本枯中華そば 魚雷 東京・春日







夕方になってから雨の降る天気予報が出ていた日の、二月初日週明けの月曜日だった。まだ午前の遅い時間だが、いつ降り出してもおかしくない曇り空に、前倒しして降りそうな気配を感じた。

そんな今日は、また図書館と考えていたが月曜は休館らしく、それならばと1月29日にオープンしたばかりの長野に本拠地がある、烈士洵名を手掛ける笑楽亭グループの新店へ出掛ける事にした。

都営地下鉄春日駅で電車を降り、エスカレーターと階段で上がって地上に出る。都内も同じ曇天模様で、都会の空に何処かしっくり来るように感じ取れた穏やかな明るさだった。

烈士洵名もすぐ近くにあるその周辺で、店頭に到着して見ると、そこは圧倒される程に、開店を祝う花々で埋め尽くされていた。

そんな店頭を撮影していると、後ろで自転車が止まるブレーキ音が聞こえた。

するとそんな花を持って帰って良いかを聞いて来る、何となく気品を感じる初老の女性がおられた。自分が店の関係者では無い事を告げると、しばらくしてから自転車共々いなくなっていた。

店頭入り口頭上には店名を象徴するかのように、それは見るからに立派な魚雷がオブジェの如く設置されていた。それなりの地震が起きても落ちないように、鉄のベルトでしっかりと固定されている。

生まれてからこのかた魚雷をしげしげと眺めた事は無かったが、その形状は漫画などで見る魚雷そのもので、都会の路地にさりげなく転がっていたら、きっと魚雷が転がっていると警察に通報が入ろうと思えるものだった。

などと思いつつガラス製の入り口を開いて入店。直ぐ右手に券売機があり、どうするか決めていなかったが悩むほどでも無かった。

しかしながらランチセットと言うのがあって、ラーメンに日替わり丼が付くセットメニューだったが、今日はどんな丼ものかインフォはなく、やむなく身近におられたお店の方にお聞きすると、海苔が乗ったものだと判った。

すぐ側でそれらしき丼を口にする方がおられ、やや希望するイメージではなかったのでそれにはしない事にした。

それを踏まえてから押したボタンは、700円+300円でちょうど1000円ジャストになる、本枯中華そばと豚玉本枯めしだった。

先ほど質問したお店の方にそんなチケットを手渡すと、インフォメーションボードを案内されながら、ラーメンに乗せる具材が三つ選べる事を教えてくれた。

そのインフォには、鶏オーブン焼き・タマリ漬け叉焼 ・ウズラ・メンマ・根まがり竹・岩のり・キクラゲ・ナルト・ちんげん菜と9つの具が表示されていた。

これは一瞬悩む所だが、冷静に見返せば肉類が冒頭に二つあり、それならばとその二つとなり、あと一つはキクラゲを選んだ。それから厨房の前にある、カウンター席の一番奥に促されそこに腰掛けた。

すぐ左手には麺箱が山積みされていて、カウンターの奥には本枯節や煮付けられた豚の角煮が大振りのボウルに夫々ストックされて置かれていた。

振り返って店内を眺めると、地元周辺らしき方々が半分に、私のようなそうではない雰囲気の方々が半分の店内で、はぼ全席が埋まる盛況ぶりであった。程なく到着。

ラーメンは、ほぼ素ラーメンのような感じで、来たばかりの時は中央にエスプーマらしき白い泡が乗っていたが、ものの数十秒で消えて行き、後には青菜だけが少し乗っていた表面だった。選んだ具材は角皿に刻みネギが足されてやって来た。

なかなか凝った趣向で、それは笑楽亭グループらしいものだった。それではと行かせて貰えば、なるほど美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い。鶏オーブン焼きに、タマリ漬け叉焼もなかなかの美味しさ。

青森地鶏赤鶏と濃厚コラーゲン豊かなモミジ・豚足に、カツオ・サバ・イリコ・アジと言った魚介類と大量の昆布を利用したWスープだそう。

そのWスープをなんとフラスコに注いで、そこに粉砕した最高峰の本枯節と本節をサイフォン方式でその味わいを抽出した五段仕込みスープだそう。

それだけでなく更に煮干しとカツオのエスプーマも合わせているよう。これはもう、まさしく感動的豊潤淡麗系と言った面持ちと言えたものだった。

麺は石臼挽きした北海道産小麦粉「春よ恋」に天然モンゴルかんすいを合わせて打った、無添加の中太ストレート麺だそうで、積み重ねられた麺箱には、カネジンとあったのでそちらに任せているようだった。

豚玉本枯めしも、黄身を箸で軽く指すとご飯の上に沢山乗った豚の角煮に絡まり、ニンニクが巧く利いていて大変スペシャルに旨いサイドメニューであった。

入り口の魚雷についてお聞きすると、映画のようなセットで使われた小道具だそうで、そうした払い下げ品を利用しているそう。本物ではない模造品とは思ったが、妙にリアリティがあったわけだった。

気が付けば完食。魚粉が流行っているここ数年だが、単なるそうしたラーメンではない上に、こちらの或る意味哲学が凝縮されたスタイルを感じるもので、さすが長野と言える系統のラーメンであった。

(左フォト) 本枯中華そば(麺・具)/豚玉本枯めし/店頭外観 (2010.02.01) 


 本枯中華そば 魚雷 (ほんかれちゅうかそば ぎょらい)

 住所:東京都文京区小石川1-8-6アルシオン文京小石川102  TEL03-5842-9833

 定休日:水曜日  営業時間:11:00〜23:00

 アクセス:都営地下鉄三田線春日駅A5出口そば。白山通り西方交差点を左折して、突き当りの
       こんにゃくえんま交差点を左折して少し歩いた左側にあり。



  2010.02.01 石臼挽きした北海道産小麦粉「春よ恋」の特注麺。   2010.02.01 黴のふき方がいい上質の本枯節。



喜劇らーめん食べ歩きTOP