昭来軒 千葉・東中山 ※閉店





儚い心模様のように桜の花びらがハラハラと落ちる時季になって来て、薄曇りから時折り晴れ間も見せていたそんな春が香る三月弥生下旬の休日金曜日だった。

午前中また船橋市内の所用があった日で、早めに終われば都内にでも出るかと考えていたが思うようにならず、そこを出て腕時計に目をやれば午後一時をとうに過ぎていた時間でお腹も空いていた。

さてどうするかと思案の末帰りがけの電車の車窓から見えるこちらを思い出して、また久しぶりに行ってみるかと8年ぶりその暖簾をくぐることにした。

そんなわけで海神から京成の各駅停車に乗車。西船を出てまもなく東中山に到着するころ右手にこちらの赤い暖簾をとその手前に立つ赤いノボリが見えて今日も営業していることを確認した。

かくて東中山で途中下車して、その店頭へ向かう。ビートルズのアパートは、相変わらずそこにあった。昨年は某千葉人気ブログサイト様も来られたようだ。

店先には出前御用達のスーパーカブが無造作に停めてあり、現在でも出前に対応されているようだった。以前訪れた時は風情のいい袖看板が在ったものだが、台風か何かでもげてしまったようだ。

さっそく入店すると、常連さんらしき先客がお一人居て、その奥に店主がおられた。8年ぶりに来たことを告げると、判って頂けたようで良かった。

メニューを見ながら念のため半チャーハンがないかお聞きすると無いそうで、それを受けてそれならばとチャーシューメンにしないでラーメンとチャーハンをそれぞれお願いすることにした。

最近以前にも増してラーメンを撮影して行く方が増えたそうだ。それもあってネットチェックは、息子さんがしてくれているらしい。

以前訪れたときに定休日や営業時間を聞き逃してしまい、今回をそれを必ず確認しようと思っていた。しかし何気なく振り返ったテレビの下にそれが記された案内ボードを見つけてお聞きするまでもなかった。

その木片の後ろには、周辺に中山競馬場があることを思い起こさせる競馬のポスターが貼られていた。JR船橋法典駅が出来て利用者は激減したが、現在でも開催日には最寄り駅の東中山駅からも臨時バスが出ている。

開業年の話しとなって昭和44年だと教えてくれたが、ちょうど奇遇にも開業して昭和の年号と同じ44年目となるこちらだそう。なるほど手帳の年齢早見表を見ると確かにその通りだった。

かなり前の美山亭のレポートでも触れたように、こちらは以前美山亭であった。その美山亭で10年近く修行して、その後本八幡のラーメン店で2年修行してからこちらを始めたことを教えてくれた。

何気なく壁面にぶら下がるメニューを撮影しようと腰を浮かすと、厨房に様々な食材が見え隠れする出汁スープの入るズンドウが見えた。思わず許可を頂いてカメラに収めさせて貰った。程なく到着。

それではと行かせて貰えば、なんと言う美味さなことか、これがもう実にとんでもなく素晴らしい味わい。香味野菜から来る甘味やうま味が実に素敵なものと言えた。

鶏ガラに豚の背ガラと野菜を充分に炊き込んだものだそうで、豚の背ガラが鶏を主役にさせた名脇役となってそれはもう、うっとりとする美味しさとはこのこと。中太麺の風情もこのスープに対する思い入れの文章からもその良さが理解して貰えるだろう。

チャーハンも老練な店主が作るものだけに、これが絶妙にして華麗な手さばきから来る米粒の油膜の付き方がかなりの技術を感じるもの。これぞ王道のチャーハンと言えるものだ。

「あともう2〜3年ほど続けたら、店をたたんじまうかな」とさりげなくつぶやいた店主の言葉じりは、どこか男の寂しさを感じるものがあった。

気がつけば完食。いや、これは実にとんでもなくかなり美味しい、そんなラーメンとチャーハンだった。

(左フォト) ラーメン/チャーハン/メニューボード (2013.03.29)


 中華料理・お食事処 昭来軒 (ショウライケン)

