甲州屋 埼玉・浦和西口





赤い椿の花が朝日に輝いて冷え込みがまた強まっていた、二月・如月下旬の月曜日。今日も仕事が終わって外に出れば、今夜もやたら寒いそんな午後七時過ぎだった。

実は先日訪れた浦和駅周辺某店に入る直前、その前方にこちらが営業している姿が目に入った。その店に入店する前に近寄って、店先にあったサンプルショーケースを思わず覗いて見た。

すると何やらこちらが紹介されている新聞の切り抜きが貼られていて、軽く読めばこちらが50年以上の歴史がある老舗中華店であることが判った。

そう言えばそれまでの行きたい順にその後出掛けていて、そんなこちらへまだ訪れてなかったとなってそれならばと仕事帰りその店頭へやって来た。

あらためて見ると直ぐ隣りにはやたら風情のいい木造家屋の店舗が営業していて、こちらはどちらかと言えば現代的な建物の店舗で、比較されてしまいそうな位置関係の場所に佇むこちらだった。

その古い佇まいは、どうやら昭和12年創業の中村家というウナギ店のようだった。

余談だが浦和はうなぎの蒲焼発祥の地らしく、JR浦和駅西口ロータリー前には浦和うなこちゃんなるやなせたかし氏の手によるキャラクターの石像が2008年5月から披露されている。

ともあれ入店すると、数人の先客の店内が広がっていた。老練そうな店主が目の前におられて、見ていると厨房には立たず接客係に徹しているようだった。

ハーフコートを脱いでカウンター席の空いている席に腰掛け、メニューリストからワンタンメンと半チャーハンをその店主にお願いした。

かなり歴史のある中華店と知って来たことを告げると、山梨県大月市の鳥沢出身の先代が昭和22年頃に創業させた店であることを教えてくれた。

なるほど鳥沢はその昔店名となる甲州だった場所で、なおそれは甲斐の国の別称であり、ちなみに2005年に塩山市が周辺の町と合併して甲州市なる市が生まれている。

山梨は20代の頃よくゼロハンツーリングで国道20号を通って清里や信州へ出掛けただけに、すぐ「笹子トンネルの手前ですね」と返せて、その通りだと店主がそれに対して返してくれた。

そもそも大抵の国内の地名は頭の中に入っていることもあって、こうして店主と世間話しをしているとそのお陰で話しが弾むことも少なくない。

話していた60過ぎという感じの店主は2代目だそうでで、いま厨房で腕を奮っているのは3代目だと自慢するようにさらに話してくれた。程なく到着。

そのワンタンメンは、まるで隣家の木造家屋のような風情を有していた。その昔から連綿と語り継がれて来た地域の伝説を紐を解くかのように。

それではと行かせて貰えば、豚骨・鶏ガラの醤油スープに、定かでないがカメリアラードだろうか、さり気なく浮くラードの持ち味が実に嬉しくなるほど良い風合いだった。

チャーシューがまた切なくなるほど素敵で、メンマやナルト等どれもが何とも良かった。半チャーハンがこれまた途轍もなく素晴らしい美味しさ。気がつけば完食。

いや、かなりとっても素敵で風情も豊かで、味のある美味しさのワンタンメンと半チャーハンだった。


(左フォト) ワンタンメン/半チャーハン/店舗外観 (2013.02.25)


 ラーメン・餃子 甲州屋 (コウシュウヤ)

 住所:埼玉県さいたま市浦和区高砂3-2-11  TEL048-822-3740  定休日:日曜・祝日

 営業時間:平日11:00〜15:00/17:00〜21:00◆土曜11:00〜15:00/17:00〜20:00

 アクセス:JR京浜東北線浦和駅西口下車。駅前浦和コルソ左手の県庁通りを進んで、浦和駅西口
       交差点をさらに150mほど直進した左手にあり。



県庁へ向かって進んで行くと左手の歩道で営業している。

サンプルショーケースに並ぶ自慢の提供メニュー。

昭和22年創業の浦和駅周辺の老舗中華店。