ラー麺専門店 こしがや 埼玉・越谷





陽射しがわずかに夏の色を残しながら、青空から爽やかに注いでいた九月長月後半の水曜日。今日も仕事が終わって外に出れば、月がやけに明るい穏やかな午後七時過ぎだった。

社内ラーメン通のK氏から以前勤務先におられたラーメンフリークの方が最も推していた店がこちらだそうで、まだK氏も訪れていなかったので先日この際だからと行って来られたそうでかなり良かったらしい。

時にラーメンの神様と言えば山岸一雄氏だが、ラーメンの鬼と言えばお若い頃に不二家レストランで店長まで勤めてそんな洋食業界におられた佐野実氏。

1986年に支那そばやを開業。TV番組のガチンコで自称ラーメンの鬼としてメディアに露出して以降有名になられた。そんな佐野実氏の元で修行した後、独立して1999年にこちらを開業させた店主だそう。

浦和勤務だけにルートを変えれば、仕事帰りに立ち寄れると気がついて今回訪れることにした。そんなわけでJR武蔵野線南越谷駅で東武スカイツリーラインに乗り換え越谷にやって来た。

暗い夜道を5〜6分ほど歩けば、住宅街の一画らしき場所に、風情良く佇むこちらの店舗を見つけた。電照袖看板には地鶏らーめんの比較的大きな文字が表わされていた。

かなりの人気店だけに行列覚悟で来たが、たまたま運が良かったのかそんな行列はなく、さっそく入店するとそこはやはりの盛況な比較的広い店内が広がっていた。

何故だか洋風スープの香りに近い、そう、フランス料理のブイヨンのような香りが立ち込める店内。ラーメン店でこんな香りが立ち込めるのはそうざらにない。

厨房には店主とその奥様のお二人がおられた。一歩踏み出すと左手に券売機があり、その左手にはコップと冷水ボトルがそれぞれ一定量用意されていた。

特に決めてなかったが、一列目左端の塩味ネギラーメンに、サイドメニューも行くかとなってチャーシューご飯のボタンも連打。

ふと見るとラーメンにも利用されているらしい、沖縄・粟国島の海水だけで作られる海のミネラルがたっぷりと含まれた粟国の塩や、鹿児島県種子島産のこちらは大地のミネラルがたっぷり含まれた洗双糖が店内で販売されていた。

振り返ると奥のカウンター席へ促されて、冷水を注いだコップを手に持ってそこに腰掛けた。まもなく後続客が何人か続いて、さらに活気づくフロアだった。程なく到着。

それではと行かせて貰えば、もう何この美味しさはと言ういっぺんで魅了されるその素晴らしい味わい。なるほどこれは実にうまい。

餃子で利用するようなネギの微塵切りが丼の半分に小山を作って多めに入り、もう半分のスペースには焦げないように注意して仕上げてある揚げネギが浮いてネギ好きにはたまらない一杯となっていた。

スープは名古屋コーチンの親丸に鶏ガラも贅沢に使ったものがベースとなっているらしい。ちなみに親丸とはクリスマスの時に食す親鶏のローストチキンに使われるような鶏丸ごとのこと。

また麺は2002年から岩手県で奨励品種に指定されたパン専用の国産強力粉である「ゆきちから」を自家製麺に採用したこちらだそう。なるほど細麺ながらモチモチとした食感がとても素敵なもの。

もうそれは支那そばやを思わせるもので、そのしなやかな持ち味がかなりの良さの細ストレート麺と言えた。それにしても青菜一つにしても極めている感じのこちらだ。

チャーシューご飯もまた、なかなかの味付けだった。気がつけば完食。いや、これは凄く素晴らしくとんでもない、思わず原価率を心配してしまいそうな極上の美味しさだった。

(左フォト) 塩味ネギラーメン/チャーシューご飯/店舗外観 (2013.09.18)


 ラー麺専門店 こしがや

 住所:埼玉県越谷市越谷1-12-19  TEL048-966-0988

 定休日:木曜日  営業時間:11:00〜14:50/18:00〜20:50

 アクセス:東武スカイツリーライン越谷駅東口下車。ロータリー奥の右路地を入りひたすら進んで
       突き当りを左折。120mほど歩いた左側にあり。徒歩およそ6分。



店内で販売されていた粟国の塩と洗双糖。

麺の薀蓄がびっしりと綴られた案内。

昔の呉服屋を思わせる店先がまた粋な雰囲気だった。