 住所:千葉県船橋市東中山2-1-2  TEL047-335-3571

 定休日:木曜日  営業時間:11:00〜20:00

 アクセス:京成本線東中山駅下車。改札口を左手に出て階段を降りて行く。線路沿いに船橋方面
       へ歩いて行くとその先の左手にあり。



周辺に建つビートルズのメンバーが描かれたアパート。

昭和44年創業の京成線東中山駅前中華料理店。

鶏ガラと豚の背ガラに香味野菜が決め手のスープ。

最寄り駅の京成電鉄東中山駅から数分歩けば着く。

京成バスの乗り場は、自転車駐車場と化していた。

京成電鉄東中山駅は、快速電車も停まる駅だ。

路線バスの冷気口から、冷んやりとした風が、勢いよく出る正午前。また風情のある、こちらのラーメンが食べたくなり、京成電車に乗り換えて東中山駅で降りる。

土曜日とあって、競馬開催日の様で、臨時バスがロータリーに停まっていて、臨時券売機売場のシャッターも上がっていた。混雑の後か前か、人もちらほら。バスの上を見上げると、ビートルズが語り掛けて来る。 ヘイ、ジュード♪ 

挨拶して入店すると、未だ日も経ってないのもあって、覚えていてくれた。メニューから、チャーシューワンタンメン700円を大盛100円増しでお願いする。

サイト訪問者の方のお話しをすると、そんな事もあったわねぇ、って感じだった。元気でやっているらしい。程なく到着。

ラーメンには色々あって、こちらはその中でも、かなりあっさりしたシフトで、若い方には地味さもあってお奨めしにくい所があるが、私にとっては不思議と懐かしさが一番甦って来るラーメン。

土地柄と言う所があるのかも知れない。ワンタンは至って普通だったが、スープとチャーシューは大変に良かった。自分の中の、昭和と言う時代。

TVでは、今年一番の暑さを呼び掛けていた。ビートルズアパートを、帰りも横切る。歌声が聞こえて来そうだ。誰も、僕を変えられない♪と。

(2005.06.25)



2005.06 チャーシューメン



2005.06 京成電車から見える中華料理店。



2005.06 チャーシューワンタンメン大盛


京成電車で東中山駅を通過する時、土手の上に一軒の大衆中華料理店が見える。確か以前は違う店名で、営業をしていた。

ちなみにそのすぐ近くに、ビートルズのジャケットが描かれたアパートもあったりする東中山駅界隈。JR武蔵野線が出来て以来、競馬場へ行くアクセスが船橋法典駅へ変わった感もある。

幼い頃骨折をして、船橋中央病院に二年近く入院していた事があり、ふとその病院近くを、梅雨の割りに天気が良かったので、散歩をする事にしてみた。

海神駅で下車して、懐かしい景色の中に、新しい建物が点在していた。その帰り道に、ふとそのお店が電車の中から目に止まり、行って見るか、となった。

中山競馬場が近くにある駅で、開催日は比較的賑やかな駅だが、普段は閑散としている東中山駅で、臨時バスのロータリーの奥の道にこちらのお店があり、店頭に到着する。

緩やかな風が、赤い暖簾を揺らしていた。奥さんがおられ、チャーシューメン650円と言う金額が目に止まり、それをお願いする。中山競馬場の客は、船橋法典駅へ持って行かれたのもあるが、それ以前に競馬ファンが減少の一途を辿っているのが大きいそうで、そんな世間話しに終始した。程なく到着。

ここでは無いが、そう遠くない所で食べた、子供の頃塾の帰り道のラーメンを思い出す様な感じで、油少なめのあっさりした、何処も尖らない、味に一体感があるラーメンで、麺もまずまずの、なかなか趣のある良いラーメンであった。

チャーシューも食感共に良かった。青菜も入って、これで650円は驚きの旨さ。

以前はやはり違う店名だったそうで、ミヤマテイ?と言うチェーン系だったらしい。そことの契約をやめて、店主のお名前を一文字つけて、昭来軒と言う店名にした事も教えて頂いた。

それを機に、殆どを手作りにしたそうで、タレもチャーシューも自家製らしい。内外装はくたびれた一杯呑み屋の風情の定食も色々ある大衆中華店だが、まじめな美味しいラーメンであった。いや、旨かった。

(2005.06.17)