丹行味素 神奈川・北新横浜







まもなく12月にしてはそれほどの寒さでもない、そんな冷えこみに薄手の紺色のパーカーで丁度良かった、そんな冬も間近となって来た11月下旬の休日火曜日だった。

かつて東京の下町らしさを残す東陽町に存在した来々軒の味に惚れた店主が、新横浜ラーメン博物館の最寄り駅の次駅周辺に今年の4月3日新店をオープンさせたとして気になっていた。

ちなみに来々軒はまもなく同じ東陽町の少し離れた場所に復活していて、こちらのレポートでは新店主の意気込みから同じ店舗の扱いにしているものの以前の店主ではないだけに違うお店となる。

そんな来々軒インスパイアのタンメンと岐阜県群上味噌を利用した焦がし味噌麺を、なんと無化調にしてそれをウリにしているこちららしい。そう言えばこちらもまだ訪問していなかった。横浜勤務となって行き易くなった事もあって出掛ける事にした。

そんなわけで通勤の時間よりも若干遅く自宅を出て横浜へ今日もやって来た。そこから相鉄線駅下の横浜市営地下鉄ブルーラインの電車に乗車。全席が優先席となる事で話題の電車だ。

新横浜で降りずに次駅の北新横浜へ着くとこれが半地下のような地上駅で、初冬近い陽射しが遠くのレールを照らしているのがプラットホームから見えた。改札を出て道路に出れば新しい工業団地の中にあるようなそんな周辺であり、どこかニュータウンのようにも映った街並みだった。

アドレスを頼りに出力した地図を参考にして進んで行けば行く程、この先に本当にあるの?と思わせるくらいマンションと企業の倉庫が立地する静かな界隈。途中で地下鉄の車両基地が遠くに見えた。

川が流れているらしく堤防を横目にしていた所為か中洲を歩いている感覚にもなった。突き当たりを左折して更に進めば、なるほどラーメンと記されたノボリが何本も見えてあれかとなって思わず安堵の息が洩れた。

犬の鳴き声がすると見上げればこちらのベランダからで、さしずめ「いらっしゃいませ」と言っているのかも知れないワンちゃんだった。

自宅を改造したような店舗で、中へ入ると比較的立派な券売機が出迎えてくれた。店名がタンギョウだけにラーメンは焼豚野菜タン麺を選んだ。そして正直に言ってギョウザがあると確信して来ていてボタンを探した。

ところがそれは提供していないらしく、止む無く肉味噌ご飯のボタンを連打して入店。なお店名の丹行味素は、丹念に行う姿勢から派生したものらしい。

扉を開けて入れば平日のこんな場所に、よくぞここまでの先客がと言う程に盛況な店内だった。なんとか空いていたカウンター席に、身を小さくする感じで着席。

店主ご夫婦で切り盛りするラーメン店らしく、食事を終えた食器は左手の壁に用意されたラックに置いて帰るシステムになっていた。そんな事を確認しながら冷水器から冷茶を汲んで、その横に在った紙おしぼりを一つだけ掴んで席へ戻った。

半分は周辺のサラリーマンと言う感じで、もう半分は少し離れた所からその味に引かれてやって来た先客のように見えた。後続が続く頃、先客が帰って行った。程なく到着。

なるほどもうオーラからして違う、判り易い煌めきのあるビジュアル。それではと行かせて貰えば、しみじみとした味わいがタマらないもの。

無色透明なスープに炒めた野菜から来るラードなのかそれが適度に来て、中に入る平打ち麺は国産小麦を熱を上げない石臼で挽いているらしく、ツルリとした食感にするためにタピオカ粉を練り込んでいるらしい。

それもあってか多加水感は少ないものの、コシも適度でその喉越しに魅了された。ドンブリの底には弾力のいい小粒な貝の肉が数粒入ってそれがまた良かった。

またラーメンに入るチャーシューと言えば煮豚となるが、こちらではしっかりと焼き上げているそうで実に美味しいまさしく叉焼と言えた。

サイドメニューの肉味噌ご飯も、ボリュウムも程よく白米もかなり美味しく、瀞みのある肉餡がまた実に良かった。

店主の手が空いたのを見計らって話しかけると、それに乗ってくれてこちらでも世間話しに花が咲いた。今だからこそ言える事だが、昔の来々軒では厨房が一段落するとその中でタバコを吸う方がおられたものだ。

その事を話すとさすが常連さんだった店主で、よく覚えておられてその事に関して付け足せば、そこはある意味良き時代だったのかも知れない。

実際こうして口にして見ると、胡椒の風味が強かった来々軒のタンメンの味わいとは違うものの、唯一無二的な切れ味のいい美味しさのレベルは同じように感じられた。

気がつけば完食。店主にまた来る事を告げてお店を後にした。いや、とんでもなくかなり、実に素晴らしく美味しかった

(左フォト) 焼豚野菜タン麺/肉味噌ご飯/店舗入口/地下鉄電車 (2011.11.29)


 麺処 丹行味素(タンギョウミソ)      

 住所:神奈川県横浜市港北区北新横浜2-5-13  ※公式サイトはこちら

 TEL045-717-7794  定休日:金曜日  営業時間:11:30〜15:00

 アクセス:横浜市営地下鉄ブルーライン北新横浜駅下車。外に出たら前の通りを左手へ進んで行く。
       突き当たりを右に曲がってずっと歩いて行き、その道が右に折れた頃右側にあり。



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