中華料理 華楽 神奈川・横浜坂東橋







見上げた大空は暗い雲が広がるものの時折り陽射しが注いではその雲がそれを遮って、ともあれ不安定な雲行きでありながら何処か春の陽気も感じさせた。

そんな春へ向かう季節の一日とも言えそうな、午後から雨降りの予報が出ていた一月睦月下旬の休日木曜日だった。

また横浜まで出てまだその周辺の訪れていない人気店へ向かうかと、ケーブルニットショールの柄入りカーディガンを羽織って横須賀線直通電車に乗車して出掛けた。

その車内の中でいつもそうするように、何気なくネット接続して主に横浜界隈の中華店情報などを追っていた。

すると店舗建物がゾクッと来るくらいに、かなり歴史がありそうな老舗中華店である、こちらの存在を偶然知るところとなった。

こうした中華店なら仕事帰りで無く陽が高い時間に訪れて、その風情ある建物をカメラに収めたあと中でラーメンだけでなくチャーハンも愉しみたいものだ。

そんなわけでその行き先を急遽変えて、こちらを訪れることにした。というわけで横浜市営地下鉄に乗り換え、吉野町で下車する予定を取りやめて一つ手前の阪東橋駅で下車。

そこからそう遠くない、その店頭へやって来た。やはり思った通りの風情に満ちた建物で、ここまで風情豊かな雰囲気を放つ店舗は珍しい程だった。

建物の最上部には大小宴会に対応していることや、中華料理だけでなく西洋料理も提供していることが明示され、入口上の看板の左右にはコカ・コーラや懐かしいロゴのファンタの広告が掲示されていた。

市内局番が一桁で表記されており、まだ電話が広く普及していなかった頃から電話を所有されていたことが判る店頭であった。

暖簾が水平に弧を描いて垂れ下がっていて、思わず豪徳寺・中華満来の店先がオーバーラップした。さっそく入店すると、昼時ながら平日だからか先客のいない店内が広がっていた。

左手には2階へ上がる階段があり、手摺りや窓枠が朱く塗られていて何とも良き時代の木造建物の風情が素敵なフロアだった。

ほぼ中央にあったテーブル席へ腰掛け、少しやり取りしてからラーメンと半チャーハンのセットを選んで、この際だからと餃子も一緒にお願いすることにした。

三代目店主の奥様と世間話しさせて貰うと、ひいお祖父さんは中国の方だそうで、戦後まもない昭和23年にこちらの中華店を創業させたのだそう。

昭和23年と言えば先述した豪徳寺中華店と符合する店舗開業年だ。その当時からの建物だそうで、数年前の大地震で若干傷みが進行してしまったそうだが、まだしっかりとしている建物だった。

2011年8月11日オンエアの「とんねるずのみなさんのおかげでした」の中の「きたなシュラン」で紹介されたこちらだそうで、木梨憲武さんと倖田來未さんがいらっしゃって認定して頂いたらしい。

振り向くと「きたな美味い店認定証」が壁面に貼られて、その時のフォトがその下に大きく引き伸ばされて貼られてあった。

歴史を感じる建物は朽ち果てた部分もほとんど無く、掃除が行き届いている風で汚いと言う形容は似合わないこちらと言えた。

二代目の店主はしばらく前に残念ながら他界されてしまったそうで、その奥様もご高齢のためか引退して店は三代目店主と奥様だけで営業しているのだそう。程なく到着。

それではとラーメンから行かせて貰えば、鶏ガラに豚ガラだろうか、あっさりした風味の素敵な清湯醤油スープ感がたまらないもの。

凜とした風格さえ感じられる美味しさで、それは半裁の半熟玉子や、しっかりと作り上げたチャーシューからも伝わって来て実に良かった。

チャーハンも一口含めば塩加減と油の引き具合が果てなく良く、その絶妙な卵の絡まり具合いに具材の良さも目を引くものだった。

丁寧な手仕事とは正にこのことで、餃子もまた肉餡の風合いから焼き加減に至るまでかなり素晴らしかった。

肉餡は豚挽肉にキャベツと人参等も利用されている餃子らしく、モチモチした皮がまた素敵で隠し味として味噌と蜂蜜まで入っているようだ。

店内にはこちらの建物がスケッチされた絵が二枚少し離れた位置にそれぞれ掛けられていて、そのうちの一枚は偶然売られているのを常連客の方が見つけて教えて貰い購入したものだそう。

気がつけば完食。建物も料理も、伝統と気品を感じたこちらだった。いや、かなりとんでもなく実に果てなく、何処までも絶大になかなか良かった。

(左フォト) らーめん/半チャーハン/餃子/店舗全景 (2014.01.30)


 中華料理 華楽 (カラク)

 住所:神奈川県横浜市中区曙町4-57  TEL045-261-3313

 定休日:月曜日  営業時間:平日土曜11:00〜18:00/日曜11 :00〜21:00

 アクセス:横浜市交通局ブルーライン阪東橋駅下車。3A出口より外へ出て、前方のまもない左路地
       を入り程ない大通りに出た場所の右側にあり。阪東橋交差点そば徒歩1分。



朱色を基調とした風情の良いフロア。

振り向くと「きたな美味い店認定証」が壁面にあった。

こちらの建物が水彩画で描かれて貼られてあった。

こちらの絵は常連さんから教えて貰い購入したもの。

鉄の棒をカーブさせ、暖簾をそこに垂れ下げていた。

昭和23年創業時の変わらぬ建物で営業するこちら。