らーめん愉悦処 鏡花 東京・立川

また朝方は焼きそばを食した日で、そんな今日も仕事が終わって外に出れば、午後8時過ぎの立川の夜だった。そう言えば勤務先が立川となって、本店であるこちらにまだ訪問をしていなかった。そんなわけで、その店頭に向かって歩いて行った。

ラーメン店と言えば、暗い闇の中で光々と照明を輝かせて入店客を吸い寄せていたものだが、こちらに着くと落ち着いた間接照明にひっそりと佇んでいて侘びとさびの世界が広がっていた鏡花さんだった。前回は昼間で気がつかなかったが、その先には光々と輝く黄色いビニールカバーがトレードマークの某爆食ラーメン店が見え、思わずそちらに吸い寄せられてしまった。

たま館の某新店名はこの事を言っていたのかと疑心暗鬼になりつつも、そこは我に返って直ぐこちらまで戻って来た。そして入店しようとすれば、そう言えば月曜日は鶏白湯ラーメンの日で、意図的では無かったが未食もあって入店する事にした。券売機でそれを選んでサブメニューも行くかと、ぴり玉ごはんのボタンも連打。奥へ進むと冷水が予め置かれているパターンでそこに促された。内装の雰囲気が持つ風情もあってか、カップルが多い夜の鏡花店内だった。程なく到着。

それではと行かせて貰えば何処となくベジポタ的な流行系鶏白湯なものの、そこは何とも流麗なピアノのリズムを感じるような旨みがアップテンポでやって来た。ただこちらもまたヤワメの細麺もあってか、ややカン水が前に出ていたのでそこは胡椒で落ち着かせて更に口にして行った。なるほどこれが本来のこちらのラーメンかと、理解出来たそんなラーメンであった。ぴり玉ごはんが、やはり実に美味しかった。気がつけば完食。いや、こちらもそこはもういい感じだった。

(2010.11.01)


  2010.11.01 月曜限定・鶏白湯ラーメン   2010.11.01 ピリ玉ごはん







昨夜までの雨天が、全く異なる恒星輝く惑星での出来事であったかのように、陽に照らされた揺れる青葉がキラキラと輝いていた、五月も下旬に入ったそんな青空望む休日金曜日の午前中だった。

今日はまた立川市内に所用があって出掛け、長年の宿題店になっていたこちらへ、今回こそと訪問する事にした。

平成12年に創業した立川の名店の域の人気ラーメン店で、昨年10月に発売された石神氏の本でも新しく殿堂入りしているお店ながら、今回初めてで恥ずかしい限りであった。

例によってお茶の水駅で中央線快速に乗り換え、長い長い直線区間を快走して、電車は奥多摩への入口駅でもある立川に午前11時過ぎに到着した。そして駅からそう遠くない店頭に着くと開店五分前で、平日だからなのかたまたまなのか特に並ぶ人もいなかった。

店頭では毎月変わる限定ラーメンを「今月の夢」として案内され、また「おやっさんの気まぐれ」とも付記されていて、今月のそれは「笠岡ラーメンかしわねぎそば」となっていた。少し前に新横浜ラーメン博物館に坂本がやって来たが、店主がそれを口にして創作意欲が湧いた所だろうか。

そんな店主のフォトが一枚入口右手に貼られており、箸で麺を持ち上げて湯切りをしているようなポーズが決まっているもので、人はそれを華厳の滝と呼ぶらしくてそんな注釈が入っていた。

定時になると暖簾が店先に掛けられ、その頃になると二人のサラリーマンが何処からともなく現れて、三人での入店となった平日の開店時間だった。

店名は金沢生まれ明治後期の文豪である泉鏡花に由来しているそう。幽玄の世界に神秘的かつ独創的な世界観を表現した鏡花の如く、比類なき幻想するらーめんを追い求め続ける想いから店主が命名されたそう。

さて券売機の前に立って押したボタンは、醤油や塩に限定が頭の中でグルグルと回ってしまったが、そんな回転板にめがけて投げたダーツのようにして思い切って決めたのは極塩ラーメンだった。と、言うよりもそれで良ければ二杯食べればいいかと、その時点では考えていた次第だった。

薄暗い店内へ入って行くと鏡花代表作「高野聖」の雰囲気を模しているそうで、何とも重厚な雰囲気があり古い旧家に居るような感じでもあった。

各席にはペンライトのような照明が虫の触角のように弧を描いて取り付けられていた。そんな店内を感心しながら見ていると、程なくオーダーしたラーメンがやって来た。その頃にはほぼ全席が埋まる盛況ぶりでさすが名店のこちらであった。

その仄かに香るスープは、明らかに次元が違っていた。そして明らかにオーラも格段に良かった。それではと行かせて貰えば、これが実に感動的な美味しさ。

背中に稲妻が走る程になかなかと言える領域で、それはとんでもなく美味しい鶏の味わいが奥深い塩ラーメンであった。

チャーシューもここまで美味しいのは菜@本八幡以来で、そちらと甲乙付け難しな程であった。その他の具材もいい感じで、何とも冴え渡った風情に気がつけば完食だった。

その満足感に本来なら限定も行きたい所だったが、そう言えば直ぐ近くには、違うタイプのラーメンを提供するこちらの支店がある。そう思った際にそちらの方へ行って見たくなり、こちらを後にする事にした私であった。

いや、実に美味く感動超特急であり、何処か次世代感を禁じ得ない、そんな塩らーめんであった。しかし店主が目指すゴールは、きっともっと更に先にある所なのだろう。

(左フォト) 極塩ラーメン/店内/店頭外観 (2010.05.21) ※にぼぶら鏡花へ続く。


 らーめん 愉悦処 鏡花 (ゆえつどころ きょうか)

 住所:東京都立川市柴崎町2-12-20 TEL042-525-3371

 定休日:なし 営業時間:11:00〜15:00/18:00〜22:00 ※土曜日曜は通し営業

 アクセス:JR立川駅南口下車。多摩モノレール立川南駅先の柴崎3丁目交差点の横断歩道を
       渡ってから右折して進み、スーパーいなげやを越えて更に歩いた左側にあり。



喜劇らーめん食べ歩きTOP