中華料理 中園亭 東京・有楽町



思わず朝方は久しぶりにストーブを点けてしまった、そんな寒さを感じた九月長月下旬週明け月曜日の午前中だった。470mとなったらしい、高くそびえる東京スカイツリーを何気なく見上げれば、低い雨雲に工事先端部が隠れていた通勤電車の車窓だった。

今日も仕事が終わって外に出れば、スカイツリーの工事先端部が見えなかった事が語っていたのか、静かに雨がしたたる午後9時過ぎの有楽町だった。んな今夜はJR有楽町駅銀座口の目の前にある、こちらへあらかじめ訪れる事にしていた日だった。

その店頭に到着すれば、やはり一度か二度は入った覚えがある大衆中華店だった。久々に見た外観は、以前にも増していい味を出していた。ふと見れば入口横にあるサンプルケースらしき場所には、昭和30年頃の有楽町と題された白黒写真が飾られていた。

早速その中へ入って行くと1階の席は全て塞がっていて、中に居たお姉さんが指を上へ上げるようにして二階へ上がるよう促された。そのまま階段を上がって行けば、確か前回は平成になってまもない頃だったか、ほぼ変わらない風景に嬉しくなるくらいの店内だった。

比較的奥まったテーブル席に、案内されてそこに腰掛けた。特にオーダーを決めずに来たが、メニューを手に取るとまるで何かを振り返るようにして、柳麺とあったラーメンにギョウーザとあった6個入り餃子をお願いした。

程なくしてそのギョウーザがやって来た。やけに速いなと思いながらも、小皿に醤油お酢ラー油の順番に垂らして口にして行けば、これが昭和の風情が立ち込める美味しさ。昨今の大阪系ひと口餃子と違って、厚い皮に肉餡がみっしりと入っていて、これが東京餃子と言わんばかりのサイズと旨さと言えた。

そんな餃子を頬張っているとラーメンも到着した。やや醤油の色が薄いスープには中太ちぢれの麺が泳いでいた。斜めに薄切りされたナルト巻きに棒メンマに風情のいいチャーシューが何とも無造作らしくもあり、計算されているようにも取れる絶妙なバランスを感じたラーメンであった。

これぞ昔ながらと言いたい、むしろこれが昔ながらでは無かったかと問いたい、いい意味で味がありながらも食べれば理解して貰えるその忘れ得ぬ昭和の味と語りたい。

面白いのは以前入店してから、20年近くも経って周囲は全然違う入店客である筈なのに、あの時と何ら変わっていない顔つきの方々がビール片手に語らって楽しそうにしていた事だった。

時代が変わって人が変わっても森羅万象が変わらないように、中園亭に入って行く人たちの顔つきは今日も変わらないのかも知れない。気がつけば完食。これぞ、ラーメン。いや、けっこう良かった。

(左フォト) 柳麺/ギョウーザ (2010.09.27)


 中華料理 中園亭 (チュウエンテイ)

 住所:東京都千代田区有楽町2-8-4  TEL03-3201-2032  定休日:無休

 営業時間:11:30〜4:00※土日祝〜23:30  アクセス:JR山手線ほか有楽町駅銀座口前にあり。



  2010.09.27 JR有楽町駅銀座口前の大衆中華店。   2010.09.27 写真中央に、こちらの看板あり。



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