華月 埼玉・浦和西口







桜が咲き出してから冷え込んだが、それも緩やかにまた気温が上がり出して、正午が近づくにつれて春爛漫の度合いが増して行った、そんな三月弥生下旬の休日金曜日だった。

浦和駅西口からそう遠くない場所にも、平日の正午前後に数時間しか営業しない老舗中華店があることを先日ネットで偶然見つけた。

地元では「つきのみや」として親しまれている、調(つき)神社のすぐそばにあるこちららしい。

周辺に在住する方々のブログにも多々見受けられているこちらで、そこはかなりとても気になる一店となっていた。創業してどれほど経つ中華料理店なのだろうか。

そんなわけで休日の本日もまた、高崎線中距離電車に飛び乗って浦和駅へ降り立った。西口側に出てコルソ左脇の通りを進んで行き、紳士服のコナカがある浦和駅西口交差点を左折。

400mほど歩くと、先述した神社の前に出る。その調(つき)神社は古い文献によれば今から2000年前に創建されたらしい。

伊勢神宮へ納める初穂をしまう蔵が敷地内に在った関係で、その搬出入の妨げとならないよう鳥居のない神社として今日に至っているそう。

神社の名前が月と同じところから、その入口には狛犬ならぬ兎の石像が左右に配されていて、お清め所など多くの造形物にもこの兎が用いられているようだ。

そんな調神社を通り過ぎると、その敷地に隣接するように風情よくこちらが佇んでいた。比較的最近張り替えたような赤いビニールシートには、大きな文字で店名が表記されていた。

その下には電話番号が市外局番を除いて記されていた。その下の入口のドアには白地の暖簾が掛けられていて、雷門の枠の中にラーメンの文字が染められていた。

振り向くとそこは神社の飛び地のような敷地で、その敷地は道路によって神社と分断されており、その中を覗くとかなり大きな切り株がそこにあった。

さっそく入店すると四人掛けのテーブル席が三つあり、奥に厨房がある店内が広がっていた。

右手の二卓は既に先客が一人ずつ占有されていたので、左手のまだ誰も腰掛けていないテーブル席に厨房へ背を向けるようにして座った。

壁に張られたメニューから、あらかじめ考えていたラーメンだけでなく、それにチャーハンとギョーザもオーダーした。

するとそうした注文を一人でする方はまず来られないからか、後から誰か来るのか女将さんに聞かれてしまい、一人で平らげる旨をお伝えするとその女将さんの目が点になっていた。

ともあれ注文が通り、そこはめげずにさりげなく開業してどれほど経つのかお聞きすると、今年で50年が経過していることを教えてくれた。

すると昭和38年頃に創業したこちらのようで、自分がちょうどその頃に生まれたことを告げると、女将さんが先客の一人を平手で手を向けてこちらの方はその頃に結婚されたことをさらに教えてくれた。

ある意味上には上と言えた出来事だった。御献立とあるメニューを再度見直すと、一番高額な提供メニューは、チャーシューメンであることに気がついた。

程なくラーメンが到着。スープの表面には白絞め油のような油が垂らされていて、メンマが比較的多めに乗っており、風情の良さそうなチャーシューが2枚も添えられ刻んだ白ネギが散らされていた。

もう口にする前から、その美味しさが判るものだ。それではと行かせて貰えば、中太やや細の麺も実に素敵なもの。

豚骨・鶏ガラらしい潤いのある味わいが、なかなかのシフトを示していてとっても良かった。よく塩抜きされたメンマも美味しく、チャーシューの旨さと言ったらなかった。

注文時そうお願いしたので、少し間を置いてからスープも付いたチャーハンとギョーザがやって来た。その頃には後続客が続きに続いて、3卓だけのテーブルだけに夫々の卓に相席の方々で埋まった。

チャーハンがまたチャーシューが大きめに細切れされたものが沢山入ったもので、その美味しさは感動出来るほどに素敵で、ギョーザもかなり具材が詰まったもので、実にとても美味しかった。

気がつけば完食。精算を済ませた後、その名前もあって隣りの調神社を散策。

なるほど兎がそこかしこにあしらわれていて、隣接する調公園は、おりしの陽気で桜の開花がさらに進んでいた。

社殿の賽銭箱に100円玉を投げ入れて合掌。振り向くと燦々と注ぐ陽射しに、境内の兎が何処かで飛び跳ねていそうな気がするほど春が加速する周辺となっていた。

いや、果てしなくとってもかなり実に素敵で良かった、そんなラーメン・チャーハン・ギョーザだった。

(左フォト) ラーメン/チャーハン/ギョーザ/店舗外観 (2013.03.22)


 華月 (カゲツ)

 住所:埼玉県さいたま市浦和区岸町3-16-11  TEL048-822-9926

 定休日:日曜・祝日  営業時間:11:00〜売切れまで(13:00前後頃)

 アクセス:JR京浜東北線ほか浦和駅西口下車。コルソ左脇の通りを進んで行き、紳士服のコナカ
       がある浦和駅西口交差点を左折。500mほど歩いた調神社先の左手にあり。徒歩約9分。



浦和駅西口から9分ほど歩いた調神社そばにあり。

どれもが人気メニューとなっていた。

ギョーザは肉餡ぎっしりで8個も来て300円で美味しい。

すぐそばに巨木の切り株があった。

調神社にはふだん見受けられる鳥居が無い。

狛犬ならぬうさぎが迎えてくれるつきのみや。

創建されて2000年経つ調神社の社殿。

調神社内の風情あるお清め所。

隣接する調(つき)公園内のサクラ。