北海道ラーメン 来々軒 本店
神奈川・関内





青空に染まる遥かな表層から枯葉が舞うように秋が深まっていた、十一月霜月前半のもう半ばも近い週末土曜日。今日も仕事が終わって外に出れば、夜風がまた涼しいそんな午後八時過ぎだった。

唐突ながら話しは、三年前にさかのぼる。JR有楽町駅日比谷口周辺で営業する古典札幌柳麺芳蘭を訪れた際、店内にその店の本家の昭和30年代のフォトが大きく引き伸ばされてあった。

思わず郷愁誘うそのフォトを、見入ってしまったものだった。札幌市内で営業するその本家を撮影したものだが、その隣りには当時札幌にも在った来々軒が偶然にも映っていた。それを見て日本国内には多くの来々軒が当時あったのだなとあらためてしみじみと感じたものだった。

二度目の横浜勤務が始まって、そう言えば以前の横浜勤務の際に見つけていたこちらだったがまだ訪れていなかった。何かしらそこに映る来々軒が、同じ北海道だけに関係しているのだろうか。

あの時に撮影したフォトを見せて、そんなことを聞いて見るのも、何だかそれだけで浪漫を感じてしまいそうだ。そんなわけでそれならばとなって、今夜辺りそろそろ足を向けるかと仕事帰り立ち寄ることにした。というわけで京浜東北線電車に乗って関内で下車。

慣れない関内駅周辺を歩いてその店頭へやって来た。頭上の袖看板には愛らしい熊さんが、ランニングしている姿をトレードマークにしたものがあしらわれていた。

また足元には本店のはずなのに、なぜか伊勢佐木町店と記された自立電照看板が置かれてあった。とりあえずさっそく入店すると、そこになかなか盛況な店内が待っていた。入口寄りのカウンター席だけ空いていたのでそこへ腰掛ける。

厨房の壁面には店主が余程の競馬好きなのだろうか、競馬の予想表のような作りをしたメニューリストが大きく表されていた。手元にもメニューリストがあるので注文はそちらからどうぞとのことで、それを見るとそれは壁面のものをそのまま小さくしたものになっていた。

後で気づいたが、店の周辺に有料制のウインズであるエクセル伊勢佐木があるようで、そんな界隈に合わせて工夫を凝らした結果の予想表スタイルのメニューリストなのかも知れない。

ともあれネットで味噌ラーメンが好評のこちらだっただけに、それをお願いすることにした。奥の先客は毎日足を運んでいそうな常連さんらしく、厨房の店長さんらしき方と世間話しが弾んでいた。

程なく到着。それではと行かせて貰えば、なかなか風情たっぷりの良き昭和の時代を語って来る、そんな味噌ラーメン。なんとも独特でありながら、王道感溢れるものだ。

西山製麺の布製のカレンダーが壁面に貼られており、こちらもまた西山ラーメンの麺を扱うラーメン店らしくそこはもちろん実に良かった。

開業して30年ほどになるこちらだそうで、しばらく前まで周辺に支店が営業していたそうだ。なるほど店先にあった電照自立看板は、そこで使ったいたものなのだろう。

何店舗か以前はもっと支店があったようだが、現在では来々軒の店名は本店のこちらだけだそうで、あとは元住吉に「味噌や」なる姉妹店があるだけだそう。

有楽町芳蘭で撮影したフォトを見せながら、昭和30年代札幌芳蘭の隣りにあった来々軒と関係があるか本題をお聞きすると、そこの来々軒とは無縁だそうで当時の来々軒は星の数ほどあったことだけを教えてくれた。

気がつけば完食。無休の24時間営業だけに、もっと違うイメージを覚悟して来たが、何とも素敵なこちらであった。いや、なかなかとても実に素敵で風情豊かな往年の味噌ラーメンだった。

(左フォト) 味噌ラーメン/店頭周辺/関内駅ガード (2013.11.09)


 北海道ラーメン 来々軒 本店

 住所:神奈川県横浜市中区末広町2-3-13  TEL045-252-9495

 定休日:無休  営業時間:24時間営業

 アクセス:JR京浜東北線関内駅北口下車。改札口を出たら右手へ出て回り込むように国道16号の
       大通りを左手へ進んで行く。ほどない羽衣一丁目交差点を右折して次の十字路を左折。
       50mほど歩いた左側にあり。



羽衣一丁目交差点のこの道路を入って行く。

愛らしい熊さんがランニングしている姿のトレードマーク。

少し前まで営業していた伊勢佐木町店の電照自立看板。

競馬予想表みたいなメニューリスト。

麺はサッポロ西山ラーメン。

最寄り駅はJR京浜東北線関内駅。