麺屋 げんぞう 東京・湯島



いつにも増して青空がスカイブルーに染まって、北寄りの微風に常緑樹の木葉が軽く揺れていた十月神無月半ばの金曜日。今日も仕事が終わって外に出れば、夜風が秋を深めて夏の残像を感じることも無くなって来た午後七時過ぎだった。

そんな今夜は直前まで定まらない幾つかの候補店の中から、結局こちらへまた行って見るかとなって仕事帰りその店頭へやって来た。

四川担々麺と羅臼塩らーめんがウリのこちらと言うことで、入口左手の腰の位置辺りにその案内がなされていた。

どちらにするかなと思い描きながら入店。すると左側に小型の券売機があり、夜限定で味噌らーめんを提供しているこちらで、この時間だけに押せるようになっていた。

初訪問した時は塩らーめんにしたが担々麺と言う気分でもなかっただけに、これだとなってそのボタンを選んでトッピングで味玉のボタンを連打した。

先客ゼロの5〜6席のL字型カウンター席が並ぶ、小じんまりとした変わらない狭い店内だった。店主が狭い厨房に一人居て、その前の席に腰掛けると、こちらがオープンして丸五年を迎えたらしくそのことが記されたものがあった。

そう言えばそこにもと後ろへ振り返ると、「おかげさまで五周年」と縦書きで大きく書かれた模造紙が出入口の横に張り付けられていた。

2009年10月8日に開業したこちらだそうで、末広がりの八と言うことで意図的にオープン日を八日にしたことを教えてくれた。世間話しをするには、ちょうど良い距離が作れる店内だった。

程なく到着。それではと行かせて貰えば、ラードがほとんど入らないあっさりとさせた持ち味が素敵でたまらないもの。スープは鶏ベースだそうで、味噌は北海道の味噌を使用したものらしい。やや細めの中太麺の風合いも実になかなかと言えた。

担々麺で使うような挽き肉の風情も良く、それだけに気がつけば完食だった。いや、しみじみとした味わいがかなりとんでもなく絶大に素晴らしく良かった。

(左フォト) 夜の店頭/夜限定げんぞう風味噌らーめん+味玉 (2014.10.17)


 湯島塩らーめん 麺屋げんぞう

 住所:東京都文京区湯島3-35-3  TEL 非公開  定休日:日曜日・祝日

 営業時間:月〜木曜日 11:45〜14:00/17:00〜24:00(23:30LO)

       ※金曜・祝前日 〜翌1:00 ※土曜日は夜の部のみ

 アクセス:東京メトロ千代田線湯島駅下車。4番出口を出たら左手へ進み、程ない左路地
       を入って若干だけ歩いた左側にあり。秋葉原周辺拉麺MAPはこちら



店頭に用意された提供二大メニューの案内。

久しぶり訪れると、ちょうど五周年を迎えたばかりだった。

JR御徒町駅北口から歩いてもそう遠くない。






幾分だけ気温が下がったもののコートの襟を立てる程でもなかった、若干だけ寒いそんな一月下旬の金曜日であった。

本日は船橋市内に所用があり、それも午前中だけだったので、それが終わってからずっと気になっていた、こちらへ本日は出掛ける事にした。

少し前の土曜日に行こうとしたら土曜日だけ夜営業の変則的な営業だったらしく、それに気づかず出掛けてしまい行けず終いだった。

昨年10月にオープンの中国湖南料理店で修行して来た店主が、独立して開業させたそんならーめん店のこちらのようだ。

そんなわけで、JR御徒町駅から歩いて店頭へ到着。東京メトロ千代田線湯島駅4番出口から20歩強の裏路地にあるお店で、一見すると小料理屋のような佇まいで、風情のある店頭であった。

しっくいのような壁が、何処か雰囲気を高めていた。扉を開いて店内へ入るとカウンター席が六席だけしかない、小じんまりとしたフロアが広がっていたラーメン店であった。

既に四人のグループ客がおられた。左手に小型の券売機があったのでそこの前に立つ。

塩葱チャーシュー麺をまず選び、ご飯のボタンが押せないようになっていたのでその替わりと大盛にして、更に味付たまごのボタンも連打した。

振り向くと店主に一番右奥の席へ促され、そこへ指示に従うまま腰掛け、らーめんの到着を待つ私であった。

しばらくして隣りの先客のらーめんが到着すると、同時にご飯も来て無料サービスのライスがある事に気が付いた。

それで店主に自分もライスとお願いすると、よくあるパターンなのか注意を払っておられたようで、直ぐに承諾の返事をしてくれた。ふと見ると小型券売機の上にその旨のインフォがあり、そうだったのかと思った次第だった。

修行先料理の湖南料理と言うと、四川料理とほぼ互角の辛さが愉しめるもので、そう言った意味で四川担々麺が、メニューに並んでいたのも至極自然に思えた。

白胡麻の粒から丹念に仕上げて、中国山椒も利用した、本格的な事が伺える旨のインフォメーションがあった。

また夜の部だけの限定で味噌らーめんも提供しているようで、それには脂増量の対応をしており、こってり気味にもなるらしい。

座った席は先述のように一番右端で、厨房から出入りする為のスペースにもなっている箇所であり、木製のガルウィング式のテーブルで食す位置となっていた。程なく到着。

おお、鶏ベースの贅沢な香りが、それはふんわりと湯気に乗って来て、囁いて来るように美味しそうなラーメンで、ビジュアルもまたバランスよく際立っていた。

短冊切り状のチャーシューの上に、白髪ネギとスプラウトらしき野菜が置かれていた。

それではと行かせて貰えばそれはもう、いやいやいやいや、美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い。

知床羅臼産の塩をメインに、貝柱や干し海老など数十種類の食材を用いて完成させた塩ダレが利用されているそうで、インフォの言葉を借りれば正しく気品あふれる渾身の一杯。

中細平打ち麺もいい感じで、胡椒が気持ち利いた実に鶏の使い方が上手なスープに、顔を上げる事もしばし忘れて、ラーメンを愉しんでいた私であった。

自家製チャーシューにはコラーゲンがたっぷりだそうで、他店とは違った部位の肉らしく面白い食感であった。味付たまごもトロトロの黄身になっていて良かった。

ライスは最後まで手を付けずにいて、麺が全部無くなって若干だけ具材が残った塩スープに全てを入れて口にしたがこれまた美味しかった。

もう気が付けば完食だ。遥か北海道・羅臼の潮騒が、耳を澄ませば響いて来そうな、そんな美味し塩らーめんであった。

そして、何処からともなく歌声が聞こえて来る。 知床の岬に はまなすの咲く頃♪

(左フォト) 塩葱チャーシュー麺大盛/割った味付たまご/店頭外観 (2010.01.22)