風来居 東京・神田須田町






青くもあり白くもあり蒼くもあった初夏の大空から、時折り陽射しが注いで煌めいてはその空に隠れていた六月水無月上旬の水曜日。

今日も仕事が終わって外に出れば、暮れなずむ夜空に湿気を感じる夜風が街を駆けていて、関東地方の梅雨入りも近くなっていたそんな時季の午後七時過ぎだった。

昨日はマーチエキュート神田万世橋の周辺で営業する小川町某店を訪れたものだが、その後でよく調べて見ると直ぐ近くにこちらが在ることに気がついた。

風来居と言えば山頭火系の人気ラーメン店で、以前に渋谷店を訪れたものだが、その時に営業していた大宮店は閉店してしまったようだ。実は吉祥寺勤務が続いていれば、本店の新宿店にも行こうと考えていた。

そう言えば新宿で営業していたその系統の小江戸がいつの間にか閉店しており、もしやと言うのもあって今夜はこちらを仕事帰りに訪ねることにした。そんなわけでまた万世橋を渡って、そこからそう遠くないこちらの店頭へやって来た。

今年の3月17日にオープンしたばかりらしい。気がつかないわけだ。以前は優々亭が営業していたビルだったが、ビル自体が建て替えられたらしく刷新されて真新しいビルとなっていた。

店頭に立って思い出したが山頭火系と言えば、ここからそう遠くない新幹線のガード下で随分前に営業していた山形家の近くで、そう考えると実に感慨深いオープンと言えた。ともあれ店頭右手の券売機で、しお味付玉子のチケットを購入して、白い風来居と刻まれた暖簾を潜って入店。

たまたまだろう先客のいないフロアで、オープンしてまもないことを伺わせる真新しい白木のカウンターテーブルが奥まで延びていた。その中ほどのカウンター席に腰掛けながら、お店の方に券売機のチケットを手渡した。

小江戸の店名を切り出すと、関連があることを知っていることについて喜んでくれたが、そちらの方が店名をすげかえてこちらをオープンさせたわけではないそう。直ぐ傍には、閉店して行ったそちらと同じ小林製麺の風情のある木製の麺箱が数段積まれて置かれてあった。

風来居の名物とも言える、ご飯の上に刻みトントロチャーシューが置かれカツブシが掛かりそこに生玉子が割り入れられる玉子かけご飯が、やはりこちらでもメニューの中に用意されていた。程なく到着。

それではと行かせて貰えば、山頭火のようで何とも違う、こちららしいその味わいがたまらないもの。言うなれば山頭火インスパイア系と言いたくなるもので、豚骨鶏ガラの量は意識して向こうより多くしているそうだ。

いぶし銀のような中細縮れ麺がなかなかで、多めに入るトントロチャーシューがまた実に美味しく、味付玉子もまた素敵で、気がつけば完食。こうなると山頭火にもまた訪れて見たくなるもので、しばらく前に行った千葉そごう店のラーメンが思い出された。

こうしたインスパイア系があってこそ、本家のブランドが評判を呼ぶもので、青葉しかり斑鳩しかりラーメン二郎しかりなのだと思う。

ちなみに種田山頭火は温泉好きな俳人だったらしく、晩年に山口の湯田温泉周辺に一年ほど住んだ家が風来居だったと言う。

お話しをお聞きした店長さんらしき方にご挨拶して帰ろうとすると、「行ってらっしゃい」と言う言葉が返って来た。それがこちら流儀の挨拶らしかった。

外に出て右手へ進み、まもない十字路を右折して秋葉原駅へ向かうと、以前交通博物館があった場所に大きいビジネスビルが出来ていた。

そのエントランス周辺に交通博物館のフォトが紹介されていたのを見て、思わず時代の加速度の速まりを実感した。いや、かなり果てなくとんでもなく、絶え間無く絶大に何処までもかなり素晴らしかった。

(左フォト) 店頭外観/しお味付玉子/マーチエキュートと万世橋 (2014.06.04)


 らーめん 風来居 神田秋葉原店

 住所:東京都千代田区神田須田町1-5-12 翔和須田町ビル1階  TEL 非公開

 定休日:日曜日  営業時間:11:00〜23:00

 アクセス:東京メトロ丸の内線淡路町駅下車。靖国通りを千葉方面に向かい須田町交差点手前の
       左路地を左折して程ない右側にあり。



塩味だけでなく、醤油味に味噌味もあるこちらだ。

白木のカウンターテーブルが素敵な店内だった。

交通博物館の跡地にインテリジェントビルが出来ていた。