上弦の月 東京・蒲田 ※閉店







深夜にひと雨落ちたようで日陰が軽く濡れて、その分だけ気温が低くなったような朝方で始まった10月最終日の月曜日。そんな今日も仕事が終わって外に出れば、また穏やかな午後8時過ぎだった。

先日蒲田の気になっていたラーメン店を訪れたものだが、そう言えばもう一軒蒲田に大変気になるお店が存在していた事を思い出した。

そこは週に3日程度しか営業していないラーメン店で、しかも夜しか店を開けていない女性店主が営業するラーメン店だ。そう、そのお店こそこちらである。

一度テレビに紹介されていた番組を偶然見た事があり、現在のスタンスでの訪問だとその頃の状況ではまず行けないお店だが、何時かは行ってみたいと胸に誓ったものだった。

横浜勤務となった今、蒲田駅界隈は仕事帰りにさらりと行ける場所だ。そんなわけでやたら敷居の高い、店名がまた素敵な見上げれば直ぐ隣りは東急高架線のこちらの店頭へやって来た。

営業を始めて既に10年近くになるこちらで、店舗にも味のある風情があった。中の様子を覗くと店内の全席は、カウンターの角にある一つの椅子を残して埋まっていた。

入口の券売機の前には、3人の先客の方が席が空くのを待っていた。券売機の前が空いたので、ラーメンと半熟煮玉子のボタンを連打。

下の取り出し口からカランと音がしたので見ると、ラーメン二郎で見るような樹脂製の小さなプレートがあった。それを手に掴んでグループ客の後ろに着いた。

するとグループ客の方はそんな方々用のテーブルがあるらしく、女性店主にプレートを手渡すと先に角の空いた席に私を促してくれてその指示に従った。

プレートを手渡した際に好みを聞かれて全て普通と応えたが、後続客のネギ増しの言葉に少し間を置いてから私もネギ増しを後から追加でお願いした。

角の丸椅子に座っていると帰って行った先客の椅子へ促されて、そこへ移動すると後続客がその椅子に座るよう指示する店主でそんな事が続いていたのを見て仮席の丸椅子だと判った。

大盛にするかと券売機の前に立った時に少し悩んで結局そうしなかったが、先客の到着したラーメンを見て押さなくて良かったと胸を撫で下ろした。

それは極太で縮れた麺が丼の中でうねっていて、コテコテなこってり豚骨醤油のビジュアルを見て、もう少しあっさりしたラーメンをイメージして来ただけに心の中でおそるべし上弦の月と口にした。

厨房の中におられる二人はどちらも女性。2001年11月22日にオープンしたこちらのようで、さりげなくもうすぐ10年が経過する事をお伝えすると全く気が付かなかったご様子だった。

店頭の看板には店名の上に「熟成鶏醤油らーめん」と掲げられていて、店内の壁にも比内地鶏の事が紹介されているこちら。

しかし2006年3月に豚骨魚介醤油にシフトチェンジしたようで、その事が奥の壁に紹介されてあった。ちなみに店名が上弦の月もあってか、店内には月齢カレンダーが掛かっていた。

壁には麺が大栄食品を利用している事や、近藤醸造の丸大豆醤油が利用されている事なども記載されていた。程なく到着。

それではと行かせて貰えば、若い頃都内でちょこちょことラーメンを口にしていた私にとって、何処か懐かしい気持ちが先に立ったラーメンの味わい。

当時は今風に言えば土佐っ子インスパイア系ラーメンが結構あったもので、もう店名さえも忘却の彼方となってしまったがそんなイメージに近い感じがあった。

豚骨醤油と言うと今なら家系ラーメンが主流だが、その前で時代と共に進化するラーメンの黎明期と隆盛期が交錯していた頃なのかも知れない。

こちらも21世紀が始まってからオープンしたラーメン店であり、そんなお店が10周年を迎える時代なのだと痛感した。

口にして見ると思ったほどコッテリしておらず、むしろあっさり感も介在していたようにも思える程瑞々しい味わいがあった。

半熟煮玉子もなかなかのシフトであり、ごわっとした極太縮れ麺も太麺好きにはタマらない極太感。チャーシューが濃い色になっていたが濃い味付けでもなく絶妙な美味しさ。

スープを多めと希望する常連さんに、それも一時真似ようと思ったが丁度良いスープ量で、完飲するつもりも無かったのでこれまた言わなくて良かった。

海苔増しにしなかったが近くの方がそれにしていて、見るとエリマキトカゲのようにドンブリに海苔が刺さったもので圧巻だった。気がつけば完食。いや、とんでもなく素晴らしく、とっても良かった。美味し。


(左フォト) らーめん+半熟煮玉子/店頭外観/蒲田駅西口/店舗と周辺 (2011.10.31) 


 上弦の月 (じょうげんのつき)

 住所:東京都大田区西蒲田7-63-9  TEL03-5710-5667

 定休日:火・木・土・日・祝  営業時間:18:00〜翌1:00

 アクセス:JR京浜東北線蒲田駅西口下車。東急線カードの右下にある東急駅前通りを3分程
       歩いた右側にあり。



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