は全て木造で郷愁を誘う東中神駅であった。

改札を抜けてロータリーに出るとまだ優しい陽射しの下ではタクシーが数台停車していて、運転手同志が集まって談笑する程周囲は人通りも少ない駅周辺となっていた。広いロータリーの先に見えるコンクリートの建物の向こうに歩いて行くと、その路地の一角に風情良くこちらが佇んでいた。

店内に入って行くと平日の開店まもない時間もあってか、先客が三人程度の静かな店内だった。見回して券売機が無い事を確認してから、すぐ傍のカウンター席に腰掛ける。奥の壁に在った木製のメニューから、中華そば並盛のワンタン入りと言う意味で、ワンタンメンと告げたがすんなりとオーダーが通った。

と言うのも麺類のメニューは中華そばとつけ麺のみで、そこに追加トッピングとしてチャーシュー・ネギ・わんたん・味付たまごが用意されていて、サブメニューは餃子とビールとジュース類が並ぶだけだった。

さすが名店と称される人気店で、まもなく常連さんらしき後続客の方が続きに続いた店内。創業年が不明だったので、さりげなく厨房に一人いる店主に確認させて貰うと創業は平成9年だと教えてくれた。

そんな店主はとても清潔感あふれる感じの方で、小豆色をしたブルックスブラザーズのポロシャツを着ていた。今まで様々なラーメン店へ訪問したが、ブルックスブラザーズの服を纏う店主は初めて。

程なく到着。千葉の市川の方から来た事を世間話しの合い間にお伝えした事もあって、サービスと言う意味の言葉を添えてワンタン入り中華そばに後からそっとと味付けたまごを置いて頂き、思わず店主へお礼の言葉を投げかけた私だった。ドンブリが某店と同じで、思わず第一印象がまず良かった。

それではと行かせて貰えば豚骨鶏ガラ的なあっさりじんわり系の中華そばと言う感じで、魚介は煮干しや鰹節を中心に据えてシイタケのコクをさりげなく表出させた雰囲気がたまらないもの。

実に一体感のある醤油ベースの和風スタイルで、初夏のそよ風の如く優しく頬を撫ぜるように旨みが舌を撫ぜて来るもので、奇をてらわないながらも何処か独特でありつつ王道一直線の美味しい味わいがとても良かった。

中細ストレート麺の小麦感も醤油の風味を壊さず、コシや喉越しも秀逸なものだった。外に在った麺箱からして、立川市内に在る錦製麺所と言う所の麺のよう。チャーシューは箸で持ち上げればホロリと崩れてしまう程柔らかいもので、細いメンマがまた実にこだわりを感じるものと言えた。

サービスして頂いた味付けたまごは関東系醤油のコクが鮮やかに表われていて、ワンタンは肉の臭み消しで使う生姜が上手く使われていて何処か大衆中華のテクニックがあるように感じられた。

ここに来る為だけに来たと言うと変に思われるので、立川の所用ついでに来たと言ってしまったが、その為だけに来る価値が少なからず在ったこちらの中華そばだった。

気がつけば完食。とても良かった旨を告げてご挨拶して駅まで戻ると、愛らしいクジラの絵があちらこちらにある周辺でシンボリックなものになっている事に気づかされた。

昭和36年8月に現在のJR八高線多摩川鉄橋そばから、約500万年前のクジラの化石がほぼ無傷で出土したらしく、名前もアキシマクジラと命名されており昭島と言えばクジラと言う事らしい。ちなみに店名は店主のお名前から来ているよう。いや、かなりとっても美味(びみ)だった。

(左フォト) 中華そば+わんたん・味付たまご/メニュー/店舗外観 (2011.06.06)


 中華そば ○決(まるひろ)

 住所:東京都昭島市玉川町1-4-13 TEL042-545-9801 定休日:木曜日 営業時間:11:30〜19:30

 アクセス:JR青梅線東中神駅下車。改札口正面ロータリー奥に見える建物のくじらロードとある下
       の吹き抜けを進んで行き道路に出ると左手にこちらがあり。



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