中華料理 源来軒 埼玉・蕨西口





見上げた空は東海地方まで梅雨入りしたことを暗示するかのようにどんよりとしているものの、雨がすぐ降る気配もなくそよぐ風もさらっとしていたそんな五月皐月下旬の休日火曜日だった。

最近休日になると通う蕨市内に、喜多方ラーメン発祥の店とされる1925年創業の源来軒と同じ店名の中華店が営業しているとして気になるところとなっていた。

そこでそこら辺をさらに調べて見ると、なぜか都内にも数店が営業している様子。何れもそんな喜多方を源流とする中華店なのだろうか。

それにしても神保町と経堂と小岩に同店名が在るのは、少し不自然と言えそうだ。蕨の店に行けばそうしたところも、はっきりするのかも知れない。そんなわけで本日こそとなって出掛けることにした。

と言うことでまた蕨西口に降り立ち、駅からそう遠くないこちらの店頭へやって来た。入口の右手にはサンプルショーケースがあるものの、中を覗けば昔の子供のおもちゃがたくさん並べられているだけであった。

さっそく入店すると昭和の佇まいを有するそんな店内で、時計の針が止まったようなそんな感覚に満ちていた。

目の前にちょうど店主らしき方がおられたので挨拶し、店名が気になって来たことを正直に告げて喜多方ラーメン元祖の源来軒と関係があるのか率直にお聞きして見た。

するとそう聞いて来る人が以前にも居たそうで、こちらは推測でおそらく昭和10年代頃に創業した、そんな銀座三丁目の並木通りにあった銀座源来軒の流れを汲む店であることを教えてくれた。

その昔にそこにいるお父さんが、丁稚として働いていたのだそう。ふと指さした厨房を見ると、かなり高齢となるこちらの初代店主がおられた。

さて注文をしなくてはと思いメニューを見上げると、福助そばなるメニューがあったので、どんなかお聞きするとあんかけが入るうま煮そばだそう。もう1軒訪れる予定があったので、それを諦めてラーメンをお願いした。

右手の壁を見上げると人気俳優の吉岡秀隆さんの色紙サインがあった。埼玉県蕨市出身のようで、周辺に実家か自宅があるところなのだろう。

最近では「三丁目の夕日」シリーズの茶川竜之介役で有名だが、昔は「男はつらいよ」シリーズでさくらの一人息子満男の後期役や、TVドラマ「北の国から」の黒板純役でも知られる。程なく到着。

それではと行かせて貰えば、なるほど昭和初期から連綿と受け継がれるそんな支那そばから、じんわりとそれは優しいうま味が感じられる美味しさ。縮れた麺の風情がまた良かった。

目をつぶればそこはまさしく「三丁目の夕日」で、銀座四丁目の交差点を都電が行き交い、ダットサンの乗用車が青信号になったのを見て、マフラーから黒煙を吹き出して皇居方面にスピードを上げて去って行った。

チャーシューがまた泣ける美味しさで、気がつけば完食だった。1977年頃に暖簾分けを許されて、この地に創業したらしい。なお銀座の源来軒が喜多方源来軒と関係があるのかは判らなかった。

時代が移り変わって流行の味が変わろうとも、ラーメンが生まれた創成期の頃の味は実に味わい深く素敵な面持ちが在るだけに、今後も後世に残して欲しいそんなこちらの一杯だと思えた。

都内の神保町と経堂と小岩にも同じ店名が営業していることが、こちらに来て納得することができた。いや、それにしてもこちらのラーメンは、かなりとんでもなく実に果てなくとってもうまかった。

(左フォト) ラーメン/店内の様子/店舗遠景 (2013.05.28)


 中華料理 源来軒@蕨

 住所:埼玉県蕨市中央3-24-25  TEL048-432-4403

 定休日:金曜日  営業時間:11:30〜21:00

 アクセス:JR京浜東北線蕨駅西口下車。ロータリー奥に見える十字路を左折して、300m先の変則
       十字路を右折して国道17号方面へ。200m先の中央二丁目交差点をさらに右折して50m
       程歩いた左側にあり。徒歩およそ10分。

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JR蕨駅西口から徒歩およそ10分。

ロータリー奥十字路を左折し300m先を国道17号方面へ。

創業36年となる蕨源来軒だそう。

サンプルショーケースには昔の子供のおもちゃが沢山。

銀座に在った源来軒の流れを汲む蕨源来軒らしい。

茶川竜之介役の吉岡秀隆さんは蕨市生まれ。