二十四節気の小雪を迎えた関東平野では、見上げれば小雪ならぬ枯れ葉が大雪を思わせる程に舞い降り、湿気を含んだ枯れ葉からの薫りに秋の風情が感じられた11月後半週明けの月曜日だった。西東京寄りは朝方既に雨が降っていて一度収まったようだが、仕事が終わって外に出ればまたいつの間にか降り出していて傘を広げて帰途についた。
ところで通勤途中駅の吉祥寺には、そう言えばこちらが在る事に、しばらく前に気がついたものだった。昭和9年創業の故・難波二三夫氏が屋台で始めた貧乏軒に端を発する、成華公司〜ホームラン軒のそんな店名変遷を経て営業する、元祖東京豚骨ラーメンのこちらである。 |

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この吉祥寺などのホープ軒は、玉川上水などの村山ホーム軒系と、千駄ヶ谷等のホープ軒系の暖簾分けが成されたらしい。千駄ヶ谷等のホープ軒系には、らーめん弁慶、香月@恵比寿、土佐っ子@常盤台などがあり、そんな店名からも判るように「背脂ちゃっちゃっ系」と言う異名を持つ系統だ。
そんなわけで雨そぼ降る中また吉祥寺で途中下車して、今夜は駅から直ぐ近くのこちらの店頭へやって来た。傘を窄めて店先に立つと、ほぼ満員の店内ながら奥のカウンター席が一席空いているそう。
そこに促されて先客が座っている後ろの、僅かな足の踏み場しかない狭い通路を、身体をよじりながら歩いてそこに腰を降ろした。
特にオーダーするラーメンを決めないで来たが場の雰囲気に任せて口を開けば、初めて来たラーメン店なのにチャーシューメンにモヤシ増しと言う言葉が、まるでいつも通っている常連の如く注文していた私だった。
さすが元祖東京豚骨の店が持つ、昭和の善き流れが、ここには在るのかも知れない。前金制らしくあらかじめ支払いを済ませてラーメンを待った。
それにしても追加トッピングのメニューの冒頭にモヤシとニンニクの文字が並んでいて、ラーメン二郎を思い出さずにはいられなかった。程なく到着。
こうして目の前に来て見ると、そこは二郎のラーメンとはかなり違っていた。顔をドンブリに近づけると振られた背脂はないものの、溶けだした背脂の甘い香りが優雅にその主張を示すものだった。
それではと行かせて貰えば、中細ちぢれの実に味わい深い麺がタマらないもので、そこにモヤシのモヤシ臭さが実に昭和のラーメンの郷愁を誘うものと言えた。
そして先述の背脂の甘味が、遥か以前に何処かで味わった筈だが、晴れない霧の向こうに提灯だけが夜空に赤くぼんやりと見えるだけで、何も語って来ないもののとてもとても嬉しい味わいと言えた。
しっとりしたチャーシューの質感も良く、かなり美味しく一枚一枚を大事に頂いた。普通盛りでもモヤシ増しもあってかいいボリュウムながら、そこは気がつけば完食であった。いや、実に良かった。
(左フォト) チャーシューメンもやし増し/店頭外観 (2010.11.22)
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ホープ軒本舗 吉祥寺店
住所:東京都武蔵野市本町1-14-12 TEL042-220-0530
定休日:無休 営業時間:無休 (月〜土)11:30〜翌3:00/(日・祝)11:30〜翌2:00
アクセス:JR吉祥寺駅北口下車。サンロードに入って一つ目の右路地を曲がって少し歩いた左側。
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