決定版!新横浜ラーメン博物館ウェブガイド2012 ※前回2011U年版はこちら
  かもめ食堂/こむらさき



昨年から年末年始も休まず営業中。


ラーメンにも悠久の歴史あり。


館内中央では、様々なイベントを開催中。

 








やんではまた降り出してが繰り返される、今日はやや冷たい雨が朝から滴り落ちていた、そんな3月前半の休日金曜日だった。

あの日からまもなく、1年が経とうとしている。その瞬間は黄色い総武線電車が亀戸駅に到着して、まもなくドアが閉まろうとして次の駅へ向かう直前だった。ところがドアが閉まる気配が無い。なにかあったのか?と思った矢先、電車が大きく揺れだした。地震だ。今まで経験したことがない大きな揺れだった。

よもやその直後テレビでは、大津波警報が流されているとは夢にも思わなかった。だから帰宅してからテレビに映し出される現実が、しばらくは受け入れらずにいたものだ。

東北地方から千葉房総半島の沿岸部まで襲った大津波は、あるゆるものを飲み込みそして多くの尊い人命を奪った。気仙沼周辺も多くの車が流されている状況の被害等が、TVに映し出されていたのを覚えている。

そんな港町で数年前に惜しまれつつ閉店したかもめ食堂が、このたび東北復興支援のもと先月の二日からその気仙沼ご出身の葛西ちばき屋千葉店主により、新横浜ラーメン博物館の新たなる常設店としてオープンした。

気の遠くなるほどの歳月をかけて育まれた町が一瞬にして奪い去られただけに、その町の復興はこれからまた長い歳月をかけて行くしかないのだと思う。

昨年開催された東京ラーメンショーで営業したかもめ食堂だが、3年後を目処に気仙沼の町に復活させるプロジェクトらしい。

復興支援に役立つのであればと、出掛けることにした雨そぼ降る本日だった。そんなわけでまた横須賀線電車に乗って横浜まで行き、そこから横浜線電車を利用して久しぶり新横浜ラーメン博物館へやって来た。

入場料300円を支払って入館するのは、ここのところは試食イベントを兼ねていただけに、特に久しぶりだった。入場ゲートから入り、しばし1階左手のラーメン年表を見入る。黎明期・普及期と続いて、戦後から定着期としているものだ。

昭和5年には東京・浅草に135軒におよぶ支那料理店があったと言う。その後フロアーをひと通り見てから、地下へ続く階段を降りて行った。少し前まで井手商店があった場所に、気仙沼かもめ食堂はあった。昭和17年に創業した食堂だそうで、昭和30年頃からラーメンも提供するようになったらしい。

そして平成18年4月に後継者不在により閉店。1年前の大津波により、店舗跡は全壊してしまったそう。その当時の外観が新横浜ラーメン博物館のサイトで紹介されていたが、そこに映っていた看板と同じデザインの看板が店頭に掲げられていた。

店頭の例によってすすけた券売機の前に立ち、ミニ潮味玉子入のボタンを選択。するとお店の方が待ち受けていて、空いていたカウンター席の一番奥の席へ促されてそこへ腰を下ろした。

期間限定でない常設店となるこちらだが、将来は気仙沼にこちらをオープンさせる予定があるだけに、それまでの常設店となる見込みだろうか。館内話題の新店だけに外列こそ無かったものの、後続客が続いてずっと満員に近いフロアーだった。程なく到着。

それではと行かせて貰えば混然一体となった魚介風味で、しみじみとした風合いの塩スープ。中細縮れ麺が泳いで、その全体的な風情が実にタマらないものだった。

鶏ガラをベースに鯛干しや昆布を加えた、ダブルスープによるものだそう。気仙沼特産のサンマ香味油も入っている所為か、魚介自体に奥行きを感じるものとなっていた。千葉店主によるお店だけに、半熟煮玉子は格別の美味しさ。気がつけば、完食だった。

そちらを出てせっかくだしとなって、もう一軒のラーメンを愉しむことにした。そこはもちろんラー博で、まだ未食のお店となった。そんなわけで現在営業している中で唯一未訪だった、熊本ラーメンの元祖店である昭和29年に創業したこむらさきへ入店することにした。

そこは一店目と目と鼻の距離にあった。先ほどまで広場で催されていたアトラクションが終わっていた。店舗撮影で撮れなかったアングルから、何枚かシャッターを切ってからそちらのすすけた券売機の前に立った。

まずミニラーメンのボタンを押して、きびご飯が気になったのでその小盛ならとそのボタンを連打。王様ラーメンと言うボタンがあったが、豪華な特製仕様のラーメンと言ったところだろうか。

入店するとお店の方が待ち構えていて、チケットを手渡すとゆったりできそうな大きなテーブルの一席に促されてそこへ腰掛けた。ふと右手を見ると高校時代の修学旅行の時に見た、かなり大きなフレームに入った熊本城のフォトがあった。

また正面の壁に今度は小ぶりのフレームに入ったこちらの本店のフォトと共に、店舗の歴史を示した蘊蓄らしき文章が掲げられていた。程なく到着。

なるほど白濁豚骨スープにニンニクチップが多めに浮かべられたミニラーメンが、小茶碗に入ったきびご飯と共にやって来た。

きびと言うと吉備団子が直ぐ浮かんでしまうがいわゆる雑穀の一種で、こうして見ると白米に混じっているものだった。黄色見のあるものがキビなのだそうで、白胡麻が軽く振られていた。

それではと行かせて貰えば、マー油とは違う面持ちのニンニクチップだが、その風情が実に良かった。完成された白濁豚骨のラーメンで、なるほどな老舗の美味しさに唯々黙々と舌鼓を打つしかなかった。

麺が無くなってから、きびご飯をスープに投入して食したがこれがまた良かった。気がつけば完食。そちらを出てから、しばし館内の昭和30年代の町角を散策。

中地階左奥角付近にある、そうや旅館の右扉を少しだけ開けると猫の鳴き声がするのを偶然知って、思わず何回も試してしまった。いや、どちらともかなりに素晴らしく美味しラーメンであった。

(左フォト) ミニ潮味玉子入(かもめ食堂)/ミニラーメン・きびご飯小(こむらさき) (2012.03.09)


 新横浜ラーメン博物館 詳細 ※公式サイトはこちら。 ★以下は平成24年3月現在の内容です。

 住 所:神奈川県横浜市港北区新横浜2-14-21 TEL 045-471-0503 休館日:無休

 最寄駅:JR横浜線・新幹線 新横浜駅徒歩5分。横浜市営地下鉄 新横浜駅8番出口徒歩1分。

 〔JR新幹線・横浜線 新横浜駅北口からのアクセス〕

 スカイウォークに出て日産スタジアムへ向かうように、案内板の指示に従って階段を降りる。地面に
 降りたら前方の道を進んで行き、二つ目の十字路を右折して次の左路地を入り進んだ左側にあり。

 入場料:大人(中学生以上)300円/小学生・60歳以上100円 ※小学生未満無料 ※年間パス800円

 営業時間:開館 月〜土11:00・日祭日10:30/最終入場21:00〜23:00の間で変動あり。

 ※175台収容可の駐車場あり。

 【東京駅からの電車アクセス】

 東京→[JR京浜東北線]→東神奈川→[JR横浜線]→新横浜  または

 東京→[JR新幹線・品川寄り自由席840円]→新横浜

  



昭和30年代の夕暮れ時が郷愁を誘う。


そうや旅館の右扉を開けると猫が鳴く。


ここを上がれば、日常に戻る出口だ。