札幌ラーメン 前川 東京・恵比寿





夏の微風が軽く緑を揺らして水蒸気は青空を塞いで、その分だけ陽射しが淡くなって霞んだスカイツリーを摩天楼のように浮かび上がらせていた、薫風が煌めくそよ風となって街角の季節を変えていたそんな六月水無月後半の休日火曜日だった。

時にその昔札幌味噌ラーメンが、都内に留まらず国内を席巻した時代が在った。当時は様々な多くのチェーン店や個人店が、こぞって味噌ラーメンを提供していたものだ。

西川口駅周辺でそんな代表的な2店を訪れて、その際の下調べをしている内に都内にある個人経営のこちらの札幌ラーメン店を見つけて気になるところとなった。

ラーメン王の石神氏も、随分前だが暖簾を潜ったようでこちらを紹介されていた。そんなわけで是非とも訪れてみたくなって、冷房が心地よく効いた山手線電車に乗って恵比寿で下車した。

恵比寿駅東口交差点に出て、みずほ銀行右手にある路地を入って行き、右手に赤いノボリが何本も立つ稲荷神社を過ぎる頃前方にこちらが見えてその店頭へやって来た。

紺色の暖簾に店名の前川が大きく表記されていて、中華料理と札幌ラーメンと餃子の文字が、その暖簾の左端と真ん中と右端にそれぞれ刻まれていた。恵比寿で札幌ラーメン店と言うと、昨年訪れた創業40年以上とお聞きしたらーめん山田が思い出される。

さっそく入店すると60代後半くらいの店主夫妻が、カウンター奥の厨房の中で入店して来る客を待っておられた。インターネットを見て、松戸から来たことをお話しすると歓迎してくれた。

メニューを見上げると麺類の隣りにサッポロ麺類の見出しがあって、そこには醤油ラーメン・塩ラーメン・味噌ラーメン・バターラーメン・味噌チャーシューメンが表記されていた。

ネットでこのサッポロ麺類のメニューが気になっていて、その中からどれにするか悩むところとなったが、こだわりの店ならばやはり塩味で愉しみたいと帰結してサッポロ塩ラーメンと言ってオーダーした。

こちらでもまた、開業して40年以上になることを教えてくれた。店内の雰囲気やご夫婦の年齢から推察して、概ね昭和40年くらいの創業でしょうと返すと、そのくらいだと教えてくれた。

それにしても味のあるフロアだ。天井寄り壁面のメニューは黒い模造紙に献立表と明示されて、その末尾には中華前川と店名が入り電話番号も記されていた。石神氏は七年前にここを訪れてメニューの金額に触れているが、その時と何ら変わることのないラーメンの価格だった。

隣接する道路は、乗用車が時折りしか通らない舗装された幅の広い生活道路で、そんな車が去って行くと遠くから聞こえる街の喧噪が小さく響いて来る程度の静かな店内に戻った。

ふと見ると店先の鉢に植えられた花が見えた。田舎が札幌の方だとか、そんなことはないこちらだそう。程なく到着。それではと行かせて貰えば、なるほどなかなかの味わい深いそんなサッポロ塩ラーメン。

サッポロ麺類の提供メニューには、ニンニクを効かせていることをあらかじめお聞きしていたが、そんな風合いが昭和の良き時代を物語るものとなっていた。

太めの中太麺が何とも魅力的な喉越しとコシを作っていてかなり良かった。モヤシがまた実に素敵で、質実剛健のチャーシューの風合いがたまらなく嬉しいものだった。気がつけば完食。

恵比寿駅へ戻る途中にあった、山下伏見稲荷で例によって参拝。こちらは商売繁盛と五穀豊穣の御利益があるらしい。いや、かなりとんでもなく実に果てなく素敵でとても美味しかった。

(左フォト) サッポロ塩ラーメン/献立表/店頭外観 (2013.06.18)


 札幌ラーメン 前川 (マエカワ)

 住所:東京都渋谷区恵比寿1-22-10  TEL03-3442-6083

 定休日:日曜・祝日  営業時間:11:00〜20:30(20:20LO)

 アクセス:JR山手線恵比寿駅東口改札下車。駅前の右斜めにある下り坂を降りて行き、恵比寿駅
       東口交差点に出てみずほ銀行右手の路地を入って進んで行った右側にあり。徒歩およそ
       5分。

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最寄り駅はJR恵比寿駅で、大崎寄り改札出口から近い。

恵比寿駅東口交差点のこの路地を入って行く。

山下伏見稲荷神社を越えるとこちらが前方に見える。

昭和の佇まいで、良き昭和の中華そばが味わえる。

カウンター席には、こんな丸椅子が似合う。

商売繁盛と五穀豊穣に御利益がある山下伏見稲荷。