白河手打中華そば 孫市 東京・西国分寺







これからやって来る夏の彩りが春の煌めきの中から派生して行くものであれば、今日のような曇り気味の空から放たれた淡い陽射しのけし粒みたいな亜粒子が元のようなものだろうか。そんな想像を容易にさせた暖かさで、季節は緑輝く5月の半ばの休日月曜日だった。

時に奥州の玄関口と知られ日本初の公園と言われる南湖公園が市内にある、人口約六万四千人の福島県白河市もラーメンの街と言われる程に、多くのラーメン店が市内に建ち並び営業している

那須連峰が育んだ清らかな水と美味しい空気が、何処にも負けない調味料となって、風情豊かな城下町をラーメンの旨い町に変えて行った。

その味の礎を作られたのがとら食堂初代店主の竹井寅次氏で、そのお名前から「とらさん」と呼ばれて親しまれていたそう。映画の寅さんを彷彿とする気風と自由奔放な方だったらしい。そんな氏は何と残念にも昭和58年に56歳と言う若さで他界してしまったよう。

現在では19歳の頃から実父の元で修業を始めた2代目が日夜頑張っており、また多くの弟子たちが巣立って竹井寅次氏の意思を継いで美味しいラーメンを提供している。

多加水平打ち縮れ麺は青竹や木の棒で打つものだそうで、その酸味を感じる醤油スープは魚介をあまり利かせない豚骨鶏ガラ主体の動物出汁だ。

そんな白河ラーメンを提供するラーメン店が、この西東京周辺の国立寄り国分寺市内にもあると先日知って気になる処となり、会社帰りに立ち寄れる場所でない事から休日を待って、やや強い風が吹く本日出掛ける事にした次第だった。

そんなわけで中央線快速電車に乗って、また多摩周辺へやって来た。西国分寺駅からも行けそうだったが、国立駅北口から歩いて向かう事にしてみた。地図を見ると道路が鉄道路線と平行しておらず不安が残る地理形状だったが、来て見ればなんて事はない周辺だった。

高い緑色のフェンスが目印になる打ちっぱなしのゴルフ練習場の直ぐ近くで、それを目標に向かえば迷わないで到着できそう。またその界隈で乗降出来るコミュニティバスの停留所もあり、西国分寺駅南口からそれを利用すれば意外なほどアクセスが良さそうだった。

ふと見るとその傍には大昔は至る所に在った陶器製で円筒状の背丈のある赤いポストが、至極自然に商店の横にさりげなく設けられていた。

開店数分前店頭に立てば入り口横はバルコニーのようなウッドデッキになっていて、そこに長椅子があったので列に並ぶような位置で待つ事にした。まもなく2番客の方がいらして私の隣りに座った。

時計を見ればちょうど開店時間の頃で、まもなく店主らしき方が出て来られ、白い暖簾を入り口に掛けて我々をひきいれてくれた。

中へ入って座ろうとすると券売機を通過してしまったらしく、チケットの購入を促されてそこへ戻り、ワンタンめんと焼豚ごはんのワンタンめんランチセットのボタンを選んだ。切符を手渡すと高菜ごはんと焼豚ごはんが選べるそうで後者の方でお願いした。

こちらの店主は横浜市都筑区茅ヶ崎南に位置するとら食堂の分店で修行経験がある方だそう。とら食堂の分店が横浜市に在るとは知らなかった。なお店名はご先祖のお名前を掲げたのだそう。

そんな店主の実家は白河らしく、若い頃帰省した際にラーメン店を志すようになったらしい。こちらを平成13年にオープンさせてからも、白河の総本家へ時々訪れてその更なる技の研鑽に余念がないらしい。

車の行き来が多い内藤橋街道沿いだが、少し奥まった場所に建物が引っ込んでいる為、なんとも静かで落ち着ける空間となって穏やかな雰囲気がいい感じだった。

あっさり系のラーメン店らしく、まもなくご老人が友人同志で来られた。どうやら常連さんのようで、いつもの薄味と言う事でオーダーが通っていた。程なく到着。

白河ラーメンと言うと日本初の公園と同じ店名のお店で食べたラーメンが思い出される。そう言えば守谷のいまの家もこの系統だった。それではと行かせて貰えば、イメージをトレースするように、何一つ変わらない味わいがまるでお手本のようにしっかりしたものと言える美味しさ。

酸味の塩気が実に美味しいうま味になっていた。チャーシューが昔ながらで風情よろしく、ワンタンの肉餡には胡椒のピリッとしたアクセントがあってそれもまた良かった。出汁がよく利いたそのスープは、無化調だそうで実に美味しいものだった。

白河ラーメンらしく麺も本家と同様に手打ちの自家製麺だそうで、数日は熟成させているようでむっちりした食感がタマらなく良かった。気がつけば完食。

帰りは100円均一料金のコミュニティバスを利用して西国分寺駅まで行き帰宅した。このバスは100円均一で30分間隔で運行しておりアクセスはこちらの方が便利そう。いや、かなりとんでもなく良かった。

(左フォト) ワンタンめん/焼豚ごはん/店舗外観/コミュニティバス (2011.05.16)


 白河手打中華そば 孫市 (まごいち)

 住所:東京都国分寺市日吉町3-31-2  TEL042-502-7051  定休日:水曜日

 営業時間:11:30〜15:00/18:00〜21:00(但し、材料無くなり次第終了)

 アクセス:@JR西国分寺駅南口下車。ロータリー左奥から発着するぶんバス日吉町ルートに乗車。
         日吉三丁目停留所で降車。戻るように数十m歩くと右側にあり。30分間隔ダイヤで運行。
         なお帰りのバスは西国分寺駅北停留所で降車すると良さそう。

       AJR国立駅北口下車。ロータリー手前右手へずっと進んで突き当たりの階段を上がって
         行く。道なりに歩いて遠くに見える内藤橋街道沿いにある高い緑色のフェンスの国分寺
         セントラルゴルフへ向かって行き、街道に出たら練習場50m右寄りの通り沿いにあり。



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