豆大福 三好家 千葉・木更津







朝方から降り頻る大粒の雨に白いものが混じり、時ならぬミゾレ混じりの雨が桜の花を地面に落として、季節が真冬に逆戻りしていたそんな四月卯月上旬の休日水曜日だった。

また千葉市内に所用があった日で、その関係でしばらく前からネットで見つけて気になっていた、そんなこちらを訪ねることにした。

そんなわけで千葉から内房線電車に乗って、久しぶりとなる木更津駅前へやって来た。

手がかじかむほど寒い中を、傘を広げて線路沿いの道路を巌根方面へ歩いて行くと、突き当たり前方の大踏切前に風情も良くこちらの店舗が佇んでいた。

もうすぐ店先と言う頃になると、餡子を炊くような香りが、周囲に立ち込めていたことに気づかされた。

店頭の道路はひっきりなしにクルマが行き過ぎるかと思えば、すぐに閑散として辺りは静かになり、それでもそうしない内に数台のクルマが目の前を通り過ぎて行った。

そんな乗用車に注意しながら道路を横断して、暖簾が揺れるその店先に到着すると、餡子を炊く香りがより強くなっていた。

ふと見るとガラス越しにはプラスチック容器に入ったお赤飯が積まれていて、豆大福と草餅とおいなりさんが大きい銀色のトレーの中にそれぞれたくさん置かれていた。

冷たい雨から逃げるように店内へ入って行くと比較的広い店内で、おられた先客が豆大福を購入すると挨拶しながら外へ出て行った。

食事で来たことをお話しすると誰も座っていないテーブル席に案内されて、ヤカンがのってシューと音を立てていた高出力石油ストーブ傍のテーブル席へ腰を下ろした。

一番奥に厨房があるこちらで、その壁面の上にお品書きがあり、洋食メニューのチキンライスとオムライスが冒頭に案内されていた。

そこに続くメニューとしてさらに親子丼と一般的に言う玉子丼であろう玉丼に、チャーハンらしき焼飯があり中華店の定食で出て来そうな野菜炒めライスもあった。

定食と言えば地元本八幡にオムライスをウリにして四年前まで営業していた、定食三好があったものだが思わず同じ三好の店名に想いを馳せた。

その後に続くのが麺類メニューで、五目そば、タンメン、ラーメン、焼きそばが用意されていた。

そして甘味処らしく磯べ焼やお雑煮に、大きいお餅が入りその量も多いらしいお汁粉の、びっくりしるこなる提供メニューもあるようだった。

さてそんなお品書きを確認してから五目そばやタンメンもいいなと思ったが、そこはいつものように時代が見えて来る醤油味のラーメンをお願いすることにした。

そしてそこは名物で人気商品の豆大福も一緒にとなるもので、せっかくだからとさらに草餅も一緒にそれぞれ一つずつオーダーに加えさせて貰った。

6月から11月までみたらし団子を限定提供しているこちらだそう。その他にも時季折り折りに様々な和菓子を提供しているこちらで、かしわ餅、きなこ餅、白餡大福、さくら餅、おはぎなどを店頭販売しているらしかった。

昨年の日本テレビ番組「ぶらり途中下車の旅」で、田川陽介さんが内房線の旅の中で木更津駅周辺を紹介した際に、その中で豆大福の美味しい店としてこちらが映ったようだ。

傍に先代店主のご高齢な女将さんらしき方がおられたので、いつものように話しかけて色々とお聞きさせて頂いた。

創業は昭和初期だそうで、世間話しに花を咲かせている内に、それも1928年の昭和三年に開業したことが判った。また現在の店主は、三代目になるそうだ。程なく到着。

ラーメンから大きく湯気が立ちのぼり、その湯気は一緒にやって来た、向こうにあるコショーがぼんやりと見えるほどだった。しばし撮影しても湯気ばかりだったが、最後の方に写したものはそれほどでもなかった。

そして豆大福と草餅の間には、包装用紙を体裁よく切ったもので仕切られてあり、豆大福に付着した打ち粉が草餅に付かないようにしてあり、素晴らしい対応と言うしかなかった。

さりげなくその横には、お茶が一緒に置かれていた。ともあれそれではとラーメンを口にして行けば、昭和の風情が素敵な面持ちとなって現れて来る素敵な持ち味がたまらないもの。

スープは鶏ガラベースの醤油清湯で麺は中細のツルツルと来る風合いは、県内で数多く見られる戦後も落ち着いて来た昭和30年代頃に普及して行ったスタンダード的なものだった。

具材はホウレン草とナルトと比較的多めのシナチクに、海苔がさりげなくのせられ、チャーシューはやや脂味の多い豚ばらで厚みがある分だけ存在感を感じさせた。

その後に粒あんの豆大福に、コシあんの草餅を共々にほお張り、ほど良い甘味がなるほど素敵な持ち味で美味しく頂いた。

ラーメンも和菓子も実に美味しく、それだけに気がつけば完食だった。いや、かなりなかなかとても素敵で、実に風情もほど良く素晴らしかった。

(左フォト) 店頭と踏切り/ラーメン/豆大福・草餅/店内 (2015.04.08)


 豆大福 三好家 (ミヨシヤ)

 住所:千葉県木更津市朝日1-1-48  TEL0438-23-3448

 定休日:不定休  営業時間:8:40〜17:00

 アクセス:JR木更津駅東口下車。改札口を出たら右手の東口に進み、左手の階段を降り線路沿い
       の道路を巌根方面へ歩いて行く。200mほど先の突き当たりの前方の大踏切前にあり。



千葉駅から木更津まで行く電車が多く運行している。

昭和三年創業で、豆大福が人気商品のこちらだ。

JR木更津駅の巌根寄り大踏切りの傍で営業している。

豆大福以外にも、いくつかの商品が用意されていた。

おいなりさんが銀色のトレーに並べられていた。

かなり前に建築された建物で営業していた。

和洋中華メニューが並ぶ食堂でもあるこちらだ。

ラーメンには、コショーが付いて来た。

豆大福は、美味しい餡子がぎっしり入っていた。