中華そば 蛍 埼玉・大和田





北寄りの微風がまだ体感温度を下げているものの、陽射しの勢いがまた増して着実に春の足音が聞こえてきた、そんな三月弥生初旬の休日火曜日だった。

時にとあることがきっかけとなってこちらが気になっていると、大宮どんどんを教えて頂いた社内の方からこちらがかなり良いことをお聞きして俄然その訪問を考えていたここ最近だった。

そんなわけで本日こそ出掛けようと心に誓い、上野から宇都宮線中距離電車に乗ってまた大宮へやって来た。東武野田線の電車に乗り換えるため東口側へ進むと、ちょうど折り返し運転の電車が到着して来たところだった。

降車客がこちらへなだれ込んで来て、思わず端に寄ってやり過ごす。落ち着いてから前へ進み改札を抜けて、その電車に乗り込んだ。東武野田線は地元周辺の船橋から柏と春日部を経由してここ大宮までの路線で、船橋〜柏間辺りはよく利用して来たもだ。

さて発車チャイムが鳴って、まもなく発車。3駅目の大和田駅で下車する。そこから徒歩でこちらへ向かった。大和田ふれあい通りを進んで行くと、周辺の方々の生活道路らしく賑やかな周辺となっていた。

300mほど先の信号十字路を左折。しばらく歩くと大根畑が見えたりして、なんとものどかな周辺。まもなくすると「大和田と岩槻道」と記された案内が、ポツンと田畑と道路の境に建ててあった。

さいたま市教育委員会の文字が刻まれており、よく文化財の横に据えられている案内板で、そこには宅地化が進む一帯だがここから見える風景は数少ない昔の景観を留どめていることが記されていた。

そこで目を遠くに移せば、なるほど旧家のようなお屋敷がその先に見えてその後ろに防風林のような林があり、それが冬の強い北西の季節風から建物を守るためにある林であることなどが説かれていた。

そしてさらに足を進めれば、遠くに中華そばの看板が見えて来て、あそこかとなって看板に近づくように先を急いだ。ちなみに蛍と言えば自宅の周辺にも、同じ店名のラーメン居酒屋が営業している。その周辺には秋山湧水がある場所で、今もこんこんと湧き水がわずかではあるが噴き出している。

蛍はそんな場所に、よく生息している。そこでネットでそうしたことを調べて見ると、界隈に位置する大和田緑地公園の傾斜地でかつて湧き水が出ていたよう。

こちらもまたそんな湿地帯に現れる蛍が由来かと思えば、この見沼地区には「蛍の御殿」なる伝説があるらしく、ともあれそんな周辺に戦前まで見られた蛍に因んで命名されたところなのだろう。

2004年2月5日にオープンしたこちらのようだ。到着すると広い敷地には大勢のクルマが駐車しており、入口には溢れた待ち客が数人店内に入れるのを今や遅しと待っていた。

その後ろに着いていると、そう待たないで中へ入れて、右奥の券売機で味玉中華そばと、辛肉味噌を和えた細切りチャーシューが乗った蛍ごはんなるサイドメニューのボタンも連打した。そして8席くらいの待ち椅子の最後尾に腰掛けて、前が詰まって行く度にお尻を動かして前へ進む。

そうしている内に厨房前の奥のカウンター席に促されてそこへ腰を下ろした。古い建物をそのまま利用したような風情の店内。ふと見ると高名なピアニストであるフジコ・ヘミングのポスターが奥の壁面に貼られてあった。店主がファンなのかも知れない。程なく到着。

それではと行かせて貰えば、これが中太麺の滑らかな面持ちに、膨よかで芳醇とした醤油スープの風情が実にたまらないもの。サンマ節・サバ節・カツオ節等の節類に煮干や昆布も利用した鶏ベースの出汁らしく、そこに3種の醤油をブレンドしたカエシによる無添加に無化調の醤油らーめんだそう。

鶏ベースだが、豚骨感も少なくなかった。魚介感はどれかが突出することなく、バランスのいい魚介感に終始するもので、柚子が最初から最後までラーメンの一部として介在していたのが印象的だった。

蛍ごはんもネギとチャーシューが絡んで来て美味しく、気がつけば完食。無添加・無化調らしい味わいが瑞々しい面持ちだけに、それはかなりとんでもなく実に素敵だった。

(左フォト) 味玉中華そば/蛍ごはん/店舗外観 (2013.03.05)


 中華そば 蛍 (ほたる)

 住所:埼玉県さいたま市見沼区大和田町1-1813 TEL048-688-3331

 定休日:無休  営業時間:11:00〜21:30LO

 アクセス:東武鉄道野田線大和田駅下車。改札前の道路を左手に進み踏み切りを渡って、その大和
       田ふれあい通りを進んで行く。300mほど先の信号十字路を左折。その大和田公園通りを
       200mほど歩いた左側にあり。



大宮駅から東武電車に乗って、3駅目の大和田で下車。

大和田公園通りを歩いて行けばこちらがある。

醤油らーめんに鶏白湯に、更につけめんもある。