中華そば 伊狭 東京・神保町





昨日例年より早い梅雨入りを迎えた関東地方は、今日も朝方からぐずついて雨に風も出ていた、そんな五月皐月最終コーナー休日の木曜日だった。

その昔にガロが唄う学生街の喫茶店があったが、神保町もまさしくそんな学生街の町であり、またラーメンを提供する店も少なくなくラーメンの街とも言えそうだ。

そんな神保町の一軒へ訪れようと考えて、もしものことを考えてその周辺の店をネットで調べているうちにこちらへまだ訪れていないことに気がついた。そう言えば元祖半ちゃんらーめんで名高い、さぶちゃんの店主が修行したこちらだ。

さぶちゃんも伊狭も同じ昭和41年創業らしく、思わず修行した店と同じなのだろうかとなった。そんなわけで当初の訪れる予定だった店はそのうちに行くかとなって、雨そぼ降る中こちらへ向かうことにした。と言うことで都営地下鉄新宿線電車を利用して、久しぶりに古書街でもある神保町へやって来た。

一度やんだ雨がにわかにまた降り出していた。こちらの店頭へ立って思い出したが、そう言えば一度別の店目的で周辺に来て見つからず、こちらに来ると確かちょうど定休日で、やむ得ずその直ぐ傍の店をその時に訪れたものだった。

焦げ茶色の生地に赤い文字で中華そばと染め抜かれた暖簾が、何とも言えない味のある風情を店頭に与えていて、それが何処か威風堂々とした店構えにもなっていた。さっそく入店するとまだ開店まもない時間もあって、先客ゼロのカウンター席の店内が広がっていた。

厨房には二代目店主ご夫妻に、その息子さんらしき方もおられた。店先で紹介されていた14時まで対応する得々ランチメニューから、780円のチャーシューメン+半チャーハンをお願いすることにした。間違いなくさぶちゃんの店主はこちらで修行してから店を開業させたのだそう。

女将さん曰くこちらは昭和30年代に開業することはまずありえないから、昭和40年になってからとなるので昭和40〜41年頃の開業となるこちらだそうだ。こちらの店もまた以前に紹介した林家木久扇師匠監修のラーメン本に掲載されており、当時は斜向かいに昭和52年にオープンした2号店が営業していたようでそのことが主に案内されていた。

その2号店は当時先代店主と現在の2代目店主がお二人とも脂が乗っていた時期のようで、当時は先代が2号店の方の厨房に立って本店に2代目がおられたそうだ。それは十年ほど続いたらしい。

そんな先代は残念ながら既に他界して今はおられない。斜向かいに2号店があったのかとそこを見ると、以前紹介したことのある先述した店のはと車が営業していた。程なく到着。

それではと行かせて貰えば、それはもうかなりとんでもなく実に素敵で可憐な美味しさ。豚骨と鶏ガラを血抜きのため一度ボイルし、更なるボイルの際に干し海老や鰹節に生姜などを加えスープだそう。

分厚いチャーシューは、肉のブロックから良いところだけを切り出して作り上げたものだそうで、その脂身の少ない弾力高い豚肉の美味さと言ったらなかった。メンマがまたなんとも絶大に素晴らしいもので、よく常連さんから何でメンマラーメンがないのか怒られるほどだそう。

麺もなかなかの風合いを持つシフトで、さぶちゃんも同じ麺を利用しているそう。それにしてもさぶちゃんの濃い醤油スープと違い、そのしみじみと来る優しい味わいは、半チャーハンもまた同じ印象を持つもの。

最初はその淡さに薄く感じてしまいがちだが、程なくやって来る切ないほど嬉しくなるうま味のさざ波のひとときに、遠い日の楽しい思い出さえ表出してきそうなほどだった。

それだけにラーメンの後でやや冷めてしまってもその美味しさに変わりはなく、さぶちゃんのラーメンフリーク受けする濃い味わいもいいが、淡麗的な味わいを有するこちらのスープの素晴らしさもまた良かった。

気がつけば完食。いや、かなりとんでもなく果てなく良かった、とっても素敵な美味しいチャーシューメンと半チャーハンだった。

(左フォト) チャーシューメン/セット半チャーハン/店舗外観 (2013.05.30)


 中華そば 伊狭 (イキョウ)

 住所:東京都千代田区神田神保町1-4中一ビル1階  TEL03-3294-0279

 定休日:日曜・祝日  営業時間:11:00〜15:00/15:30〜19:30 ※土曜〜18:30

 アクセス:地下鉄神保町駅A5出口下車。靖国通りを左手に進んでまもない左路地を入り、突き当り
       を右折して80mほど歩いた右側にあり。

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昭和40〜41年頃に開業したこちらだ。

昔は斜向かいの場所に、二号店が営業していた。

周辺の人気店さぶちゃんの店主が修業した店。