中華 満来 東京・豪徳寺 ※休業中





本日は豪徳寺周辺で営業する、荻窪を祖とする丸長さんへやって来た。可愛らしい世田谷線電車が直ぐ傍を走っており、かなり若いころ界隈に来た記憶がよみがえった。

せっかくここまで来たのだからと、以前読んだトーキョーノスタルジックラーメンでかなり気になりながらもまだ訪れていなかった、そんなこちらが直ぐ近くにあるとして予定通り向かうことにした。

歩いて来たたまにゃん通り商店街を駅へ戻るように進んで行く。なぜ猫かと思ったが、この周辺にあり駅名にもなっている豪徳寺は、招き猫発祥の地伝説さえある猫に大変縁のあるお寺だそう。

井伊直孝がこちらの門内に居た猫に招かれたおかげで、雷雨に合わず良い説法を和尚から聞くことが出来たとして大変喜びその後井伊家御菩提所としたという。

こちらの場所は世田谷線山下駅前の商店街沿い豪徳寺駅寄りに位置していた。この現代において250円と言う他所ではまず考えられない価格のラーメンを提供している。

昭和22年に豪徳寺駅前にて屋台で開業して、翌年の昭和23年から現在の地で店舗営業を始めた大変に歴史のある中華店だそう。

さっそく入店すると二代目ご夫婦が厨房におられて、客席フロアには先客が二人の店内だった。左寄りの空いたテーブル席に腰掛けて、壁面に据えられたメニューボードを見上げた。

1軒目の状況でどうなるか、判らないと考えていただけに、何を注文するか決めていなかった。250円のラーメンは何だか気が引けるしとなって、600円するちゃしゅうめんで行こうとそれをお願いした。

明治44年生まれの初代店主が今も店に立つこちらと思って来たが、お聞きすると何と今から二年前に悲しくも逝去されてしまったそう。

お若い頃はバイク仲間と遠方までバイクツーリングをよくしていたそうで、モータースポーツに興味がおありになったようだ。またボーリングもよくされていたそう。

すぐそばに写真が置いてあり、ちょうど100歳の誕生日を迎えた時の記念に撮影したフォトだそう。その誕生日から二カ月後に旅立たれしまったらしい。

お会いすることが出来ず、残念だった。その少し前までは、とても元気だったそう。人生の最期とは、つくづく呆気ないものだと思う。

あらためまして、心から哀悼の意を表しますとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。程なく到着。

それではと行かせて貰えば、紛れも無い連綿と続く昭和初期の戦前から息づく味わいの中華そばで、実にかなりとても素晴らしいもの。

鶏ガラだけのスープだろうか、何とも瑞々しい優雅な佇まいが感じられるスープ。やや縮れた細麺がまた良かったし、チャーシューも紛れもなくとても素敵だった。

ふと見ると厨房の出入口の上には、先代と二代目それぞれの調理師免許証が飾られてあった。先代は明治44年生まれで、二代目は昭和17年生まれとなっていた。気がつけば完食。

精算を済ませて二代目店主とその奥さんに御挨拶して外へ出て振り返る。幅広の暖簾を掛けるために鉄棒をカーブさせたものをわざわざ製作して望む暖簾を掛けられたのだろう。

それは何の違和感もなくそこに存在しており、先代店主の感性がそれを見て少しだけだが判ったような気がした。

いや、かなり途轍もなく素晴らしい、とても素敵で味わい深かった、そんなちゃしゅうめんであった。

(左フォト) ちゃしゅうめん/メニュー/店舗遠景 (2013.07.26)


 中華 満来 (まんらい)

 住所:東京都世田谷区豪徳寺1-45-1  TEL03-3429-5377

 定休日:水曜日  営業時間:11:00〜18:00

 アクセス:小田急電鉄小田原線豪徳寺駅下車。改札を出たら右に出て正面に見える花壇の左奥に
       見える世田谷線山下駅方面に向かうクリーニング店脇の路地を入って行きまもない右側
       にあり。駅からすぐ。



この花壇の右手にある路地を入って行く。

周辺を走る愛らしい世田谷線電車。

昭和23年からこの地で根付く老舗中華店。

時間を忘れてしまいそうな店内だった。

先代店主津田三郎氏の調理師免許証。

最寄り駅は小田急小田原線豪徳寺駅。