中華そば みたか 東京・三鷹





春らしいもやついた空が広がり、季節を際立たせるように淡い陽射しが注いでいた、そんな朝方の4月下旬の金曜日。

昨日からまた仕事となって今日も仕事が終わって外に出れば、ゆるやかなに穏やかな今夜だった。

立川駅の改札を入る頃ふとこちらと言う気分になって、まだ行ける時間だったので会社帰りそこはまた気ままに訪れる事にした。

実は昨日の朝方通勤電車に乗っていると、三鷹辺りで選挙カーから連呼するような声が聞こえていた事があった。

そんな記憶が過ったのでそう驚かなかったが、三鷹で下車して外に出るとまもなく三鷹市の市議会と市長の同時選挙があるらしく、候補者の張り裂けんばかりのアピールする声があちらこちらから聞こえて来た駅前界隈だった。

そんな候補者の姿を横目にエスカレーターを下って、こちらのテナントビルの階段を降りて店頭にまたやって来た。

金曜日の夜もあってか大変盛況な店内。店内に入って少ない空き席に腰を降ろして、おもむろにメニューを見てチャシューメンを大盛でお願いした。

既にほろ酔い加減の方も居れば、ビール片手にチャーシューをつまみにして、これからほろ酔い加減になろうとする方も居た。ともあれ活況を呈する「みたか」の店内だった。

目の前で丁寧に麺が茹でられて、スープが注がれたドンブリにその麺が投入され、更にまた丁寧にチャーシュー1枚1枚が乗せられて行った。程なく到着。

それではと行かせて貰えばこれがさりげなく常連さんも褒めていたが、そうした丁寧さがラーメンの味わい深さにも表れていてかなり美味しいもの。

それは江ぐちらしくないと思う方もいるかも知れない。しかしそれが店主の誠意となって表れている結果なのであれば誰もそれを口にする事は無いだろう。

しみじみとしてさっぱりした醤油スープに、よく解された麺の程よいコシがまるで英知となって、全てが融和された何かを象徴するように実にとんでもなく良かった。

薄いバラ肉を正方形にしたようなこちら独特のチャーシューも、それは円熟味さとなって伝わって来るような風情さえ在った。大盛なるも気がつけば完食だった。

精算して帰る頃には階段の踊り場の店名電光表示板の中華そばの文字を隠すように掛かっていた営業中の木札が取り払われていて、今日の営業がまもなく終了する事がさりげなく判るようになっていた。いや、かなりすごく良かった。

(左フォト) チャシューメン大盛/階段踊り場の電照看板 (2011.04.22)







深夜の降雪に朝方の銀世界を懸念するも大丈夫だったが、時折り降り頻っていた雪に震え上がる寒さの通勤時となった2月中旬近い水曜日。

そんな今日も仕事が終わって外に出れば、昼前には天候も回復したようで、外に出れば穏やかな午後8時過ぎだった。

最近三鷹に気になるラーメン店が出来て、実は一昨日の月曜日の夜にその店頭に立てば、調べた定休曜日が変わっていてフラれた事があった。

やむなしとしてその後でこちらにも立ち寄って見れば丁度通常の定休日で、その日は三鷹でのラーメンを諦めた日となった。

午後8時半に店じまいするこちらだけに立川で仕事を終えて行くと、実に微妙な時間となってしまうだけに、立川通勤で気軽に行けると当初は思っていたが結局は休日を利用して訪れる予定にしていたものだった。

そんなわけでダメなら当初のラーメン店と考えて三鷹に到着すれば、神がかり的にこちらの閉店時間にギリギリセーフとなって入店を果たせた今夜であった。そんなわけでメニューを見上げてから、五目チャーシューメン大盛をお願いした私だった。

江ぐちを創業させた店主は、三鷹で昭和27年に始める少し前に青山で食堂を営業していたそうで、そのときにラーメンの作り方を、何処かで修行する事無く誰かから習って習得したのだそう。程なく到着。

多めのチャーシューの上にナルト巻き数枚に茹で卵とモヤシやピーマンの千切り、さらに中華ハムっぽいものが乗っており、一見するとどこか大ざっぱに見えるが、そのビジュアルが何とも江ぐち流らしくて、見れば見るほどなんとも心なごむ間合いと言うか、そこに一種の哲学さえも感じさせてくれるもの。

