らーめん まるきゅう 千葉・松戸







見上げた大空は昨日と変わらない曇り空で、夜半に降った雨跡がわずかだけ残っていたアスファルトだった。今日も午後から崩れて、深夜にはみぞれが推測された祭日の木曜日であった。

そんな今日は、松戸駅界隈に新店がまた出来た事を知り、早速ネット検索を駆使して調べて見ると、メニュー名などから、しばらく前まで葛飾区東水元で営業していたラーメン店と言う事が判った。そんな移転営業店に気になる所となり、出掛ける事にした二月中旬の建国記念日であった。

路線バスで松戸駅に出て、西口から右斜め方向へ進んで行き、バス通りを越えて更に歩いて行く。それでも駅からそう遠くない、水面揺れる坂川の松ノ木橋たもとで営業するこちらの店頭で、到着したのは午前11時30分過ぎであった。昨年の11月に、移転オープンしたよう。

丸のマークの中に「久」の文字があしらわれた白い暖簾が、坂川からの微風でわずかに揺れており、何ともいい雰囲気を造作していた店頭だった。ふと見ると、本日は特別価格500円のインフォがあり、これは嬉しい限りであった。

さらに店頭には、2000年頃のラーメン本の表紙が幾つか貼られていたが、そんな中には1995年のTVチャンピオンラーメン王選手権で、2回連続して優勝された石神秀幸氏が、初めて1998年に発刊した「ラーメン王」なるタイトルの本もあった。これは現在では毎年発刊している石神本の言わば祖となる本で、そこに紹介されたお店が松戸に来られたのは感慨深いものがあった。

暖簾をくぐって中へ入って行くと、先客が1人だけの店内で、厨房の前には7人程が座れるカウンター席が用意されていた。その厨房の中には人当たりの良さそうな、雰囲気を持つ店主がおられた。右手の一席に腰掛け、改めてメニューを手繰り寄せて見た。

今日はラーメン500円と言う事で、それならばと、しょうゆらーめんとまるきゅうそば両方をお願いする事にした。どちらからにしますか?の問いに、醤油ラーメンからまずお願いした。

店主と私の会話がひと段落すると、先客の方がラーメンを口にしながら、特別価格500円の話に「え?500円なの?」と店主に尋ねており、入り口に比較的大きく案内されたインフォを指差しながら「そうなんですよ」と返事していた。

そのお話しが落ち着いてから、東水元にあったお店かを確認させて貰うと、間違いなくそうだそうで、そこで1998年頃に営業を始めたらしい。先述したように石神氏の本で紹介されているようで、はんつ遠藤氏など有名大御所のお陰でも一時期名を馳せた事もあったそうで今でも有り難く感謝しているそう。

店名の「まるきゅう」の話題も出たが、最近は他にもよく見る店名となってしまったが、こちらが東水元で始めた頃は、まず見ない店名であったそう。店主のお名前は久保田さんだそうで、頭文字の「久」から丸久として、そこから「まるきゅう」とひらがなにしたよう。

ラーメン店を開業する前は、和洋中と料理修行を豊富に経験されて来た方だそうで、その傍らでラーメンに留どまらず国内の一流ホテルのレストラン等あちこち食べ歩く趣味により、その舌を磨いて来られたようだった。

以前勤めていた会社名もお聞きしたが、後になってからその社名に東水元で始めた時期が如何に大変な中で始められたのか、測り知れないものを感ずる所となった。ちなみにその社名は東食である。

メニューにはみそらーめんもあり、シフトをお聞きすると白味噌ベースの、あっさりした味わいのものだそう。なるほど厨房の中には、真新しい大きなズンドウが一つあるだけであった。程なく到着。

おお、もう絵に書いたような、あっさりしたラーメンがやって来た。オーラを感じる。これは美味そうだ。それではと行かせて貰えば、いやいやいやいや、これは美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い。

メンマは乾燥物から戻したもので、これも何とも言い難い良さがあり、他にワカメと甘い脂がしっかり付いたチャーシューに刻みネギが散らされていた。カエシのバランスも、実に見事で驚いた。鶏ガラベースに豚骨も利かせて魚介もさりげなく立たせた味わいに、麺がまた実にいい風情を醸しており、その豊富なご経験により実に美味しく感じ取れるものであった。

麺は三河屋製麺さんだそうで、流行りの配合やシフトではないが、実におくゆかしい良さを十二分に表出していた麺であった。

そしてその次にまるきゅうそばがやって来た。スープのない辛口ねぎらーめんと言う触れ込みのもので、いわゆる所の油そばや合えそばと同じカテゴリーだ。よく掻き混ぜてからどうぞとの事で、しっかりそうしてから行かせて貰えば、これまたなかなかなの立ち上がり感で、これまた美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い。

ゴマ油やネギ油を利用して辛味噌も効かせて魚介感もしつこい程ではなく、風情の高い削いだネギとやはり味のあるメンマに拍子切りされたチャーシューが入り、何とも言えない良さが溢れ出ていた。

長年ラーメンを作って来たそんな勘が随所に見受けられた2タイプの麺メニューで、千円だけしか支払わなくて申し訳ないと心の中で思いながらも千円だけ支払って良かった事を申し上げた。いや、それにしても良かった、美味しくて風情のいいしょうゆらーめん&汁なしまるきゅうそばであった。大御所や東水元にいらしたお客様、是非またお越し下さい、との事であった。


(左フォト) しょうゆらーめん/まるきゅうそば/店頭外観/店舗周辺遠景 (2010.02.11)


 らーめん まるきゅう (丸久)

 住所:千葉県松戸市根本9-1  TEL047-702-7850

 定休日:月曜日  営業時間:11:00〜14:00/18:00〜23:00 ※日曜祝日のみ〜22:00

 アクセス:JR常磐線松戸駅西口下車。西口ロータリー右奥の道を右折して、一つ目の十字路を
       左折。バス通りまで出て信号を越えて更に直進して行き、坂川の松ノ木橋の手前の
       たもとの右側にあり。徒歩およそ7分。



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