いつ樹 東京・小作 ※休業中







透き通るような青空が神秘の宇宙を映すように、全ての太陽系の惑星には今日もまぶしい陽射しが注がれていた、晴天ながら今日も冷蔵庫の中に居るように寒い、見上げれば白い月が昼間の青空に浮んでいた一月も半ばの休日の金曜日だった。

以前から気になりながらもあまりにも遠方だった為行かず終いだったが、立川が勤務先となった事もあって今回そんな周辺もある程度落ち着いたので本日訪れようと考えていた次第だった。

そんなわけで青梅線直通の中央線快速電車に乗って、ワケあってちょっと青梅に寄りつつも、折り返して最寄り駅の小作駅へ降り立った。

青梅街道に出て右手へ行くとラーメンの看板が見えて何処?と思ったが、もう数歩その道をゆけば左手のビルの奥に風情良くこちらが佇んでいた。

昨年暮れのクリスマスイブに新宿駅近くで営業を開始したばかりの2号店である五ノ神製作所へ訪問したが、店先の看板にリアリティのある海老の模造品が据え付けられていたものだが、本店であるこちらには背鰭をピンと張らせた鯛の模造品がやはり据え付けられていた。

2007年7月25日に福生市五ノ神にオープンした渡なべ@高田馬場で修行した店主のラーメン店で、ワケあって創業の地を離れて昨年5月から青梅市新町の雫があった店舗で仮営業した後、9月29日からこの地へ来られたようだった。

中へ入って券売機に立つ瞬間いつも或る意味緊張が走るもので、こちらでは実際いまこの瞬間に何を提供しているのかそれが赤羅様になるからだ。

するとメインは鯛塩らーめんと、五ノ神製作所でも提供している海老つけ麺の2本立てで、そんな処からそこは味玉入りの鯛塩らーめんを選んだ。そして直ぐ傍のカウンター席に腰を降ろした。

ふとお店の方を見ていると麺を袋から出してから、しっかりバラした後に少しだけ押し潰して手打ち風なクセをわざとつけていた。

しばらくすると多摩組の大きいロゴが入ったTシャツを着た店主らしき方が上の階から降りて来て厨房に入り、店内の状況を見渡してから従業員の方と打ち合わせしつつも、常連さんらしき方とも世間話しをされていた。程なく到着。

これが妙なるオーラに満ちた、そんなラーメンがやって来た。ここまでのものは、そう無くかなりのものだ。どうすればこんなにこうも、オーラを感じるスタイルになるのだろうかと言うものだった。

樹庵系らしい極太メンマは適度なサイズの三角形で、チャーシューはデフォルトのラーメンで二つ入るサービスが嬉しいもの。

海苔は大判サイズで、刻まれた青ネギも心なしか多め。そんな具の隙間から見える縮れた太い麺がまた心を揺るがすものだった。

それではと行かせて貰えば、鮮魚系らーめんと言うカテゴリの意味が口にして見るとなるほどと言う処で、今までと違う洗練さが見えて来るオリジナリティに、交錯する王道感がそうした新しいカテゴリを造作したくなる美味しさ。

大量の鯛頭を潰しながら炒め上げて鶏出汁に昆布と煮干し出汁を合わせたスープは薄く白濁した色合いで、何とも言えない至高の味わいに一度垂れた頭を上げるのも惜しい位その味に没頭してしまった。

太麺の食感もありそうで無かったもので、その炸裂するいつ樹ワールドに言葉を失って我武者羅に味わっていた自分に驚く程だった。そんなわけで、もう気がつけば完食となった。

新宿の2号店で押せなかったトマト味は、今月末頃までには提供を始める予定だそう。2階が製麺室になっているらしく、道理で周囲に製麺機が無かった筈だった。

また向こうの海老つけと違って、こちらは鯛の出汁もつけ汁に利用しているそうで、こちらで製麺している太麺もシフトを若干だけ変えているそう。

らーめんを食べ終えてあまりにも美味しかった事もあり、今日は自宅を出た時からもう一店の訪問を考えていたが、そのつけ麺がそうならば今日はここだけにしてそちらも行ってしまえと、振り返って券売機でそのチケットを購入して店主に手渡した私だった。

是非今度またいらしてそちらも堪能して下さいとした意味合いで教えてくれたつもりだったようで、連食する私に少し驚いていた店主だった。その仕草に恥ずかしくなるしかなかった。

そんなわけで海老つけ麺も堪能すれば、これまたとんでもない美味しさで、五ノ神と比較すれば瀞み加減がこちらの方が好みなシフトで、鯛のささやきが海老の香ばしさを包むようで似てまた非なるそんな極上感が多摩らないものだった。

ラーメンには生の刻んだ玉ねぎに、つけ汁の底には飴色した玉ねぎが沈んでいて、スープ割りの時にその事を告げると、店主は八王子ラーメンを子供の頃から口にして育った環境だったそうで、ラーメンに玉ねぎが入る事は何よりも自然なんだそう。

それにしてもこちらが作る麺は、とんでもない素晴らしさと言えた。気がつけば完食だった。鮮魚系と聞いた時は淡麗系かと思ったものだった。

存在感が薄い事を昼の月と呼ぶが、こちらはその真逆な味わいであり、闇夜に浮かぶ月の如くのラーメンでとんでもなく美味しかった。

そしてつけ麺もとんでもない美味しさで、店主の手練さがよく理解出来たものだった。いや、ズバ抜けて良かった。

(左フォト) 味玉鯛塩らーめん/濃厚海老つけ麺(麺・汁)/店頭外観 (2011.01.14)


 いつ樹

 住所:東京都青梅市新町5-3-7  TEL0428-34-9144  定休日:月曜日

 営業時間:11:00〜15:00/17:00〜21:00 ※土日祝日中休み無し

 アクセス:JR青梅線小作駅東口下車。ロータリー左寄りから垂直に延伸する都道181号線を歩いて
       行き、新町桜株交差点を右折して青梅街道を150m程進んだ街道沿いの左側にあり。



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