ラーメンには美しい盛り付けよりも大事なものがあるのさと言う、江ぐち創業店主の言葉が天から聞こえて来そうだった。

ともあれ、それではと行かせて貰えば、涙が出るほど嬉しい美味しさと言う観念がもしあるのであれば、あらゆる意味で今この瞬間だと実感出来る程にまさしく神がかり的な旨さと言えた。

自家製麺に利用している小麦粉は国産のとんでもない高額なのだそうで、それを自然に自慢している江ぐちの現店主と形容したい、みたか店主の心意気が好きになれた。

最近少なくなった白胡椒が置いてあって利用すると一番淡いタイプに近いもので、あっさりした醤油ラーメンに実にいい相性。

その事を店主に投げると最近はこってりなラーメンが主流な事もあって、ピリッと来る黒胡椒ばかりがラーメン店で幅を利かせているそうで、そう言われて見ればそうかも知れない。気がつけば完食だった。いや、とんでもなく美味しい、そんな中華そばだった。

(左フォト) 五目チャーシューメン大盛/拡大画像 (2011.02.09)







夏に向かって走る独走ランナーのように、軽快に走る中央線快速電車に薄曇りの大空が映るものの淡い陽射しが射し込んでいた、今日も春が加速していた五月上旬ゴールデンウィークも佳境の火曜日であった。

実は先日現在使っているザウルスがキーの接触不良で遂に不調となり、もう五年経過している事もあり、本日は秋葉原へ赴いて中古のザウルス最終モデルを購入した日であった。

そうした後で昨日こちらがオープンした事を知って、そちらへ向かった日でもあった。

今年の一月末日に惜しくも閉店して行った三鷹の名店だった「江ぐち」の場所で、そこの従業員だったお若いお兄さんが再開させた「江ぐち」の味を守るラーメン店だそう。

そんな三鷹駅から程近い場所の雑居ビルの地下を降りて行くと、さっそく江ぐちの味を求めて早々とやって来た周辺の方々で盛況な店頭であった。

オープン早々既に人気店のこちらで、8人程が並ぶ行列が出来ており、その後ろに着くと階段を降り切れない場所であった。三日前の今月1日からスタートしたらしい。

しばらくした後に入店。入り口近くの左から三番目の空いた席に促されて腰掛け、メニューから江ぐちの時に食したチャーシューワンタンメン大盛をお願いした。

様々な方と様々な交渉をした後3月20日に契約が滞りなく済んだそうで、空き家のここへ久々に入るとズンドウ等の厨房器具関係は殆ど無かったそう。

そうした物の準備から始めたそうで、閉店してから丸三カ月してオープンとなったそう。

無造作ながら麺の上に味のある具の散らせ方をしていたベテランの方はおられず、そう広くはない厨房にはガタイの大きい方が三人居てなんとも狭く映った厨房内だった。見ていると具は、丁寧に並べていた。程なく到着。

おお、なんとも風情のいい中華そばである。それではと行かせて貰えば、麺が変わりない事もあってかなりそこはほぼ江ぐちであった。

厳密に言えばそこはズンドウが変わった事もあってやや違うが、また一度しか食していない私が言うのもおかしいが、どこよりもそれは江ぐちな中華そばと言えるものであった。

隣りに座られた後続客の方が味カラメとオーダーしていたが、それで一歩また近づきそうな面持ちのそんなラーメンであった。

チャーシューもワンタンもメンマもそうした具材も麺と同じで、何はともあれ江ぐちの味が帰って来て常連さんには嬉しいこちらだった。

その独特にして王道感のある味に、やはり打ちひしがれてこちらでも気がつけば完食だった。

新しい店名の「みたか」一つをとっても、きっと簡単には決まらずに、それは様々な紆余曲折があったのだろうと思う。

しかし三鷹を代表するラーメン店の味を守るお店だけに、それはとても至極自然に感じる事が出来るものがあった店名だと思った。

店名が使えずそんな風に変わってその名が消えようとも、江ぐちの中華そばは口にする者の心の中で、そのように変換されて生き続けて行く事だろう。


(左フォト) チャーシューワンタンメン大盛/店頭外観/テナントビル入口周辺 (2010.05.04)


 中華そば みたか

 住所:東京都三鷹市下連雀3-27-9ニューエミネンスビルB1階  TEL0422-71-6787

 定休日:月曜日・第1&3日曜日   営業時間:11:00〜14:00/17:00〜20:30

 アクセス:JR中央線三鷹駅南口下車。駅前から垂直に延伸するレンガ通りを100m程進んだ三鷹
       駅前交差点の左手前ビルの地下一階にあり。



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