麺屋 千代松 東京・渋谷 ※閉店

夏の彩りが一つだけ弾け出したように、気温が上昇気味だった6月上旬の土曜日で、今日も仕事が終わって外に出れば午後8時過ぎの渋谷の街角だった。

数日前に渋谷駅原宿寄りガード下の蕎麦屋へ訪問したが、少し以前はまさかラーメンをやっているとは気がつかなかったものの、そう言えばこの辺りに確かラーメン店が以前あった筈と思い出した。そこを出た後周囲を確認すると、やけに新しい身に覚えのないこちらがあった。そんな風にしてその存在を知る所となって、ラーメン専門店だけに早速入店して見る事にした次第であった。



もしこの世の中にタイムスリップする入り口があるとすれば、それは間違いなくどこかミステリアスな匂いがするガード下にあるのだろうと思う。

しかしきっとそう簡単に見つかったら大問題になるだろうし、だから誰にも見つからない場所にひっそりとある事だろう。

などと馬鹿な事を考えつつ、店頭にやって来た。店内へ入って行くと直ぐ右手に券売機があり、店頭のメニューインフォメーションを見て決めた冷やし野菜麺を選んだ。

比較的盛況な店内で空いていた一席を選んで腰掛ければ、氷が入ったコップがカウンタトップに置かれチケットを手渡した。蘊蓄らしき案内も壁にある。

ふと先客の向こうにある壁にも、何やら文章が綴られていた。店名の由来の文字に気を引かれて読んで見れば、店名の千代松とは水戸黄門の幼名であり、黄門様こそ初めてラーメンを食した日本人である事が紹介されたいた。

まさしくその通りで、水戸藩初代藩主頼房の子、家康の孫にあたる徳川光圀その人で、長丸と名付けられた後に千代松と改められ、そして元服した折りに三代将軍家光から一字を貰って光圀と名乗るようになった。字(あざ)は、徳亮、観之、子竜と改められて行った。

当時の儒学者である朱舜水(しゅしゅんすい)と寛文五年(1667年)の七月に出会って、その後光圀が自らうどんを打って氏にふるまい、そのお礼に朱舜水がラーメンをごちそうした事が記述に残っているものの、具体的に何時なのかは不明だが、出会って間もない事が推測出来る。程なく到着。

やって来た冷やし野菜麺は、ちょうど一年前頃に北海道でラーメンサラダが流行っている事を知って自宅で作ったが、その自作品には似てないもののネットで紹介されている画像にほぼ近いビジュアルで、味わいは冷やし中華風な感じで美味しいものであった。

夫々の野菜が食べ易いサイズにカットされており、イカやエビはプリプリしていた。とてもさっぱりしたもので、この時季にもぴったりと言えて気が付けば完食だった。

厨房におられた店長さんらしき方にお聞きすると、五年前にオープンしたこちらだそうで、その前はチャンポンを提供していたお店だったそう。おそらくその店舗が、記憶にあったのだと思う。

良い場所だけに良い雰囲気を提供している、そんな感じのお店であった。いや、良かった。

(左フォト) 冷やし野菜麺/店頭外観 (2010.06.05)


 麺屋 千代松 (ちよまつ)

 住所:東京都渋谷区渋谷2-24-26渋谷駅渋谷高架下  TEL03-3407-9359

 定休日:年中無休  営業時間:11:00〜翌3:00

 アクセス:JR渋谷駅宮益坂口下車。原宿寄りJR高架下を潜る大通りの駅側歩道沿いにあり。



喜劇らーめん食べ歩きTOP